Chain Store Age、10/1号、ガムのPOS実証分析を投稿!
Chain Store Age(チェーンストアエイジ)最新号、2009年10/1号にMD特別リポート、「ガム売場のPI値検証報告、ベストバランスがついに明らかに!」を投稿した。この企画は、Chain Store Age 、4/1号から始まった一連のガムのマーチャンダイジング戦略の企画であり、その最終版である。特に、今回は、5/15号で導きだしたTOPNAVI-NETの全国約400店舗の食品スーパーマーケット、過去1年間、述べ客数2億6千万人を超える客数を分母にした金額PI値にもとづいたガムのベストバランスの実証実験結果のリポートである。
今回の実証実験は、ガムNo.1メーカーのロッテの協力及び2社の食品スーパーマーケットの協力が得られ、約3週間に渡って、ガムのベストバランスの仮説に基づいた売場を、それぞれ様々なタイプの店舗で検証することができた。1社は群馬県を中心にドミナント展開しているフレッセイであり、もう1社は、東京都都心部にドミナト展開しているトップである。両食品スーパーマーケットは全くタイプが違い、フレッセイは郊外型中心で店舗面積も広く、ガム売場もレジ前と菓子売場双方に展開ができ、十分な品揃えが可能である。一方、トップは都心部の店舗ということで、売場面積が小型タイプの店舗が多く、ガム売場もレジ前か、菓子売場かどちらかに絞らざるをえない状況であり、しかも、ガム売場に十分なスペースがとれない場合もあり、限られたスペースでのガムのマーチャンダイジングの限界への挑戦が課題となった。
もともとの仮説であるが、ガムはバランスが極めて重要なカテゴリーであり、そのバランスとは、重点商品と品揃え、重点商品と新商品、品揃えと新商品、このバランスが極めて重要な課題であり、多くの場合、そのバランスを崩し、重点商品が十分に訴求されなかったり、品揃えが確保されなかったり、あるいは、新商品が過剰となり、重点商品を圧迫したりし、数字が伸び悩むことが多いのが実態である。今回の2社の検証にあたっても、検証に入る前に、約10店舗近くの昨年、今年のガム全品の詳細なPOSデータの事前分析を行い、ガムのマーチャンダイジングのバランスチェックをし、その中で、様々なタイプの店舗を選定して検証に入った。たとえば、金額PI値最高の店舗、最小の店舗、競合店との競争の厳しい店舗、郊外型店舗、都心型店舗などである。
結果、事前POS分析では、ベストバランスに近い場合もあったが、重点商品が十分にフェースがとれず、在庫が少なかったり、品揃えが十分でなかったり、新商品が過剰に売場に導入されていたりというケースも見受けられ、結果、金額PI値が伸び切れていない店舗もあった。
ちなみに、事前の仮説では特に重点商品の中でも金額PI扱店が200円を超える超重点商品が4品あり、ロッテキシリトールライムミントボトル150g、367.5円、ロッテキシリトールフレッシュミントボトル150g、252.4円、キャドバリー・ジャパンアダムスクロレッツXPオリジナルミント粒150g、236.9円、ロッテブラックブラック粒 ワンプッシュB150g、208.3円である。この商品の欠品はガム全体の数字に与える影響も大きいので、最優先で棚割にも反映させた。
特に、フレッセイでは、No.1のライムミントは検証中に金額PI値500円/1,000人を超える店舗も現れ、PI値も0.8個/1,000人を超えはじめた。したがって、3,000人/日の客数で2.4個/日となり、週間在庫は16.8個となった。こうなると当然1フェースでは管理不能となり、欠品を防げない。今回の紙面の検証写真を見てもわかるように、以前はこのNo.1商品が1フェース展開であったが、検証中は3フェース3段積みとなり、ほぼ、週間在庫を確保することが可能となった。ただ、実際の検証データを見ると、それでも、数字が不安定に動く場合もあり、もう1フェース増やすか、もう1段積みあげても良いくらいであるといえる。
ここまで注意を払う商品はこの4品を加え、数品であるが、その結果を見ると、両食品スーパーマーケットとも、堅調な数字の伸びが見られ、紙面では重点商品をグラフで示したように、その伸びがガム全体の伸びに大きく貢献することが検証できた。では、品揃えはどのような役割かであるが、今回の検証結果では、数字は横ばいの場合が多く、それでも、全体の50%近い金額PI値の構成比となり、ガム全体のベースを決めるこことが検証できたといえる。したがって、ガムは品揃えがガム全体の基礎ベースを決め、重点商品が全体を押し上げる効果があるという検証結果であった。また、双方、意識的に新商品を増やした検証も行ったが、金額PI値が高い新商品はわずかであり、かなりの新商品が品揃えの下位に来ることが多く、新商品は慎重に商品選定を行い、ガムの重点商品と品揃えとのバランスを崩さない中での展開がポイントであるという検証結果となった。
今回は限られた誌面での検証結果の公表となったため、詳細なデータを十分に掲載することができなかったが、いずれ、様々な機会を通じて、今回の検証結果をもとにしたガム売場のベストバランスのマーチャンダイジング戦略を公表してゆければと思う。さらに、機会があれば、ガムのID-POS分析にも挑戦したいと思う。今回の仮説とは、また違った角度からガムのマーチャンダイジングの仮説をつくることができるのではないかと思う。
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