コンビニ売上速報、2009年10月度、既存店-5.5%!
11/20、日本フランチャイズチェーン協会から、コンビニの2009年10月度の売上速報が公開された。この売上速報は、全国の主要コンビニがすべて含まれており、全42,553店舗の集計である。対象コンビニは、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの全11社である。その結果であるが、全体の売上げは6,675.82億円(-2.8%)と、7月以降4ケ月連続のダウンであり、厳しい結果である。また、既存店も-5.5%と大きくダウンしており、5ケ月連続の売上げダウンである。
まさにタスポ効果が切れたことが大きく、今後約1年間は昨対で見ると、マイナスが続くものと予想される。そこで、一昨年との比較をしてみると、2009年10月度107.4%(対2007年10月度)、2009年9月度105.7%(対2007年9月度)、2009年8月度104.3%(対2007年8月度)、2009年7月度108.3%(対2007年7月度)という状況であり、一昨年と比べると売上げは上昇しており、ちょうど、taspo効果の上昇分までは下がっていないようであるが、上昇分を維持できず、じわじわ落ちている状況といえよう。
では、売上げダウンの中身、客数と客単価の状況であるが、客数は-0.4%(既存店-2.8%)に対し、客単価は-2.4%(既存店-2.8%)であり、どちらも落ちており、特に、既存店は客数、客単価とにも落ち込みが少し大きいといえよう。しかも、全体、既存店ともに、客単価は11ケ月連続でのダウンであり、客数よりも深刻である。ちなみに、客数と客単価の実際の数字であるが、客数は895人、客単価は565円であり、売上げは掛けて50.5万円/日となる。
さらに、商品別に見るとどういう状況であるかであるが、ファストフードを含む日配は-3.5%(構成比34.1%)、加工食品が-4.6%(構成比29.1%)、taspoが含まれる非食品が-1.3%(構成比32.7%)、そして、構成比はわずか4.1%であるが、サービスが3.4%と唯一プラスとなった部門である。こう見ると、taspo効果の大きい非食品の落ち込みは比較的影響が弱いといえ、この10月度は加工食品、そして、日配の落ち込みが大きかったといえよう。
そこで、この加工食品、日配の状況のこの数ケ月の推移を見てみると、日配は10月-3.5%、9月-4.3%、8月-4.6%、7月-5.4%という状況である。一方、加工食品は10月-4.6%、9月-3.5%、8月-3.4%、7月-11.8%という状況である。特に、加工食品の7月度は昨年が猛暑にtaspo効果が加わり、飲料、アイスクリーム等が大きく売上げを伸ばしたことによる反動によるところが大きいといえよう。こう見ると、この7月度を除けば、加工食品よりも、日配食品の方が落ち込みが大きいといえ、ここへ来て、コンビニの中核商品、ファストフード、惣菜等が厳しい状況にあるといえる。
では、ここのコンビニのこの10月度の状況はどうであったかを、月次売上を公表している企業で見てみたい。セブンイレブンはホームページ上には月次の売上速報を公開していないが、11/21の日経新聞によれば、-4.5%と、コンビニ全体よりも、落ち込み幅が大きかったという。ローソンは-2.8%(既存店-5.5%)と、全体の数字と全く同じ数字である。ちなみに、ローソンの客数は911人、客単価は542円、売上げは50.3万円であるので、客数は若干高いが、客単価は逆に若干低く、売上げはほぼ同じ数字である。こう見ると、ローソンの数字はほぼ全体のコンビニに近いといえる。
ファミリーマートであるが、全体は0.2%とわずかに上昇しているが、既存店は-4.4%と下がっている。客数が-3.3%、客単価が-1.1%という状況であり、客単価よりも、客数の落ち込みが大きいといえよう。サークルKサンクスであるが、全体-3.3%(既存店-4.4%)であり、その中身は、客数が-2.2%、客単価が-2.2%と、どちらもダウンしている。ちなみに、その数字であるが、売上げは48.4万円、客数は853人、客単価571円であるので、全体と比べ、客数は若干低いが、客単価は若干高い数字である。
そして、ミニストップであるが、売上げは-2.8%(既存店-6.4%)であり、全体と比べても、また、主要コンビニの中では既存店の落ち込みが大きかったといえよう。その中身であるが、既存店の客数が-3.3%、客単価が-3.2%であり、どちらも、同じくらい落ち込み幅が大きかった。また、実際の数字は客数が882人、客単価が520円、売上げが45.8万円であるので、客数、客単価ともに全体より低く、やや厳しい状況である。
このように、2009年10月度のコンビニの売上を見ると、4ケ月連続下がっており、特に、既存店は5ケ月連続下がっている状況であり、明らかに、売上げダウンの局面に入ったといえよう。特に、客数もさることながら、客単価のダウンが厳しいものがあり、その中でもコンビニの中核商品、ファストフード、惣菜を含む日配の落ち込みが大きいといえる。これはtaspo効果が切れただけでなく、消費の減退が起こりはじめているといえ、デフレ傾向が鮮明な中、今後、当面、厳しい経営環境がコンビニでは続くものといえよう。
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