メーカー向けのセミナー開催、久しぶり!
「スーパーマーケット、商談前の決算チェック、ここが提案ポイント」、というテーマでメーカー向けのセミナーの開催が決まりました。(株)日本マーケティング研究協会主催ですが、10/12、私が講師として、講演します。財務3表連環表を駆使し、メーカーの方が商談前にチェックすべき、決算内容をまとめ、具体的な提案に向けてのポイントを解説する予定です。今回のセミナーは、メーカー向けの内容ですが、小売業にとっても十分に参考になると思いますので、本ブログの左上、「セミナー開催」から、申し込みが可能ですので、是非、ご検討ください。
さて、食品スーパーマーケットのための財務3表連環分析もVol.1が完成し、すでに本ブログを通じて、販売を開始し、無料解説版、「MD力って何だ!」もリリースしました。今後、より完成度を高め、内容の充実に努めたいと思いますが、今回のノウハウ開発を通じて、改めて、食品スーパーマーケットには食品スーパーマーケット特有の財務分析が必要であると実感しました。
そもそも財務3表は何のためにあるのか、ということを突き詰めてゆくと、当たり前のことですが、その内容のひとつひとつの項目を見れば見るほど、投資家のためにあるということが明確になります。では、投資家は何のために財務3表を見ているのでしょうか。これも財務3表をみてゆくと、ただ一点、配当ということにつきあたります。財務3表は極めて大胆にその目的を断ずれば、投資家の配当を目的として作成されたものであるといえるかと思います。
したがって、財務3表は投資家にとって、配当が可能かどうか、どのくらい可能か、しかも、長期に渡って可能かどうかを判断するためのものといえます。P/LもB/Sも、そして、CFもすべて、配当につながっているわけです。配当という観点から、財務3表を見ると、P/Lは今期の配当を、B/Sは長期に渡っての配当を、CFは、今期の配当の配分を示すものといえ、こういう観点で財務3表を見ると、財務3表は極めて合理的であり、無駄がなく、すっきりしているといえます。もちろん、まだまだ、今後、改善、工夫の余地はあると思いますが、財務3表は完成度の高い投資家のための配当を判断するためのもの、最良の判断材料といえるかと思います。
では、この財務3表を食品スーパーマーケットの経営のために活用するにはどうしたら良いでしょうか。当然、このままでは、投資家の配当を判断するためのものとなり、食品スーパーマーケットの経営実態を把握し、経営改革につなげてゆくことにはならないわけです。では、どうすればよいか、そのひとつの答えが、今回、財務3表連環分析で示したように、食品スーパーマーケットのための財務3表を目指して、その視点を明確にして、財務3表を再構築することにあると思います。
では、その視点は何か、当然、配当ではありません。配当は、投資家にとっては、最大の目的ですが、食品スーパーマーケットの経営にとっては、最大の目的にはならないからです。食品スーパーマーケットの経営の最大の目的は、何か、それは、商品と顧客の関係を最良に保ち、顧客を増やすこと、これ以外にありません。そして、これを食品スーパーマーケットの経営という視点で見ると、前者がマーチャンダイジング、後者が出店といいかえることができると思います。この観点から財務3表を見ると、財務3表が食品スーパーマーケットにとってのものとなり、はじめて、食品スーパーマーケットの経営にとって意味を成してくるといえます。
たとえば、P/Lはマーチャンダイジング力を判断するためのもの、B/Sは出店余力を判断するためのもの、そして、CFは経営判断の成否を読み解くためのものというように再解釈するのです。財務3表は現状は投資家の配当の判断のためのものですが、ここに食品スーパーマーケットの経営の視点を入れ、財務3表を組み換え、連環させることによって、食品スーパーマーケットのための財務3表、まさに、財務3表連環表ができあがるのではないかと思います。
ここで、財務3表の組み換えについて、ひとつ例を示すと、現状のP/L上では、マーチャンダイジングの実態を読み取ることはできません。マーチャンダイジングは経費と原価の関係を示す指標といえ、P/Lの売上高、原価、売上総利益、その他営業収入、経費、営業利益の項目を組み換えて原価と経費を直接つなげる必要があるからです。投資家の配当という目的では、このような組み換えはかえって無駄となりますが、食品スーパーマーケットの経営、マーチャンダイジングの実態を見るには必須となるわけです。
このような組み換え、視点の転換はB/S、CFにもあり、その意味で、財務3表は、食品スーパーマーケットの経営実態を把握し、改革につなげてゆくには、食品スーパーマーケットの経営の視点を導入し、新たに項目を組み換えたり、場合によっては、新たな分析指標を作ることなどが必要となります。そして、さらに、この財務3表を一体としてとらえ、しかも連環させる原動力がCFにあるといえ、このCFに経営哲学、経営者心理が反映されているといえ、この視点からも財務3表は見直す必要があるといえます。
今回のセミナーはメーカー向けのものですが、財務3表連環分析のVol.1が完成してはじめてのセミナーでもあり、ここで、財務3表連環分析の最新のノウハウをもとにメーカーのための商談への活用方法を提示したいと思います。また、今後、本ブログでも、この分析手法を駆使し、今後の中間決算、来期決算、そして、過去の決算についても取り上げてゆきたいと思います。
食品スーパーマーケットのための独自決算分析、財務3表連環法、詳細はこちら!
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