下位ランクから見る日経MJ新製品週間ランキング!
日経MJ新製品週間ランキングが8/21公表された。これまで、本ブログでは、ランキングの上位をAランク金額PI値500円、Bランク金額PI値300円、Cランク金額PI値200円と分け、特に、金額PI値500円以上は無条件で定番化しても問題はない顧客からの高い支持があり、通常の定番でも十分に重点商品として、強化すべき商品であると推奨してきた。逆に、Cランク以下は、厳しい数字であり、今後、定番化するのはかなり、難しいのではないかと、あまり、取り上げることはなかった。そこで、今回は、逆に、Cランク以下、すなわち、下位の新製品を中心にランキングを見てみたい。
下位の商品といっても、日経MJで取り上げる新製品は飲料がベスト20、菓子がベスト20、冷凍食品がベスト20、その他食品がベスト20、そして、家庭用品がベスト10のみを公表している。当然、新製品の数は、これですべてではなく、これはほんの一部でしかない。逆にいえば、新製品の中のベストランキングでもあり、ここに掲載されている新製品は、新製品の中でも極めて高い金額PI値であといえる。そこで、その水準がどのくらいの数値であるかを今回は確認してみたい。
まず、飲料であるが、20位がアサヒ飲料、十六茶とうもろこしブレンド490mlであり、金額PI値は78円である。カバー率も26.4%と、対象49チェーン250店舗の1/4ほどであり、8/8、初登場でもあり、まだまだ、導入が始まったばかりである。平均単価は93円であるので、PI値を逆算すると、金額PI値78円÷平均単価93円=0.083%であり、平均的な食品スーパーマーケットの1日の客数2,000人をかけると1.66個となる。この数字が高いか低いかであるが、一般的にグロサリーのカット基準を考えた場合、PI値0.05%、すなわち、1日2,000人の客数で1個ぐらいが目安といえるので、PI値0.083%は十分、品揃えに加えて良い水準ではあるが、カバー率が26.4%であり、もう少し、多くの導入店舗での検証結果が欲しいところである。
次に、菓子であるが、20位がバンダイ、極めろシンケンジャーラムネ菓子1個付であり、玩具菓子である。金額PI値56円、カバー率は39.6%、平均単価は288円と、やや高めである。バンダイはここへ来て、新製品をあいついで投入しており、19位に、ポケモンキッズDPぜんこく図鑑版4ラムネ菓子1個付き、金額PI値56円、18位に、なりきりプリキュアフレッシュアイテムラムネ菓子1個付、金額PI値57円、そして、10位、ベスト10にミニプラ侍合体イカダイカイオーラムネ菓子1個付、金額PI値80円であり、この4つが、菓子ベスト20に入り、すべて、ラムネ菓子付である。しかも、10位は金額PI値がやや高いが、その他3品は金額PI値がほぼ同じであり、50円強である。
金額PI値が50円まで下がると、やや、金額PI値の水準が低くなり、定番化が厳しくなるが、この新製品は1品1品で見るよりもまとめて品揃えの幅を増やすことがポイントといえ、金額PI値50円が安定的な数字であれば、セットで考えてみた方が良いといえよう。4つ合わせたセットの金額PI値は249円となり、Cランクをクリアーするので、1品1品の安定度を見てセットで導入を検討することがポイントである。
ついで、冷凍食品であるが、20位は森永乳業、エスキモー「Fami(ファミ)バニラ&苺」50ml×10本、金額PI値33円である。カバー率も21.6%と低く、この数字はかなり厳しい数字といえよう。19位も金額PI値40円、加ト吉、和風ふっくらオムレツ128gであり、厳しい数字である。やはり、先にも見たように、できれば、金額PI値50円以上は欲しいところである。また、その他食品であるが、20位は敷島パン、十勝バターキャラメルスティック6本入り、金額PI値81円であり、その他食品は日配、グロサリー混在しているが、ベスト20でも金額PI値50円を超え、全体として、飲料同様、新製品の水準が高いといえよう。カバー率も43.6%とまずまずの数字であり、定番化しても安定した数字が確保できそうである。
そして、最後が家庭用品であるが、ベスト10までであるが、10位がユニリーバ・ジャパン、ラックススーパーリッチシャインコンディショナーつめかえ10%増量品420ml、金額PI値81円である。家庭用品としては、まずまずの数字といえ、カバー率も42.0%とベスト10の中で2番目に高く、カバー率は家庭用品としては高い数値といえよう。
以上が、全部門の下位ランクの新製品週間ランキングの実態であるが、下位ランクといっても、現状の新製品の中ではベスト10、ベスト20の新製品であり、いかに、金額PI値を一定水準に持って行くか、しかも、ある程度のカバー率を達しての安定した数値を維持するのが難しいかがわかる。おしなべて、この数字をみると、金額PI値50円が定番化されるかどうかの、ぎりぎりの水準といえるのではないかと思う。しかも、その数字が不安定な数字ではなく、ある程度、カバー率が高い水準での数値が望ましいといえよう。金額PI値は低くとも、カバー率が高ければ、一定の顧客層からの支持を獲得したと推測でき、新製品がある一定の顧客層に受け入れられたと判断できるからである。今後は、金額PI値が高い新製品だけでなく、今回のように、金額PI値は低いが安定した数字を獲得した新製品にも注目して、ランキングを見てゆきたい。
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