食品スーパーマーケット業界、最大の業界団体誕生!
8/3、食品スーパーマーケットの業界団体、(社)日本セルフサービス協会と(社)全国スーパーマーケット協会が合併登記を行い、正式に、統合した。存続団体は、(社)日本セルフサービス協会となり、8/27の臨時総会で新体制が発足し、2010年度から、統合後の本格的な活動がスタートするという。特に、2010年度からは、統合後の会員481社、約8,000店舗の食品スーパーマーケットの売上高の速報が毎月公表されるとのことで、食品スーパーマーケット業界全体の精度の高い売上高の速報がはじめて公開されることになる。
これまで、食品スーパーマーケットの売上高は日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会等が公表しているが、特に日本チェーンストア協会は全体が70社の数字であり、さらに、その中には、イトーヨーカ堂、ジャスコ、西友等の大手GMSも含まれているため、食品スーパーマーケット業界全体としての精度の高い売上高を把握することは、中々難しいものがあった。また、日本スーパーマーケット協会も全体が107社であり、食品スーパーマーケット業界全体を網羅しているとはいえなかった。
本ブログでも毎月、上場食品スーパーマーケット約20社強の売上げ速報を独自に集計し、公表しているが、この結果と、特に日本チェーンストア協会が公表する売上高とを比較してみると、食品に関しては大分ズレがあった。恐らく、大手GMSと食品スーパーマーケットを一緒にして集計し、しかも、全体の企業数が70社と少ないために、GMSの売上高が1社でかなりの売上構成比を占める傾向があるため、GMSのトレンドに左右されやすい数字となったものと思われる。したがって、食品スーパーマーケットのトレンドがつかみにくい結果となり、食品スーパーマーケットの現状とズレが生じていたと思われる。特に、ここ数年、食品スーパーマーケットは堅調な売上推移であったが、GMSはダウントレンドであったこともあり、食品スーパーマーケットの正確な現状をつかみにくかったといえよう。
この状況が、2010年度からは、(社)日本セルフサービス協会が会員481社と、大半の企業が食品スーパーマーケットとなるため、食品スーパーマーケット業界全体の傾向が反映された精度の高い売上速報となることが予想され、これひとつをとっても、今回の統合は食品スーパーマーケット業界にとって、重要な意義があるといえよう。8/27の臨時総会の日は、衆議員選挙の直前でもあり、まさに、政治、経済の転換点とも重なり、食品スーパーマーケット業界にとっても大きな転換点となろう。
ただ、残念なことに、食品スーパーマーケット業界には、もうひとつ、日本スーパーマーケット協会という107社の加盟する業界団体があり、2つの団体が併存することになることである。その背景には、主管官庁の違いがあり、(社)日本セルフサービス協会が経済産業省、日本スーパーマーケット協会が農林水産省である。今回統合した、(社)全国スーパーマーケット協会は経済産業省の主管であったため、比較的スムーズに統合が成立したが、日本スーパーマーケット協会は主管官庁が違うため、官庁同士の合意が必要であり、統合には中々難しい問題があるといえよう。食品スーパーマーケット業界としては、かなりの会員が重なることもあり、できれば、一本化し、業界の発展に尽くして欲しいところである。
さて、新生、(社)日本セルフサービス協会の今後の活動であるが、8/27の新役員決定後に方針が決まるものと思われるが、合併を決めた時の発表資料を見ると、「協会活動の本旨である会員要望事項の立法への組み入れや、官庁・メディア、消費者への情報発信が単独では実現されにくいこと、・・」とある。今回、ほぼ、日本の食品スーパーマーケット業界を網羅する企業が集結することで、立法への働きかけ、情報発信面が一層強化されることになると思われ、食品スーパーマーケット業界としての地位が格段と向上し、同時に、責任も重くなるといえよう。少し、視野を広げてみれば、小売業界の中に、はじめて、食品スーパーマーケットという業界が確立され、独自の活動が始まるということであり、食品スーパーマーケット業界としては、まさに、新時代の到来といえよう。
ちなみに、現在の(社)日本セルフサービス協会の主な活動であるが、展示会、セミナー・検定、ビジネスマッチング、出版、機関誌が主な活動である。特に、メインの展示会では、毎年春に、スーパーマーケットトレードショーを開催しており、昨年は1,000社を超える業者の出店があり、関係者78,000名が来店し、来年、2010年度も2/8から2/10に開催予定である。
このように、8/3に正式に合併登記がなされたことにより、ほぼ日本の食品スーパーマーケットを網羅する、食品スーパーマーケットの業界団体、(社)日本セルフサービス協会がリニューアルスタートとなった。ついに、といって良いと思うが、日本にも食品スーパーマーケットという業界が小売業界の中に確立されることになり、今後、独自の本格的な食品スーパーマーケットに特化した活動がはじまるといえよう。来年、2010年がまさに、食品スーパーマーケットにとっては歴史的な転換点となる年となろう。新生、(社)日本セルフサービス協会の今後の活動に大いに期待したいところである。
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