マックバリュグループ、第1四半期決算、厳しい結果!
食品スーパーマーケットの2010年度1月期、2月期の第1四半期決算の公表がはじまった。来週以降、各社が、あいついで公表するものと予想されるが、これまで、公表された食品スーパーマーケットの中で、特に、ここでは、マックスバリュグループの決算を取り上げてみたい。現在、マックスバリュグループでは、マックスバリュ北海道(1月期)、東北(2月期)、中部(1月期)、西日本(2月期)と4社の2010年度、第1四半期の決算が公表されている。今後、公表されるのがマックスバリュ東海であるが、ちょうどこの公表された4社は東日本2社と西日本2社に別れており、この4社を見ることで、今期の食品スーパーマーケット業界の現時点での全体の景況感をある程度推し量ることができるといえよう。
まず、マックスバリュ4社の内、東日本の2社の第1四半期決算の概況であるが、マックスバリュ北海道は、営業収益186.09億円(108.1%)、営業利益-3.72億円(昨年-1.79億円)、経常利益-3.75億円(昨年-1.76億円)、当期純利益-6.17億円(昨年-1.06億円)と、営業収益は、昨年、ジョイを吸収合併したことにより、増収となったが、昨年に続き、赤字となる厳しい決算となった。マックスバリュ東北は、営業収益218.66億円(95.6%)、営業利益-1.83億円(昨年-5.58億円)、経常利益-2.13億円(昨年-5.57億円)、当期純利益-2.55億円(昨年-3.63億円)とマックスバリュ北海道同様、赤字決算となった。また、営業収益も95.6%と伸び悩んでおり、厳しい決算である。
次に、西日本2社の第1四半期決算の概要であるが、マックスバリュ中部は、営業収益280.31億円(101.3%)、営業利益0.69億円(22.9%:営業収益比0.2%)、経常利益0.89億円(29.9%:営業収益比0.3%)、当期純利益-0.2億円と、増収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。そして、マックスバリュ西日本であるが、営業収益529.78億円(106.5%)、営業利益9.58億円(60.8%:営業収益比1.8%)、経常利益11.17億円(65.7%:営業収益比2.1%)、当期純利益6.25億円(64.7%:営業収益比1.2%)と、増収減益、特に利益は大幅減となる厳しい決算となった。
4社とも減益となり、しかも、3社が最終利益が赤字となる厳しい決算であり、この第1四半期は利益が確保しにくい、厳しい経営環境であったといえよう。特に、マックスバリュ北海道、東北は昨年に続く赤字決算であり、今後、収益改善が最大の経営課題となったといえ、まずは、赤字からの脱却が最優先課題といえよう。また、マックスバリュ中部、西日本も大幅な減益であり、特に、中部は最終赤字となる厳しい状況である。今後、両企業ともに、収益改善が課題といえ、まずは、営業利益をいかに改善するかが、最優先課題といえよう。
そこで、この4社の営業利益が赤字、ないしは減益となった要因を原価と経費の関係から見てみたい。まずは、原価であるが、マックスバリュ北海道76.8%(昨年76.7%)、東北76.7%(昨年78.6%)、中部75.5%(昨年75.2%)、西日本75.9%(昨年75.7%)であり、東北のみ原価が下がっているが、それ以外の3社はいずれも、原価の上昇が若干見られる。
結果、売上総利益はマックスバリュ北海道23.2%(昨年23.3%)、東北23.3%(昨年21.4%)、中部24.5%(昨年24.8%)、西日本24.1%(昨年24.3%)となった。4社の中では中部の売上総利益が最も高く、ついで西日本であり、北海道、東北はほぼ同じであるが、中部、西日本と比べ、1ポイント近く低く、原価が高めであるといえよう。
一方、販売費及び一般管理費であるが、マックスバリュ北海道27.1%(昨年26.3%)、東北26.8%(昨年26.2%)、中部26.9%(昨年26.2%)、西日本24.5%(昨年23.2%)と、いずれも経費上昇がみられ、原価以上に、経費が上昇しており、各社、この第1四半期決算は原価よりも、経費の上昇が収益を圧迫した要因であったといえよう。
ここから差し引き、マーチャンダイジング力を計算すると、マックスバリュ北海道-3.9%(昨年-3.0%)、東北-3.5%(昨年-4.8%)、中部-2.8%(昨年-1.4%)、西日本-0.4%(昨年1.1%)となり、すべてマイナスであり、昨年唯一のプラスであった西日本もわずかにマイナスとなり、この第1四半期は各社経費増が収益に重くのしかかった結果となった。
これに、不動産、物流収入等の営業収入がのるが、結果、売上対比で営業利益は、マックスバリュ北海道、東北は赤字、中部は0.26%(昨年1.12%)、西日本1.85%(昨年3.23%)とプラスにはなったが、昨年と比べると、大きく減益となっており、厳しい決算であったといえよう。
このように、マックスバリュ4社、北海道、東北、中部、西日本の2010年1月、2月期の第1四半期決算を見たが、いずれも、減益となり、特に、北海道、東北は赤字、中部も当期純利益が赤字となる厳しい決算となった。その要因を原価、経費で見てみたが、双方の上昇が見られ、特に、経費の方が大きく上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力がすべてマイナスとなる結果となった。今後、経費比率を引き下げるためには、経費の削減はもちろんだが、既存店の活性化、坪売上のアップにより相対的に固定費を下げることも経営課題といえよう。次の第2四半期決算でどこまで、各社の経営数値が改善するか、そして、そのために各社がどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。
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