日本の上場食品スーパーマーケットを概観してみる!
日本の上場食品スーパーマーケットは現在52社であるが、これに、決算を公開している非上場のオーケーとトライアルカンパニーを入れると、経営内容が把握できる食品スーパーマーケットは54社といえる。この54社の2009年度の決算について、9月度決算企業3社、ダイイチ、マルキョウ、PLANTについては中間決算として、すべて集計してみた。集計の仕方は、8/10のブログ、「食品スーパーマーケットのための財務3表連環表、完成!」で取り上げたように、全54社を財務3表連環分析をもとに集計した。そこで、今後は、この集計表をもとに、様々な角度から、日本の食品スーパーマーケットの概観を順次取り上げてみたい。今回は、各社の出店戦略について、その概観を見てみたい。
まず、食品スーパーマーケットの54社の総店舗数であるが、4,863店舗である。この中には、99プラスの747店舗も含まれるので、これを差し引いて、平均店舗数を出してみると、4,116店舗÷53社となり、78店舗となる。上場食品スーパーマーケットは平均78店舗と70店舗を超えており、100店舗も視野に入ってきたといえよう。ひところ前までは、20店舗から30店舗ぐらいが食品スーパーマーケットのイメージであったように思うが、50店舗を超えると、ビックな食品スーパーマーケットのように思えていた。いまや、50店舗は上場企業では平均以下となり、食品スーパーマーケット業界もビジネスモデルがひとまわり大きくなったといえよう。
ちなみに、54社中、九九プラスを除き、100店舗以上の食品スーパーマーケットは、マルエツ245 店舗、ライフコーポレーション203店舗、アークス172店舗、バロー167店舗、ヨークベニマル157店舗、マックスバリュ西日本147店舗、オークワ143店舗、カスミ135店舗、いなげや128店舗、平和堂127店舗、エコス103店舗、ヤオコー100店舗 の12社のみである。これについで、イオン九州99店舗、トライアルカンパニー97店舗、フジ93店舗、マルキョウ93店舗、マックスバリュ東北90店舗と、90店舗以上の食品スーパーマーケットが5社あり、100店舗まじかである。
逆に、上場食品スーパーマーケットの中で、店舗数が少ないのは、マツヤ29店舗、オオゼキ29店舗、天満屋ストア26店舗、アークランドサカモト23店舗、ダイイチ22店舗、PLANT20店舗、スーパーバリュー11店舗であり、以上、7社が30店舗未満の食品スーパーマーケットである。残り、27社が30店舗以上、90店舗未満の食品スーパーマーケットであり、こう見ても、食品スーパーマーケットの規模が、上場食品スーパーマーケットでみる限り、大きくなったといえよう。
参考に、九九プラスを除く53社の食品スーパーマーケットの平均値と標準偏差をとってみると、平均値が先にも算出したように78店舗、標準偏差が50店舗であるので、これをイメージとして表すと、78店舗を頂点とする山のふもとが+50店舗、128店舗から、-50店舗、28店舗までにほぼ70%、40店舗弱が入っているということになる。先に、100店舗以上と、30店舗以下の食品スーパーマーケットについてみたが、100店舗は少し基準が低いが、ほぼ、標準偏差プラス、マイナス50店舗からはみ出る食品スーパーマーケットであり、まさに、両極端を見たことになる。
では、この総店舗、今度は、九九プラスの747店舗を含め、全4,863店舗が、日本各地にどのように出店しているかを、大きなエリアごとにざっと見てみると、北海道308店舗、東北394店舗、関東1,660店舗、中部・東海・北陸751店舗、近畿746店舗、中国・四国482店舗、九州・沖縄518店舗である。関東地区が最も多く、ついで、近畿、中部・東海・北陸と続く。関東の比率であるが、34.1%、約1/3であるので、いかに、関東に上場食品スーパーマーケットが集結しているかがわかる。
また、広域にまたがって出店している食品スーパーマーケットを都道府県単位で見てみると、トライアルカンパニー22、九九プラス13、イズミヤ12、イズミ11、大黒天物産10が10都道府県以上の広域に出店している食品スーパーマーケットである。九九プラスが店舗数747店舗と多い割には、意外に出店地区が絞られているといえる。また、大黒天物産が総店舗数が50店舗であるが、10の都道府県に出店しており、地元岡山から、周辺の都道府県へ積極的に出店していることが意外である。全54社の平均値を算出すると、5都道府県であり、店舗数の数もさることながら、出店地区も5都道府県と広域になりつつあるといえよう。
このように、2009年度の食品スーパーマーケットの決算時点での全54社の出店戦略の概観を見てみたが、すでに、上場食品スーパーマーケットの平均店舗数は80店弱となり、出店地域も、平均5都道府県へと広域になりつつあり、10都道府県を超えるまさに広域へと展開している食品スーパーマーケットも5社となった。今後、食品スーパーマーケットも、店舗数100店舗は視野に入ってきたといえ、出店地区も、10都道府県への拡大も時間の問題となってきたといえよう。ここまで来ると、いつ、どのようなM&Aが起こっても不思議ではなく、食品スーパーマーケット業界も新たなステージに入り始めたといえよう。
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