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August 04, 2009

家計調査データ、2009年6月度、99.8%、微減!

   7/31、総務省統計局から2009年6月度の家計調査データが公表された。同時に公開された消費者物価指数(CPI)については、本ブログでも取り上げたが、デフレ傾向が鮮明な結果であった。したがって、このデフレ傾向の消費の中で、家計の実態はどうかが、この数字に反映されているといえ、結果が気になるところである。その結果であるが、全体が1世帯1日当たり9,241.23円(98.3%)、外食を除く食品が1,985.97円(99.8%)となり、昨対をクリアーすることはできなかったが、特に食品は微減にとどまり、デフレ=消費減とはならかったようである。ただ、デフレはこれからが本番といえ、今年の10月までは予断を許さない状況が続くので、注意深く、消費状況を見守る必要があろう。

   この6月度の家計調査データで最も注目すべきは、6/1から施行された改正薬事法の影響であろう。数字を見てみると、この6月度は保健医療450.60円(112.4%)と大きく伸びている。消費額全体が先に見たように98.3%であるので、112.4%は異常値といってよい伸びである。5月度387.35円(101.6%)、4月度388.50円(93.1%)であるので、この6月度は全体が好調である。ただ、この好調さは、改正薬事法の結果が反映されたというようよりも、保健医療関連全般が好調であり、中分類で見ると、医薬品69.23円(124.9%)、保健医療用品・器具74.80円(110.8%)、保健医療サービス269.90円(111.7%)等が伸びていることによる。

   これも、一見すると医薬品の124.9%が改正薬事法の影響のようにも見えるが、その中身を見てみると、この伸びは、ほぼここ1年間続いており、この数ケ月を見ても、6月度はいま見たように69.23円(124.9%)であり、5月度67.74円(128.7%)、4月度68.47円(120.7%)という状況である。そして、その中身であるが、その好調さを支えているのは、他の医薬品であり、これが、6月度34.83円(158.1%)、5月度35.90(166.6%)、4月度39.20円(155.8%)と、異常値であったためである。

   では、改正薬事法に直接かかわる項目はどうかであるが、家計調査データの項目では感冒薬、胃腸薬が別途集計されているので、この2つを見ると、感冒薬は、6月度3.97円(111.2%)、5月度4.77円(102.1%)、4月度4.53円(87.2%)である。また、胃腸薬は、6月度3.33円(114.9%)、5月度3.35円(101.0%)、4月度3.00円(94.7%)という状況である。したがって、明らかに、数字が跳ね上がっており、改正薬事法の施行の影響といえよう。ただ、保健医療、医薬品全体を押し上げるほどのインパクトはなく、あくまで、感冒薬、胃腸薬等の大衆薬に限定された消費の押し上げにとどまったといえよう。

   では、食品はどうであったかを見てみたい。食品の中で、伸び率が高かった大分類を見てみてみると、飲料が最も高く139.90円(106.8%)であり、ついで、果物100.33円(103.9%)、菓子の203.20円(102.9%)である。この3部門が堅調な伸びを示しているのが、この6月度の特徴である。

   では、この3部門の中で、特に、伸びている項目を見てみると、飲料では、紅茶2.67円(135.6%)、炭酸飲料10.50円(119.8%)、コーヒー飲料12.50円(118.3%)、茶飲料18.40円(114.0%)等が良く伸びている。果物は消費者物価指数が食品の中では最も下落率が大きかった部門であるが、もも3.17円(143.9%)、ぶどう4.63円(128.7%)、キウイフルーツ5.67円(122.3%)、バナナ18.23円(118.4%)等が良く伸びている。そして、菓子であるが、菓子は消費者物価指数が果物とは対照的に大きく上昇している部門であるが、カステラ2.33円(122.8%)、ビスケット9.20円(118.5%)、キャンデー6.63円(117.8%)、アイスクリーム・シャーベット27.30円(112.7%)等が良く伸びている。

   また、大分類では消費が伸び悩んだ項目の中で、特に伸びが顕著であったものを見てみると、ぶどう酒7.70円(145.3%)、しじみ1.37円(124.2%)、いわし2.27円(119.3%)、たこ4.30円(117.3%)、こんぶ2.70円(117.4%)、マーガリン2.77円(115.3%)、ぎょうざ5.60円(116.7%)であり、この項目が115%以上、消費が伸びている。これを見ても、115%以上伸びた項目はさほど多くはなく、この6月度は大きく伸びた項目が少なかったといえよう。

   一方、逆に、伸び悩んだものを見てみると、大分類では、酒類125.90円(96.4%)、魚介類218.10円(96.5%)、肉類208.87円(96.7%)、穀類220.67円(98.7%)が伸び悩んだ。また、特に厳しかった項目を見てみると、即席めん3.57円(88.4%)、たい3.50円(86.8%)、かまぼこ7.03円(72.0%)、はくさい1.40円(89.4%)、にんじん6.07円80.2%)、かぼちゃ5.23円(88.7%)、納豆9.60円(89.7%)、りんご6.57円(86.4%)、グレープフルーツ3.33円(88.5%)、食用油10.47円(87.2%)、食塩2.23円(89.3%)、風味調味料4.80円(88.9%)、まんじゅう3.73円(78.9%)、チョコレート7.27円(88.3%)、緑茶12.73円(89.9%)、ビール42.93円(88.6%)、ウイスキー3.27円(89.9%)等が10%以上、消費額が下がった項目である。

   このように、この6月度はデフレ基調のさ中の家計の消費状況であったが、全体としては大きな落ち込みはなく、微減の結果となった。また、改正薬事法の施行による一定の効果は見られたが、医薬品を大きく押し上げるまでにはいっていないといえよう。そして、食品全体に関しては、消費者物価指数が大きく上昇した菓子と逆に下落した果物、双方が好調であり、現段階ではデフレ傾向が家計の消費に大きく影響を与えているといえない状況である。今後、デフレ基調は続き、さらに強まると予想されるので、消費環境がどのいように変化するか、注意深く見守る必要があろう。

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