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October 25, 2009

平和堂、2010年2月期中間、減収減益、厳しい決算!

   平和堂が、9/30、2010年2月期、中間決算を公表した。10月に入り、2月期決算の食品スーパーマーケットがあいついで中間決算を公表しており、ほぼ、今週ぐらいで終了し、来週からは、いよいよ3月期決算の公表がはじまる。その結果であるが、営業収益1,910.10億円(93.0%)、営業利益41.50億円(74.8%:営業収益比2.17%) 、経常利益41.92億円(75.6%:営業収益比2.19%)、当期純利益38.72億円(166.5%:営業収益比2.02%)となり、当期純利益は税金の関係で増益となったが、その他の段階では、減収減益となる厳しい中間決算結果となった。

   通常、食品スーパーマーケットは毎年計画的に新規出店、ないしはM&Aへの投資を行い、増収となることが多い。平和堂もこの中間期においても、昨年と比べ店舗数が104店舗から123店舗へと19店舗増えている。特に新たなドミナント地区として、東海地区が18店舗加わり、滋賀県の1店舗増と合わせ、計19店舗となった。その内訳は、売上構成比65.0%のショッピングセンターのアルプラザが3店舗、売上構成比15.1%のGMSが4店舗、そして、売上構成比19.9%の食品スーパーマーケット、フレンドマートが12店舗である。これだけ、店舗数が増加しているにもかかわらず、減収となったのは、既存店、特に、アルプラザが91.9%、GMSが90.6%となり、フレンドマートの104.0%の伸びが相殺されたためである。

   また、これを部門別でみると、売上構成比15.4%の衣料品が83.8%、13.9%の住居関連品が92.6%、60.8%の食品が97.8%、10.9%のその他も約82%に落ち込んでいる。こう見ると、業態では食品スーパーマーケットのフレンドマート、商品でも食品は比較的堅調であったが、ショッピングセンター、GMSの特に、衣料品、住居関連品の落ち込みが大きく、しかも、既存店全体も90.0%という状況であり、これらが原因となり、減収となったといえよう。

   一方、利益の方であるが、原価は70.79%(昨年70.52%)と、若干、原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は29.21%(昨年29.48%)となった。これに対して、経費の方であるが、33.79%(昨年33.31%)と、こちらも上昇しており、結果、原価、経費ダブルで上昇が見られ、利益を圧迫したことがわかる。ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると-4.51%(昨年-3.83%)となり、マイナス幅が、大きく拡大している。一般に、ショッピンセンター、GMSが主体となる食品スーパーマーケットはマーチャンダイジング力が大きくマイナスとなるケースが多いが、平和堂も、同様にマーチャンダイジング力がマイナスとなった。ただ、昨年と比べ、その幅が広がっていることが気になるところである。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が6.91%(昨年6.72%)のり、結果、営業利益は2.40%(昨年2.89%)となり、減益となった。特に、経費の上昇が強く響いているといえるが、これは、既存店の売上高が90.0%となったために、相対的に、固定費が上昇したため、経費増につながったといえよう。今後、経費を下げることは、利益を出すためには重要な政策であるが、それ以上に、既存店をいかに引き上げ、まだまだ、構成比19.9%の比較的好調な食品スーパーマーケットの店舗数と既存店の活性化をどうはかるかが課題といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは138.92億円(昨年117.62憶円)と、昨年よりも約20億円増加している。これは、当期純利益、減価償却費が増加したのではなく、棚卸資産の減少、売上債権の減少等があり、結果、キャッシュが増加したためである。一方、投資キャッシュフローであるが、-93.81億円(昨年-78.37億円)と、増加している。これは、新規出店関連の資産の取得に-97.65億円(昨年-85.24億円)と、積極的な投資を実施したためである。店舗数に換算すると、平和堂の前期本決算時の出店関連資産が1店舗15.70億円であるので、6.2店舗分に当たる。結果、フリーキャッシュフローは45.27億円(昨年32.38億円)と、昨年よりも、キャッシュは増加している。

   ここから、財務キャッシュフローへの配分がなされるが、配当金が8.40億円(昨年8.40億円)と同額である。これ以外では最大の配分、有利子負債へは、返済98.31億円、借入93.00億円、差し引き5.31億円の返済と、返済に配分している。昨年は8.29億円の借入となっているので、今期は有利負債の削減となった。結果、有利子負債は781.69億円(昨年本決算時806.99億円)と、削減が進んでおり、総資産2,708.34億円に占める割合は28.86%となった。この結果、自己資本比率は38.0%(昨年36.5%)と、若干改善したが、まだまだ、負債に大きく依存した財務構造であり、当面、有利子負債の削減優先の財務キャッシュフローへの配分が続くといえよう。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、28.24億円(昨円38.74億円)と、昨年よりは内部留保が減少したが、善循環の順流のキャッシュフローであり、減益という厳しい経営状況の中では、キャッシュはうまく回っており、有利子負債も若干削減され、自己資本比率も向上した。

   これを受けて、後半の決算予想であるが、平和堂は、「第3四半期以降も大幅に回復することは難しいと判断し、平成21年6月18日に公表しました業績予想を修正いたします。」とのことで、通期予想を減収減益予想とした。このように、今期、2010年度は厳しい結果となることが予想される中、今後、平和堂がショッピンセンター、GMSの衣料、住居関連にどのような改革を図るかに注目したい。

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