コンビニ売上速報、2009年8月、既存店大きくダウン!
9/25、16:00、(社)日本フランチャイズチェーン協会から、2009年8月度の売上速報が公開された。この売上速報は、正会員であるエーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社の集計結果であり、総店舗数は42,557店舗と、ほぼ、日本全土のコンビニを網羅しており、極めて精度の高いコンビニの数字である。結果であるが、全体が-2.9%(97.1%)、既存店-5.5%(94.5%)となり、既存店は特に3ケ月連続で大きくダウンする厳しい結果となった。
たばこのtaspo効果による客数増が見込めなくなったことに加え、昨年に比べ、平均気温が低く、日照時間が少なかったことが客単価に響き、ダブルでの売上げダウンとなったことが大きかったという。実際、全体と既存店のここ数ケ月の数字を見ると、1月度9.6 %(既存店7.0%)、2月度4.8%(2.0%)、3月度6.5%(4.2%)、4月度6.5%(4.3%)、5月度3.2%(1.0%)、6月度0.9%(-2.3%)、7月度-5.0%(-7.5%)、そして、8月度-2.9%(-5.5%)という結果であった。この推移をみると、この8月度は、昨年猛暑の7月度よりは、マイナス幅が少ないとはいえ、依然として、高水準でのマイナスであり、特に、既存店の売上ダウンが大きいといえよう。
では、既存店の売上げがダウンした要因を客数と客単価で見てみると、この7月度が客数-4.5%(客単価-3.1%)、8月度が客数-1.7%(客単価-3.8%)である。これに対して、昨年のtaspoがコンビニ業界へ与えた時の、昨年の7月、8月度の数字を見ると、7月度の既存店の客数が11.8%(客単価-0.1%)、8月度が客数3.7%(客単価1.5%)であるので、明らかに客数増が大きかったといえる。ところが、この7月度、8月度は、客数もさることながら、客単価の方がむしろ影響が大きく、taspoによる客数ダウンに加え、天候不順による客単価ダウンも大きかたっと推測され、まさに、ダブルでの売上げダウンとなったといえよう。
さらに、商品別で見ると、コンビニの商品構成比は大きく4つに分かれ、この8月度は、日配食品34.8%、加工食品30.0%、非食品31.4%、サービス3.8%である。それぞれ、1月度からの売上げの推移をみると、1月度(日配1.2 、加工2.9%、非食品28.0%、サービス7.1%)、2月度(-3.4%、-1.7%、22.7%、1.3%)、3月度(-1.8%、0.5%、23.2%、12.2%)、4月度(-0.9%、0.3%、23.0%、5.2%)、5月度(-0.8%、0.3%、10.2%、6.6%)、6月度(-1.8%、0.6%、3.1%、7.0%)、7月度(-5.4%、-11.8%、1.8%、0.4%)、そして、8月度(-4.6%、-3.4%、-1.0%、5.4%)という結果である。
この結果を見ると、たばこの含まれる非食品は5月度からダウン傾向が強く、6月からは昨年並みとなり、伸び率が止まっているが、日配食品、加工食品は7月度、8月度が大きくダウンしており、この2ケ月のダウンが特に大きく、明らかに、taspoでは説明できない要因、天候不順等が影響を与えたと推測されよう。9月以降は昨年の猛暑のような影響は少なくなると思われ、この7月、8月度よりはダウン幅が小さくなることも予想されるが、tasop効果による客数ダウンは如何ともしがたく、今後もコンビニの売上げはマイナスで進むものといえよう。
では、taspo効果以前の一昨年の水準まで下がる可能があるのかどうかであるが、一昨年2007年6月度、7月度、8月度の売上げと比べて見ると、一昨年(2007年度)6月度の既存店の売上は5,621.28億円、2009年度が6,059.15億円であるので、伸び率107.7%である。7月度を同様に計算すると、108.5%、そして、8月度が104.4%であるので、taspo効果を帳消しにするまでの落ち込みはないと思われ、昨対ではマイナスは続きそうであるが、一昨年対比では、堅調な伸びが維持されそうであるといえよう。9月度以降も売上げの推移をみる必要があるが、こう見ると、taspo効果は、コンビニ全体へ105%ぐらいの売上のインパクト、しかも、その中身は客単価ではなく、客数増に結びついたと総括できよう。
ここ数ケ月、コンビニ各社は総力をあげて、このtaspo効果が一段落し、売上げが低迷することを想定し、客数、客単価のアップ対策を図ってきたといえるが、どうも、この数ケ月の数字を見る限り、その効果は十分に表れているとはいえず、今後とも厳しいことが予想される。特に、既存店の売上が低迷すると、相対的に固定費が上昇し、経費増となり、利益に直接影響がでる可能性が高い。
9/26の日経でも、セブンイレブンが弁当の消費期限を従来の27時間から28時間を3日から4日へと、弁当のチルド化(冷蔵)することによって伸ばす方針であるという。これによって、廃棄削減が進み、結果、売上だけでなく、利益の改善が大きく進むと思われる。恐らく、今後は、コンビニ業界あげて、売上げが伸び悩む中、利益改善が競争の中心テーマとなることになるのではないかと思う。来月以降、コンビニが、売上を上げるための客数、客単価対策に加え、どのように利益改善を打ち出してくるかに注目といえよう。
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