日経MJで外食の売上速報2009年6月度を公表!
7/27の日経MJで外食の2009年6月度の売上速報の集計が公表された。見出しは、「外食売上高、ファストフード失速」、「6月の主要35社、家族向け業態は好調」というものであり、外食の売上失速が鮮明となる結果となった。本ブログでもすでに、食品スーパーマーケット主要24社のこの6月度の集計を取り上げたが、ファストフード同様、売上が急速に失速しており、この6月度は食品スーパーマーケット、外食、双方にとって転機となる月となった模様であり、今後、厳しい経営環境に入るといえよう。
外食の失速が鮮明になったのは、見出しにもあるように、特にファストフードであり、外食のトップ企業、マクドナルドが97.1%になったことが大きかったといえる。日経MJの記事の中でも言及されているが、41ケ月ぶりの前年割れとのことで、特に、昨年、フィレオフィッシュ100円の大型キャンペーンの反動も大きかったという。既存店は95.6%と、さらに下回っており、客数94.6%、客単価101.0%であるので、客数が減少したのが要因である。同じ、ハンバーグのファストフード、モスフードサービスも93.3%と大きく失速しており、厳しい状況である。他のファストフードでは、日本ケンタッキー・フライド・チキン99.6%、吉野家98.0%となっている。一方、ファストフードで100%を超えたのは、松屋フーズ101.7%、ゼンショー(すき家)112.6%と、特にゼンショー(すき家)は、好調な数字であるが、既存店は98.2%、94.1%と厳しい状況であり、ファストフード全体が厳しい状況であったといえよう。
ファストフードについて、売上が厳しかった業種は居酒屋である。大庄92.6%(既存店90.6%)、ワタミ94.9%(92.9%)、コロワイド90.1%(既存店93.0%)、テンアライド93.7%(既存店94.3%)、ダイナック93.4%(93.3%)と、集計企業すべてが昨対を、既存店も含め割っており、しかも、客数、客単価ものきなみ昨対割れであり、深刻な状況といえよう。ラーメン・カレー・定食もハイディ日高、王将フードサービスを除き、すべてが昨対割れである。リンガーハット94.1%(既存店89.1%)、幸楽苑98.1%(既存店94.6%)、壱番屋99.6%(既存店97.0%)、大戸屋97.5%(既存店95.5%)という状況であり、特に、客数が大きく減少しているのが特徴である。
では、逆に、この6月度、好調な外食を見てみると、ラーメン・カレー・定食の王将フードサービスが128.0%(既存店125.9%)と、集計35社の中で断トツ、トップであり、驚異的な数字である。客単価は98.0%とやや厳しい状況にあるが、客数が126.1%と大きく伸びており、客数アップによる売上増が鮮明である。同じく、ハイディ日高も118.6%(既存店98.4%)と、大きく伸びており、この2社は、ラーメン・カレー・定食業種の中では異常な伸びである。
この2社についで、業種全体が好調なのは、すしである。1社、元気寿司のみ84.6%(既存店83.6%)と厳しい状況にあるが、その他の、あきんどスシロー123.8%(既存店104.7%)、くらコーポレーション122.1%(既存店106.6%)、カッパクリエイト107.7%(既存店99.8%)という状況であり、すしは特に、この厳しい状況の中で、この6月度は、全体的に好調な外食であったといえよう。
また、これらの業種以外でも、ファミリーレストランのサイゼリア117.3%(既存店112.3%)、先にも取り上げたファストフードのゼンショー(すき家)も112.6%(既存店94.1%)と2桁の伸びである。ただ、集計35社の内、好調なのは、この6社のみであるので、全体的にはやはり、この6月度はかなり厳しい外食の結果であったといえよう。
そして、その他の外食の業種動向であるが、ファミリーレストランのすかいらーくは94.1%(既存店102.2%)、ロイヤルホールディングスは既存店のみであるが92.1%、ジョナサンも同様に既存店のみであるが96.7%、さらに、セブン&アイ・フードシステムズも既存店のみであるが93.7%と、のきなみ昨対を割っており、厳しい状況である。焼肉では、安楽亭103.2%(既存店103.2%)、レインズインターナショナル101.1%(既存店100.1%)と、この2社は堅調であるが、焼肉屋さかいは72.9%(既存店82.9%)と、深刻な数字である。コーヒーでは、スターバックスコーヒージャパンは100.2%(既存店92.8%)と、ぎりぎり昨対を超えたが、ドトールコーヒーは93.3%(昨年95.2%)と厳しい数字である。さらに、中食・宅配ではプレナスは101.3%(既存店92.8%)と、堅調であるが、ロックフィールド95.4%(既存店93.6%)、オリジン東秀92.7%(既存店94.1%)、かなり厳しい数字である。
このように、これまで、外食全体を大きく牽引してきたファストフードのマクドナルドのこの6月度の売上が41ケ月ぶりに昨対を割り、失速したことにより、外食全体も厳しい状況に入ったといえよう。実際、先に見たように、マクドナルド以外にも軒並み、外食産業の各業種の数字も落ち込んでおり、外食産業を取り巻く経営環境が急激に悪化しているのではないかと推測される。折しも、食品スーパーマーケット業界もこの6月は厳しい数字となっており、食全体が、この6月が転機となった可能性が高く、来月、7月度の数字がどのような状況になるか、今後の動向を占う上で、重要な月となろう。今後、外食各社が、この厳しい経営状況の中、どのような挽回策を打ち出すか、注目である。
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