YouTubeの可能性!
本ブログでは、YouTubeについて、何度か取り上げている。特に、オバマ大統領が、民主党の大統領候補選定の選挙の時、クリントン候補と争った際に、選挙戦術でYouTubeを全面活用し、その勝利へ貢献する有力な武器のひとつとなったことを取り上げた。また、その後も共和党のマケイン候補との大統領選挙の時に、同様にYouTubeを活用し、勝利へ貢献することになったことも取り上げた。いずれも、YouTube上では圧倒的なオバマ大統領の勝利であり、実際の投票でも勝利となり、改めて、YouTubeのメディアとしての様々な可能性を示したといえよう。
日本では、残念ながら、公職選挙法により、YouTubeは、選挙活動には活用できない状況にある。選挙前に自民党が民主党を批判するネガティブキャンペーンを張り、少し話題にはなったが、YouTubeの醍醐味は、選挙戦そのものをライブで刻々と伝えるところに、その魅力があり、政治、特に、選挙への活用は、現段階では難しいものがあるといえよう。ただ、民主党が政権を獲得したことにより、公職選挙法が改正され、来年の参議院選挙には、もしかすると、YouTubeが解禁される可能性もあり、期待したいところである。
ところで、最近、YouTubeの活用で、見事に、成功したといってよい、日本での事例がある。ロッテのガム、フィッツのCMである。フィッツは3月に発売以来、本ブログでもガムのマーチャンダイジングについては何度か取り上げているが、様々なPOSデータを見ると、ガム全品の中でベスト10に入る快挙を示しており、日経MJ、新製品週間ランキングでも、初登場以来、菓子の上位をキープし続けていた。新商品としては、異例の大ヒットといえ、すでに、コンビニ、食品スーパーマーケットのガムの定番中の定番のひとつとなったといえよう。
その大ヒットを演出したCM戦術の有力な武器となったのが、TVコマーシャルはもちろんであるが、YouTubeであったといえよう。どのようにYouTubeが活用されたかであるが、YouTubeの最大の魅力は、誰でも、いつでも、どこからでも、映像を投稿できることであり、しかも、その映像をパソコンで、携帯で、どこでも、いつでも見るとことができることである。フィッツのYouTubeの活用はまさに、この2点、動画投稿とその投稿動画を見るという双方を、ダンスコンテストというイベントを通じて実現したことにある。
実際、現在のフィッツのYouTubeを見てみると、YouTubeにはチャネルという動画のホームページを作ることができるが、ここに、「ロッテ Fit's ≪フィッツ≫」というチャネルを作り、ここで、フィッツダンスコンテストを実施したことである。現在、このチャネルには、TVコマーシャルの動画を含め、投稿動画が1,767本投稿されており、すべての、動画を見るとことができる。ちなみに、現在のオバマ大統領のYouTubeのチャネルの動画は1,866本である。
その1,776本の動画の中で、No.1はもちろん、TVコマーシャルの佐々木稀、佐藤健が、噛むとフニャンニャン、・・を踊る場面であるが、再生回数は、4,042,964回である。ちなみに、オバマチャネルのNo.1の動画は7,959,136回であり、その動画は、オバマ大統領が奇しくも、フニャフニャと踊っている動画である。No.3が5,052,863回、No.4が3,137,028であるので、4,042,964回は、すごい再生回数であるといえよう。そして、フッィツのNo.2から、ダンスコンテスト関連の動画となるが、No.2は1,148,028回、No.3は815,938回、No.4は577,714 回、No.5は557,141回であり、10万回以上が約50件ある。
ちなみに、ダンスコンテストの上位の動画の現在の再生回数であるが、No.1となったベリーダンス風の動画は74,092 回、No.2の教室での掃除道具との踊りの動画は、305,037 回であり、こちらの方が、現在では、人気動画である。No.3は中庭でのチアガールの集団ダンス風であり、31,579 回である。現在では、コンテストの順位と再生回数とは一致していないが、いずれも、トップクラスの動画は10,000回単位での再生がなされており、コンテスト終了後も、その勢いが衰えていないといえよう。
こう見ると、少なくとも、YouTubeがフィッツの大ヒットをもたらした効果は大きかったといえ、ロッテ Fit's ≪フィッツ≫チャネルは、YouTubeの様々な可能性を示すひとつの成功事例を作り上げたといえよう。ホームページが普及しはじめた時もそうであったが、通常の営業活動の会社案内やパンフレット等をそのまま、ホームページにアップし、その後の活用がなかなか進まないのが現状であった。そこに、ブログが登場し、いまや、ブログがホームページそのものともなりつつあり、この食品スーパーマーケット最新情報もまさに、ブログ型ホームページといえる。
これに対して、YouTubeのホームページ、チャネルは、動画のホームページともいえ、しかも、誰でも、自分の動画を簡単に投稿できるという、視聴者参加型の動画ホームページであるといえよう。この動画参加型という観点からYouTubeをとらえなおすことにより、YouTubeの新たな可能性があるように思える。今回のフィッツは、YouTube世代と対象商品のコアの消費者がぴったり重なったということも、成功の大きな要因といえると思うが、YouTubeの潜在的な可能性を発掘したことは確かであり、YouTubeには、まだまだ大きな可能性があるといえよう。本ブログでもその活用を探ってみたいと思う。
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