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September 04, 2009

家計調査データ、2009年7月度、-4.5%!

   8/28、2009年7月度の家計調査データが総務省統計局から公表された。結果は、全体の消費が1世帯1日あたり9,196.06円(95.5%)、食品(外食を除く)が1,989.71円(98.9%)となり、食品は比較的堅調であったが、全体の消費はやや厳しい結果となった。特に、住居580.58円(92.5%)、交通・通信1,277.32円(93.6%)、教育297.81円(94.2%)等が95%を下回っており、これらが全体の消費を押し下げた要因である。ただ、食品の中でも、飲料147.35円(94.3%)、酒類126.90円(89.9%)と、昨年の猛暑の影響もあり、この2部門が95%を切っており、厳しい結果であった。

   昨年の猛暑の影響については、総務省でも別途、「天候の影響により支出が大きく減少したとみられる主な品目」というレポートを実質値で公表している。それを見ると、食品関係では、乾うどん・そば-12.5(寄与度-0.03)、 ゼリー -14.4(-0.02)、アイスクリーム・シャーベット -9.8(-0.04)、飲料 -3.1(-0.05)、ビール -15.9(-0.11)、食事代 -6.4(-0.24)、飲酒代 -11.6(-0.05)という結果であった。特に、寄与度をみると、食事代、ビールが特に大きかったといえる。

   そこで、家計調査データの食品の項目で95%を切った飲料、酒類について、その詳細を見てみたい。まず、飲料であるが、紅茶1.39円(74.1%)、果実・野菜ジュース29.35円(84.5%)、他の茶葉4.19円(87.2%)が、落ち込みが大きかった項目である。特に、果実・野菜ジュースは29.35円と飲料の中でも最も消費額の大きな項目であり、飲料全体に与える影響が大きかったといえよう。

   この果物・野菜ジュースについては、ここ数ケ月の数字を見ると、6月度26.20円(99.6%)、5月度25.19円(98.1%)、4月度22.57円(94.8%)、3月度20.06円(94.7%)、2月度19.36円(103.0%)、1月度17.19円(91.4%)という状況であり、もともと厳しい状況が続いてはいたが、この7月度の84.5%は、ここ数ケ月では最大の落ち込み幅であり、厳しい結果であった。ちなみに、昨年7月度は34.74円(114.6%)であるので、一昨年にもどったともいえ、猛暑の異常値を抜けば、実質、3年間横ばいが続いているともいえる。

   一方、酒についてであるが、やはり、ビールの落ち込みが56.58円(82.7%)と大きく、酒では最大の消費額であるだけに、酒全体への影響も大きかったといえよう。これについても昨年の7月度を見ると、68.42円(107.0%)であり、果実・野菜ジュースと違い、もとにもどった分けではなく、それ以上に今年の落ち込みは大きく、ビールはかなり苦戦したといえよう。特に、発泡酒18.29円(95.1%)、他の酒13.71円(103.4%)という状況を見ると、猛暑の影響以上に発泡酒、第3のビール等へ需要が移っているようである。

   また、酒は食品スーパーマーケットの中では、客数PI値、すなわち、購入客数の割合が最も少ない、限られた方のみ購入する典型的な商品群である。この7月度の家計調査データを見ても、酒全体は、客数PI値は97.8%、購入世帯のみの消費額は91.9%であり、ビールは94.0%、88.0%という数字を見ても、購入世帯数が減った以上に、購入世帯の消費金額が減っており、需要がまさに減少したといえる。ちなみに、酒の購入世帯、客数PI値は67.4%であり、約30%強が1ケ月に1回も酒を買わない世帯がいるということであり、このような商品は家計調査データの食品の中では、酒だけであり、酒は独特な商品群であることがわかる。

   では、このようにやや厳しい消費環境となったこの7月度、消費を伸ばした項目を見てみたい。大分類では、穀類が226.39円(104.1%)と、堅調な数字となり、これ以外では、乳卵類108.90円(102.3%)、調理食品278.97円(101.6%)、菓子類206.77円(100.4%)という状況であった。さらに、その項目を見てみると、穀類では、カップめんが7.58円(116.9%)と絶好調であり、小麦粉1.81円(107.7%)、米も75.00円(107.1%)と堅調な数字であった。乳卵類ではバター1.97円(113.0%)、チーズ9.68円(112.8%)が2桁の伸びであった。調理食品ではしゅうまい2.65円(118.8%)、冷凍調理食品14.68円(114.0%)が絶好調である。ちなみに、ぎょうざ5.61円(104.8%)、うなぎのかば焼き29.06円(106.6%)等も堅調であり、昨年の中国関連の食品問題は、この数字を見る限り、払拭されたといえそうである。

   そして、菓子類であるが、チョコレート菓子2.48円(128.3%)、まんじゅう3.94円(125.8%)、キャンデー5.55円(112.4%)が2桁の伸びであり、全体的に菓子は消費は堅調である。ただ、先にも取り上げたが、天候不順の影響を受けたアイスクリーム・シャーベットは34.58円(90.7%)と厳しい数字であり、食品スーパーマーケットの売場では冷凍食品とアイスクリームは同じ冷凍什器の中で併売されることが多いが、明暗を分けた結果となった。

   このように、この7月度の家計調査データは昨年の猛暑の影響が大きく、飲料、酒類に影響が出たが、これをカバーする形で、好調な部門として、穀類、乳卵類、調理食品、菓子類が上昇し、バランスをとった格好である。特に、好調な部門を見ると、大部分が値上げ関連商品ともいえ、値上げによる消費の底上げが、消費を支えているともいえる。ただ、この値上げは、消費者物価指数等を見ると、明らかに、デフレ傾向が鮮明であり、今後、徐々に解消されてくるものと予想され、今後、消費環境はかなり厳しい状況が予想されよう。来月、そして、秋以降の消費動向が気になるところである。

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