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August 05, 2009

コンビニ、組合結成、日経ビジネスオンライン特集記事!

   8/4の日経ビジネスオンラインでコンビニの記事が掲載された。日経ビジネスオンラインは、時々、流通関連の記事が特集されるが、取材がしっかりなされ、内容の深いものが多く、参考になる。今回のテーマも、「セブン-イレブン本部との戦いに民主党・小沢氏も参戦、フランチャイズ法制定目指し、コンビニオーナー支援」というものである。段落ごとの小見出しを見ると、「当たり前の自由な選択を我々にください」、「8月4日は岡山に行く。必ず空けておいてくれ」、「姫井さんから、政党支援を頼まれたことは1度もない」、「コンビニはますます地域密着型になる。そこが、狙いでは」という、4段構成であり、全3ページにわたる内容である。

   コンビニ問題は民主党の姫井議員が取り組んでいたことはホームページ等で知っていたが、その経緯と目的がよくわからなかった。今回、この記事を読んで、姫井議員がコンビニ問題に取り組んだ経緯も示され、なぜ、岡山県で決起大会が開かれるのかなどの理由もわかり、さらに、小沢氏が、なぜ、この決起大会に来賓としてあいさつするのかも推測でき、非常に興味深い内容であった。

   今回のコンビニ問題は、早くから問題になっていたことであるが、注目を浴びたのは、本ブログでも何回か取り上げているが、6/22の公正取引委員会が出したセブンイレブン・ジャパンへの排除措置命令が発端といえる。その後、すぐに、セブンイレブン・ジャパンは廃棄の15%分を本部が負担することを決め、その後の対応を検討していたが、ここへ来て、公正取引委員会の排除措置命令を受け入れることを決断したようである。ただ、この記事にもあるように、セブンイレブン・ジャパンのこれまでの廃棄、値引きの条件には、組合を結成しようとしているオーナー側は納得していないようで、組合結成後は、本部との本格的な交渉がはじまる見通しである。

   それにしても、本来、コンビニ問題は、今回、注目されている廃棄、値引きの問題だけでなく、もとをたどれば、セブンイレブン・ジャパンの1号店が酒屋からの転身であったように、実は、日本の商業問題そのものが原点であったように思う。小沢氏が今回コンビニ問題に注目しているのも、記事にもあるように、最終的には、コンビニの約4万店のフランチャイズチェーン店のオーナーに加え、他のフランチャイズチェーン20数万店のオーナーを含め、そのオーナーを保護するための法律案を視野に入れていることにあるようである。見方を変えれば、これは、商業問題への政治的な対策のひとつともいえ、従来、行われてきた商店街などへの補助金等とは一線を画す、新たな商業問題への対応ともいえよう。

   コンビニが日本で完全に定着し、いまや商業の最先端ビジネスのひとつとなったが、もとは、商店街の酒屋、お菓子屋、雑貨屋、八百屋、果物屋、たばこ屋、そして、よろづやなどのお店が、清水の舞台から飛び降りる覚悟でセブンイレブンなどのフランチャイズチェーンに参加したのが始まりといえる。したがって、コンビニは商業がかかえる様々な経営困難な問題を最先端のビジネスモデルを通じて解決していった歴史ともいえ、本来、もっと商業者のためを思い、商業者にやさしい仕組みをつくるべきだったのかもしれない。今回、ここまで、問題がこじれ、公正取引委員会まで介入し、さらに、政治が介入せざるをえなくなったのも商人の本来もっていた商売の原点ともいえる価格決定権をオーナーから実質奪う仕組になってしまったことに問題の本質があるように思える。

   商売とは突き詰めれば、仕入と販売、そして、その差額で儲けるビジネスであるといえる。コンビニの仕組みはある意味、仕入価格、販売価格、どちらも、商人から価格の決定権を代行(実質奪い)し、商人としての存在意義、そのものを薄めてしまったことに問題の本質があるように思える。今回のコンビニ問題は、この本来商人がもっていた価格決定権をどこまでオーナー側が実質上もつことができ、しかも、廃棄、値下げによるロス分をどう本部とオーナー側で負担するかの配分比率をどのくらいにするかにあるといえる。ただ、恐らく、これにとどまらず、さらに、商人としての本来の商売の原点に、このコンビニのビジネスモデルをいかに近づけていけるかの議論が本部、組合双方の側でなされていくのではないかと思う。

   通常のビジネスは経営者と従業員で完結するものであるが、フラインチャイズビジネスは本部と加盟店で成立するものであり、しかも、加盟店は独立のオーナー、特に、もと何らかの小売の商売を行っていた商人であることが多く、商人としての原点を強く保ったまま、フランチャイズビジネスに参加している場合が多い。また、フラインチャイズビジネスもそれが基盤であるともいえる。その意味で、今回のコンビニ問題は、改めて、フラインチャイズビジネスそのもののビジネスモデルを、商人というキーワードをもとに、再構築せざるをえない段階に入ったともいえよう。8/4のコンビニ加盟店ユニオンの決起大会が、今後、どのように推移してゆくのか注目である。

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