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November 05, 2009

家計調査データ、2009年9月度、食品99.9%、堅調!

   総務省統計局から、10/30、2009年9月度の家計調査データが公表された。家計調査データは毎月月末に前月のデータが公表されるため、現在は11月に入っているが、最新のデータは9月度である。その結果であるが、全体が98.5%とやや消費の落ち込みが見られるが、食品(外食を除く)は、99.9%と堅調な結果となった。家計調査データでは、食品関係は外食も含め、食料と一括されているが、本ブログでは独自に集計し、食品として、外食を除く数値を算出している。

   消費全体が98.5%になった要因であるが、最も落ち込みが大きかったのは、90.3%となった光熱・水道である。灯油が60.0%、電気代が88.3%となったことが大きく、昨年の異常なエネルギー価格の高騰に反し、今期は落ち着いた価格になったことが大きい。これは、消費者物価指数(CPI)でも明らかであり、いかに、エネルギー関係が消費に影響を与えているかがわかる。ついで、家具・家事用品の94.0%であり、冷暖房用器具73.0%、室内装備・装飾品72.0%となったことが大きい。これは9月度のデータであるので、天候による冷房設備の消費不振といえよう。そして、もうひとつ、住居が93.0%となったことである。これは、設備材料が62.7%、工事その他のサービスが81.9%と、リフォーム関係の落ち込みが大きい。これら、3つの部門が10%近い、消費の落ち込みとなったことが、この9月度は大きく、消費支出全体に影響を与えたといえる。

   一方、伸びた部門であるが、保健医療の111.3%と外食の101.0%のみである。医療費は、6月の薬事法改正に影響もあると思われるが、新型インフルエンザの影響も大きいといえ、特に、この9月は伸びが著しい状況である。ちなみに、ここ数ケ月の数字を見ると、8月度102.8%、7月度97.5%、6月度112.4%、5月度101.6%、4月度93.1%、3月度104.1%、2月度93.9%、1月度98.9%という状況であり、6月、9月が突出した伸びとなっている。

   そこで、食品であるが、全体は99.9%と、ほぼ昨年並みの数字を達成したが、中身を見ると、伸びている部門と伸び悩んでいる部門がある。まず、伸びている部門であるが、乳卵類111.50円(101.4%)、菓子類204.47円(104.1%)、調理食品264.30円(102.1%)、油脂・調味料105.47円(101.8%)、野菜・海藻284.07円(101.4%)、飲料128.93円(100.5%)の5部門である。その要因であるが、特に、伸び率の大きい菓子類と、調理食品を見てみると、菓子類では、カステラ2.83円(128.8%)、他の洋生菓子16.37円(114.5%)、キャンデー6.20円(112.0%)が、110%以上の伸びであり、菓子類を牽引している。また、調理食品については、うなぎのかば焼き6.07円(121.3%)、そうざい材料セット10.60円(112.4%)、しゅうまい3.03円(112.3%)、やきとり5.10円(110.1%)が110%以上の伸びである。

   一方、数字が伸び悩んだ部門であるが、酒類103.93円(93.0%)、魚介類213.63円(97.7%)、肉類202.03円(95.4%)、果物115.97円(98.6%)と、この4部門の落ち込みが大きい。その要因であるが、酒類では、発泡酒17.13円(87.7%)、ビール34.90円(88.7%)と、この2項目が特に10%以上消費が下がっており、酒全体の消費を押し下げた要因である。酒はかなり、この9月度は消費が厳しく、伸びた項目はウイスキーの3.17円(101.1%)のみであり、その他はすべて昨対を割るという厳しい状況である。また、ビールについては、さらに、その要因を消費世帯の消費額か、消費世帯の割合かで分解してみると、ビール34.90円(88.7%)は、消費世帯のみの消費額107.15円(89.5%)、消費世帯の割合32.6%(99.2%)という状況であり、顧客数はあまり変化がないが、客単価が下がったといえ、価格の下落か、消費料が減っている状況といえ、厳しい状況である。

   酒類以外では、生鮮関連の落ち込みが大きく、その要因を見ると、魚介類では、ぶり6.60円(85.3%)、あじ3.77円(86.3%)、たらこ 6.57円(86.4%)の落ち込みが特に大きい。肉類では、他の生鮮肉5.47円(84.5%)が大きいが、その他も牛肉50.43円(97.5%)、豚肉65.23円(94.3%)、鶏肉32.07円(92.9%)と、軒並み95%前後で伸び悩んでいる状況である。そして、果物であるが、バナナ13.23円(85.0%)、メロン1.70円(81.0%)の落ち込みが大きい。特に、バナナはその要因を見ると、バナナ13.23円(85.0%)、消費世帯のみの消費額18.86円(86.1%)、消費世帯の割合70.2%(98.7%)と、ビールと同じ状況であり、消費世帯のみの消費額が大きく落ち込んでいる。

   そこで、バナナのここ数ケ月の動きを見ると、8月度バナナ13.29円(107.0%)、7月度バナナ15.48円(114.3%)、6月度バナナ18.23円(118.4%)、5月度バナナ18.48円(131.1%)、4月度バナナ18.07円(136.5%)、3月度バナナ16.13円(140.8%)、2月度バナナ15.57円(156.8%)、1月度バナナ13.68円(163.1%)、昨年12月度バナナ14.00円(166.9%)、11月度バナナ15.67円(164.9%)、10月度バナナ18.23円(170.7%)、バナナ15.06円(151.1%)、・・と、2008年3月以来、何と約18ケ月連続で伸び続けたバナナも、とうとう、息切れとなったようである。

   このように、消費全体はやや減少傾向が見られるが、食品は意外に堅調であり、消費者物価指数(CPI)が明らかにデフレ傾向を示す中、価格面では厳しいものがあると思われるが、数量面で検討している結果といえよう。ただ、デフレはより厳しさを増すと思われ、消費環境は今後さらに厳しくなるものと予想される中、来月以降、どのような数字で落ち着くか、注意深く消費動向を見守る必要があろう。
  
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