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July 07, 2009

セブン&アイH、2010年2月期、第1四半期、減収減益!

   セブン&アイHが7/2、2010年2月期、第1四半期決算を公表した。結果は、減収減益となる厳しい決算となった。その数字であるが、営業収益1兆2,417.35億円(89.2%)、営業利益586.49億円(82.5%)、経常利益585.07億円(83.9%)、当期純利益236.92億円(71.7%)となり、すべての段階で減益となり、しかも、営業収益よりも、利益の方が落ち込み幅が大きく、利益の確保が厳しかったといえよう。近々にイオンの決算も公表される予定であるが、セブン&アイH以上に厳しい決算が予想されるとのことで、小売業界No.1、No.2ともに、この第1四半期決算は不振となり、小売業界全体が、いっきに厳しい局面に入りつつあるといえよう。

   セブン&アイHの営業収益が89.2%となった要因であるが、コンビニエンスストア事業が80.4%となり、しかも、昨年は部門トップの営業収益であったが、その座をスーパーストア事業(GMS、食品スーパーマーケット)に譲り、不振となったことが大きかった。セブン&アイHのコンビニエンスストア事業は国内と海外(北米が主)に分かれ、その営業収益の構成比は単純計算で約70%が北米依存であり、国内は30%にすぎない。現在、国内のセブンイレブンはtaspo効果もあり、堅調ではあるが、北米のセブンイレブンがドルベースでは堅調であるが、円高による為替変動の影響に加え、ガソリン価格のダウンが響き、減収となったことが大きかったといえる。

   ついで、今期No.1部門となったスーパーストア事業であるが、97.5%と全部門の中では最も健闘したが、わずかに及ばず厳しい結果となった。営業収益では、この2部門で全体の77.7%と大半を占めるので、この2部門が昨対をクリアーできなかったことが減益の最大の要因である。その他の部門では、百貨店事業89.5%、フードサービス事業85.0%、金融関連事業89.2%と、すべての事業で減益となっており、この第1四半期の消費環境がいかに厳しかったかを表しているといえよう。

   一方、営業利益の方であるが、こちらも、全体では82.5%となり、営業収益の89.2%と比べ、それ以上に落ち込みが大きく、利益の確保はさらに厳しい状況であった。その内訳であるが、営業利益の76.7%を稼ぎ出しているコンビニエンスストア事業は96.8%と、比較的堅調な数字であったが、営業収益が堅調であったスーパーストア事業が40.8%と、大きく落ち込んだことが大きく、さらに、百貨店事業は18.3%、フードサービス事業は赤字となったことが大きかった。ただ、金融事業は115.8%と唯一プラスとっており、営業収益ではわずか2.3%であるが、営業利益では17.1%と大きく貢献しており、いまや、セブン&アイHは、総合小売業というよりも、コンビニ、特に北米と金融が収益の大黒柱になったといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益5兆3,130.00億円(94.0%)、営業利益2,850.00億円(101.1%)、経常利益2,810.00億円(100.6%)、当期純利益1,230.00億円(133.2%)という数字であり、今期は利益確保に重点を置く経営方針であるといえよう。ただ、その増益率もわずかであり、今期は厳しい消費環境との予想である。

   一方、財務状況であるが、自己資本比率は45.5%(昨年47.9%)とやや下がり、負債依存度がやや上昇した。その負債の主要項目である有利子負債の状況であるが、7,932.18億円(昨対90.7%)と下がっており、返済が進んでいる。総資産3兆8,276.58億円に占める割合は20.7%である。また、その内訳であるが、百貨店事業が全体の42.4%と最も大きく、ついで、金融事業の27.4%であり、合計69.8%と、約70%を占め、大半がこの2事業である。いずれも、セブン&アイHにとっては、新規の事業分野といえ、金融事業は軌道に乗り始めたが、百貨店事業はこれから本格的なリストラとなるものといえ、一層の財務改革が必要といえよう。

   これに対して、資産面であるが、小売業最大の資産である土地、建物、差入保証金、および商品及び製品であるが、合計は1兆6,455.18億円となり、総資産の42.9%であり、ちょうど、自己資本比率45.5%で相殺されており、絶妙のバランスである。ちなみに、商品及び製品であるが、総資産の4.5%であり、在庫の多い百貨店、GMSをコンビニ、食品スーパーマーケットで相殺している状況といえ、在庫負担は以外に低いといえよう。

   最後に、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは1,377.52億円、投資キャッシュフローは-495.62億円となり、合計、フリーキャッシュフローは881.90億円と順流である。そして、財務キャッシュフロー、-201.17億円を吸収し、結果、トータル695.35億円のプラスとなった。結果、期末の現金及び現金同等物の残高が7,330.19億円となり、有利子負債の7,932.18億円とほぼ相殺れており、バランスがとれている。

   このように、2010年2月期のセブン&アイHの第1四半期決算は減収減益の厳しい決算となり、営業収入以上に営業利益が落ち込むという、特に、利益が厳しい結果となった。消費環境がここへきて一層厳しさを増している状況といえ、今後、増収を確保することはより難しくなると思われ、いかに利益を確保するかが、重要な経営課題といえよう。セブン&アイHも通期予想では利益重視を鮮明に打ち出しており、今後、小売業界全体がいかに利益を確保できるかが問われるといえよう。セブン&アイHの次の中間決算がどのような数字となるか、その動向に注目である。

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