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September 28, 2009

アオキスーパー、2010年2月期中間、増収減益!

   食品スーパーマーケット業界、2009年2月期の中間決算の公表が始まった。9/25、名古屋のアオキスーパーが中間決算を公表した。アオキスーパーは、食品スーパーマーケット業界では屈指の経費比率を誇り、そのマネジメント力を武器に、強力なディスカウント戦略を展開し、競争力を高め、売上を伸ばしてきた。決算公開企業約50社の2009年度決算の経費比率のランキングでは、オーケーの14.9%、トライアルカンパニーの16.3%についで、16.8%で第3位であり、しかも、売上総利益、いわゆる粗利率では、トライアルカンパニーの15.6%についで、16.6%と、第2位である。

   これだけ、経費比率、粗利率、ともに低い食品スーパーマーケットは稀である。通常は、経費比率を低く抑えるマネジメントを確立した場合は、ある程度利益を確保しても十分に価格競争が可能であるので、粗利率は引き上げるケースが多いが、アオキスーパーは、全く逆の戦略をとり、経費比率と粗利率を一致させ、さらに、引き下げ、結果、2009年2月期決算では、差し引き、マーチャンダイジング力が-0.2%とマイナスとなっており、ここまで、徹底して売価にこだわるのが特徴である。したがって、営業利益は、その他営業収入に負うところが大きく、3.2%が乗り、結果、3.1%の営業利益を計上するという、通常の食品スーパーマーケットではけっして採用しない独特な経営哲学をもっているのが特徴である。

   さて、この2010年2月期の中間決算であるが、営業収益451.63億円(101.5%)、営業利益7.03億円(52.2%:営業収益比1.6%)、経常利益7.27億円(52.0%:営業収益比1.6%)、当期純利益3.79億円(51.1%:営業収益比0.8%)という、増収減益の厳しい結果であった。特に、利益面での落ち込みが大きく、アオキスーパーも、「個人消費の低迷や業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争が激化し、厳しい経営環境が続いており、・・」と値下げ競争が厳しく、さらに、「利益面においては、店舗間競争や客単価減による粗利益率減(前年同期比1.0%減)となり、・・」とコメントしているように、ここへ来て、経営環境が急激に悪化している様子が伺える。

   実際、この中間決算時の原価、経費の状況を見てみると、原価は84.6%(昨年83.6%)と、1.0ポイント上昇しており、結果、売上総利益、粗利は15.4%(昨年16.4%)と、下がっている状況である。昨年の16.4%の数字そのものが、すでにかなり低い数字であるにも関わらず、それ以上に、原価が上昇し、結果、粗利が下がっており、激しい価格競争があったものと思われる。一方、経費の方であるが、17.0%(昨年16.5%)と、経費も0.5ポイント上昇しており、結果、ダブルでの利益の圧迫となり、利益が激減していることがうかがわれる。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、-1.6%(昨年-0.1%)であるので、大きく逆ざやとなっており、厳しい状況である。

   営業利益はこれに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入がのるが、その数字は昨年同様、3.2%(昨年3.2%)となり、合計、営業利益は1.6%(昨年3.1%)と、半減する結果となった。その他営業収入は変わらなかったが、原価、経費双方が上昇しており、結果、マーチャンダイジング力が激減し、利益を圧迫した構図であり、それだけ、前決算時の2009年2月以降、この6ケ月間で経営環境が急激に悪化したことがうかがえる。

   これを受けて、キャッシュフローの状況であるが、当然、当期純利益に大きく依存する営業キャッシュフローは5.27憶円と、売上げ対比1.2%となり、前決算時が3.3%であったので、激減している。これに対し、投資キャッシュフローは、出店関連等への投資を実施し、-6.66億円となり、結果、フリーキャッシュフローは-1.39億円のマイナス、逆流となった。前決算時のフリーキャッシュフローは、大きくプラスであったので、キャッシュフローも、この厳しい決算を受け、一変したことになる。

   そして、財務キャッシュフローであるが、自己株式、配当、そして、返済を行い、結果、-3.42億円となり、トータルキャッシュフロー-4.81億円となり、現預金を取り崩す結果となった。前決算時は10.56億円の内部留保ができたことと比べると、かなり厳しい、キャッシュフローであったといえよう。ただ、アオキスーパーの有利子負債は1.25億円と、総資産のわずか0.75%であるので、財務的には問題のない金額であり、利益は厳しかったが、財務を圧迫するまでにはいたっておらず、自己資本比率も60.5%(昨年59.6%)と、健全である。

   このように、2010年2月期のアオキスーパーの中間決算は増収減益、特に、利益が原価、経費双方上昇したことにより激減し、キャッシュフローも厳しい状況ではあったが、財務的には、自己資本比率も60.5%と高く、キャッシュフローのマイナスを借入ではなく、内部留保で埋めており、健全性が保たれている。ただし、通期予想を見ると、この中間決算と同様、増収減益予想であり、しかも、利益がこの中間決算ほどではないが、約35%減益となる予想であり、後半以降も、前半同様、厳しい経営環境が続くものといえよう。今後、後半、アオキスーパーが、原価、経費改善に向けて、どのような手を打ち出すのか、その動向に注目である。

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