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September 11, 2009

マックスバリュ北海道、厳しい中間決算、2010年1月期!

   食品スーパーマーケット上場企業、2010年度中間決算、第2号となるマックスバリュ北海道の2010年1月期の中間決算が9/9、公表された。この日は、マックスバリュ中部も公表されており、これで、中間決算公表の食品スーパーマーケットは3件となった。その結果は、営業収益384.43億円(102.8%)、営業利益-5.95億円、経常利益-5.68億円、当期純利益-9.40億円となる、増収減益、利益はすべての段階で赤字となる厳しい結果となった。

   この結果を受けて、9/10のマックスバリュ北海道の株価であるが、1,580円(+20円、+1.28%)と、微増となった。ここ最近の株価も、5日移動平均が0.82%と、安定しており、投資家は冷静に今回の決算発表を受けとめているといえよう。ただ、同じ、北海道の上場食品スーパーマーケット、アークスの株価は9/10現在、1,488円(+65円、+4.56%)、一時は、1,535円まで急騰しており、年初来最高値1,614円に迫る勢いであり、売買高も通常の5倍、10万株を超え、投資家はアークスに熱い視線を注いでいるといえよう。

   マックスバリュ北海道は、この中間決算公表の2日前、9/7に「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しているが、その中で、当初予想を大きく下方修正している。その理由を、「個人消費につきましては、生活必需品に至るまで節約志向が一段と強まり低調のまま推移いたしました。」という認識のもと、「経済環境、天候不順などから全体的に厳しく、業績面への影響が顕著となりました。」とのことで、その対策として、「営業収益の減少、売上荒利益率の低下をカバーするため経費削減に努力し、・・」と、経費削減を実施したが、営業利益が予想以上に減少し、しかも、減損損失も発生したため、大幅な減益となったとのことである。

   実際、この中間決算の原価、経費の状況を見ると、原価は77.31%(昨年76.10%)であり、原価は1.21ポイント上昇しており、結果、売上総利益は22.69%(昨年23.90%)と、減少しており、利益面が厳しい状況であった。原価に関しては、今期、トップバリュに加え、さらに、低価格のベストプライスbyトップバリュを投入し、改善を図っているとのことであるが、それ以上に、NBの原価が、北海道商圏の激しい価格競争により、価格が下がった分をカバーできず、PBの原価改善の効果を打ち消し、さらに、原価上昇、結果、粗利の低下を招いたものと思われる。こう見ると、北海道商圏は10%から20%の構成比と見られるPBでは、原価改善効果を出すのは難しく、残り、80%のNBの原価改善が経営の盛衰を握るまでに、厳しい価格競争に入ったと推測される。

   一方、経費の方であるが、今期は26.16%(昨年25.98%)と、こちらも、0.18ポイント上昇しており、原価上昇に加え、経費も上昇するという、ダブルでの収益圧迫となり、マックスバリュ北海道としては、厳しい局面に入ったといえよう。今期は業績予想の説明のコメントにもあるように、強い経費削減を実施したにも関わらず、売上対比では経費増となっており、同時に、既存店の活性化を行い、相対的に固定費を下げ、経費削減を行う政策が十分でなかったためと思われる。それにしても、経費比率26.16%は、上場食品スーパーマーケットの2009年度決算の中では、20番目となる高さであり、単純平均が25.6%であるので、既存店の活性化が、今後、最大の経営課題となろう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、-3.47%(昨年-2.08%)と大きく、下がっており、本決算時が-1.6%であるので、厳しい数字である。マーチャンダイジング力が-3.0%を超える食品スーパーマーケットは、そのほとんどがGMSタイプの食品スーパーマーケットであり、その他営業収入が極めて大きく、その余力で営業利益をプラスにもってゆくビジネスモデルであるが、マックスバリュ北海道は、その他営業収入が1.90%(昨年1.82%)であるので、マーチャンダイジング力のマイナスをカバーできず、結果、営業利益が大きく減益、赤字となった。

   ちなみに、北海道で激しい競争を繰り広げている最大のライバルの食品スーパーマーケット、アークスの経費比率は、2009年の本決算時では19.4%であり、食品スーパーマーケット上場企業約50社の中でもベスト10に入る経費比率の低さである。したがって、それに応じて、原価も77.2%、結果、粗利は22.8%で走っており、マックスバリュ北海道とは、原価、経費ともに、格差があり、直競合となり、価格競争になった場合は、PBでは勝てても、残り、約80%のNBでは厳しく、特に、グロサリーでは、厳しいものがあるといえよう。したがって、生鮮食品を圧倒的に強化する戦略が、今後の北海道マックスバリュにとっては、マーチャンダイジング上の最大の課題といえよう。

   マーチャンダイジング力は、食品スーパーマーケットにとって、経営の要であり、ここが安定した収益を稼ぎださないと、結果、キャッシュフローが縮小し、投資ができず、成長が止まりかねない。さらには、返済は進まず、配当も滞り、経営そのものが回らなくなる。今後、マックスバリュ北海道としては、原価、経費を抜本的に見直すとともに、既存店の活性化が急務といえよう。すでに、様々な、経営改革案が練られているとのことであるが、今後、どのような思い切った経営改革を打ち出すか、その動向が気になるところである。

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