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September 14, 2009

マックスバリュ中部、2010年1月期中間、増収減益!

   マックスバリュ中部が9/9、2010年1月期の中間決算を公表した。その結果であるが、営業収益572.93億円(101.4%)、営業利益3.08億円(41.8%:営業収益比0.54%)、経常利益3.12億円(38.7%:営業収益比0.54%)、当期純利益0.16億円(10.0%:営業収益比0.02%)と、増収とはなったが、大幅な減益、特に当期純利益は昨対1/10となる厳しい決算となった。また、通期予想も営業収益1,185.00億円(102.9%)、営業利益20.10億円(97.5%:営業収益比1.69%)、経常利益20.00億円(92.4%:営業収益比1.68%)、当期純利益5.00億円(80.6%:営業収益比0.42%)と、当初予想には変更がないものの、同様に増収減益予想であり、今期、マックスバリュ中部は厳しい決算が予想である。

   まず、営業収益であるが、全体は101.4%と微増とはなったが、既存店は96.3%と伸び悩んでおり、その中身は、客数99.4%、客単価96.9%と、客数よりも、客単価の落ち込みが大きかった。さらに、客単価の落ちた要因を見ると、PI値が100.9%と微増となったが、平均単価が96.1%と下がった。その要因について、マックスバリュ中部は、トップバリュの拡充により、PBの売上構成比は11.9%と、好調に推移したが、今期はさらに低価格のベストプライスbyトップバリュを投入したため、価格が下がり、それに見合う数量の確保ができなかったことが大きかったとコメントしている。これに加え、恐らく、NBの価格競争も激しく、その面での平均単価への影響もあったものと思われる。

   こう見ると、明らかに、デフレ傾向が鮮明といえ、平均単価が5%前後落ち込みつつあるといえ、PI値、すなわち、数量を5%以上は引き上げるマーチャンダイジング政策が同時に実施されないと、客単価(金額PI値)が下がり、結果、売上げを確保するのは難しい段階に入ったといえる。今後、いかに、数量(PI値)を引き上げるかが、食品スーパーマーケット業界にとっては、重要な経営課題となったといえよう。

   結果、売上げだけでなく、利益にもその影響が表れており、今回の営業利益が半減、当期純利益は1/10になるという厳しい結果となった。そこで、原価、経費の状況を見てみると、原価は75.59%(昨年75.08%)と、0.51ポイント上昇しており、結果、売上総利益は24.41%(昨年24.92%)と下がった。一方、経費は26.06%(昨年26.08%)、ほぼ昨年並みとなり、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.65%(昨年-1.16%)とマイナス幅が広がった。これにその他営業収入が2.54%(昨年2.51%)のり、営業利益が0.89%(昨年1.35%)となり、減益となった。こう見ると、この中間決算においては、原価の上昇が減益の要因であったといえ、本来、トップバリュの売上構成比が11.9%と上昇しているにも関わらず、原価改善がみられないという厳しい結果であり、少なくとも、現時点では、PBによる原価改善効果が表れていないといえよう。

   したがって、今後、PBの構成比を20%、さらに、30%へ引きあげてゆくか、それとも、残り90%弱のNBの原価改善に入るか、再度、マーチャンダイジング戦略を明確にする必要があろう。イオングループとしては、当然、PB強化の方向であると思われるが、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの根幹は生鮮食品、日配、そして、NBであり、この面での競争力をいかに強化するかが、マックスバリュ中部としては、PB戦略以上に、優先度の高い課題であるといえよう。

   結果、食品スーパーマーケットの経営にとって、最も重要なキャッシュフローが回らない状況となり、財務的にも厳しい状況である。そのキャッシュフロー、営業キャッシュフローを見ると、昨年の25.43億円が、今期は8.60億円、1/3と激減しており、キャッシュ不足が起こっている。投資キャッシュフローが-25.65億円と昨年の-16.06億円よりも増加しており、結果、差し引き、フリーキャッシュフローは9.37億円のプラスから-17.05億円と、大きくマイナスとなっており、逆流のキャッシュフローとなり、資金が足りない状況となった。したがって、財務キャッシュフローは4.0億円のプラスとなり、その大半を借入で調達したが、それでも足りず、現金を13.03億円、取り崩す結果となった。現在、キャッシュフロー上の現金は0.91億円と、残りわずかとなり、ぎりぎりの経営状況といえよう。

   また、自己資本比率も32.3%と、約70%を負債に依存する財務構造であり、負債の主要項目である有利子負債も83.62憶円(前期決算時:67.54億円)と増加しており、総資産の20.22%にまで上昇し、積極的な経営戦略が打ち出しにくい財務構造といえよう。

   このように、2010年1月期のマックスバリュ中部の中間決算は、増収とはなったが、大幅な減益となり、厳しい結果となった。特に、当期純利益が大きく減益となったことから、キャッッシュフローが逆流となり、投資分を借り入れただけでなく、現金をも取り崩し、賄わざるを得なくなり、財務状況が一層厳しい状況となった。また、通期も消費環境は依然として厳しい状況が予想され、その決算予想も増収減益予想であり、今期、マックスバリュ中部は厳しい決算が予想されよう。まずは、既存店の活性化、マーチャンダイジング力の改善が急務といえ、今後、マックスバリュ中部が、PBの強化に加え、どのような既存店の思い切った活性化策を打ち出すかに注目したい。

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