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November 12, 2009

九九プラス、2010年3月期、中間決算、増収増益、好調!

   九九プラスが11/10、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収入760.73億円(112.1%)、営業利益11.78億円(昨年赤字:営業収益比1.54%)、経常利益 12.28億円(昨年赤字:営業収益比1.61%)、当期純利益14.47億円(昨年赤字:営業収益比1.90%)と、昨年の赤字からV字回復を果たし、一転、増収増益の好決算となった。今期はローソンとの資本・業務提携の成果が問われる決算であるが、早くも、その効果が鮮明に表れたといえよう。特に、今年5/1にローソンの子会社バリューローソンの吸収合併を機に、大半の店舗をローソンストア100へとリニューアルしたことが大きいといえよう。現在、九九プラスは937店舗であるが、内、ローソンストア100は744店となり、約80%が新店を含め、リニューアルしたことになる。さらに、FC化もこの7月から本格化しており、これが軌道に乗れば、これまで抑制されていた新規出店ペースを速めることも可能となろう。

   では、今期、昨年の赤字から一転、黒字に転換した要因を原価、経費面から検証してみたい。まず、原価であるが、75.66%(昨年76.24%)と、0.58ポイント下がっており、原価の改善が着実に進んでいる。結果、売上総利益は24.34%(昨年23.76%)となり、粗利の改善が進んだ。九九プラスは、商品売価が原則100円であるので、1品につき、24.34円が平均粗利であり、75.66円が平均原価となる。一方、経費の方であるが、24.65%(昨年26.36%)となり、1.71ポイントと大幅に改善した。今期の高収益をもたらした要因は、原価よりも、経費の方が大きいといえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、-0.31%(昨年-2.60%)と、マイナス幅が大きく改善した。ただ、まだ、若干のマイナスであり、今後、さらに、マーチャンダイジング力を引き上げ、プラスにもってゆけるかが課題といえよう。

   そして、これに、FCビジネス特有の加盟店からの収入とその他営業収入が加わるが、その数字は1.84%(昨年2.06%)と、昨年よりも下がっているが、マーチャンダイジング力の改善効果が大きく、営業利益は1.53%(昨年-0.54%)と、赤字から黒字へと転換し、V字回復となった。こう見ると、まだ、マーチャンダイジング力がマイナスという課題は残るが、原価よりも経費が大きく改善されたことが、大きいといえよう。また、今後はFC化がさらに加速され、FCからの加盟店収入が増加するものと予想され、その他営業収入が、改善され、営業利益を一層押し上げることが期待されよう。さらに、課題の原価についても、ローソンとの商品の共同開発、PB化も進むと予想され、この面での改善も期待できる。したがって、今後、九九プラスの業績は、さらに、改善されるのではないかと思われる。

   これを受けて、九九プラスの通期予想であるが、営業収益1,379.00億円、営業利益 17.70億円(営業収益比1.28%)、経常利益18.20億円(営業収益比1.31%)、当期純利益16.50億円(営業収益比1.19%)と、やや、中間決算と比べ、営業収益比が下がった予想であることが気になるが、黒字基調は変わらず、好決算が予想される。

   さて、一方、財務面であるが、自己資本比率は43.8%(昨年41.6%)と、改善しており、財務の強化も進んでいるといえよう。ただ、まだ、60%弱が負債に負う経営構造であり、今後、さらに、財務基盤の強化も課題といえよう。そこで、今期の好調な決算をもとにキャッシュフローの流れを見てみたい。そして、ここから、今後の九九プラスの経営戦略をうらなってみたい。

   まず、営業キャッシュフローであるが、25.61億円(昨年13.24億円)と、当期純利益がプラスになった分、大きく増加している。そして、投資キャッシュフローであるが、-8.28億円(昨年-7.69億円)と、ほぼ昨年と同様の投資である。その中身であるが、新規出店関連への投資が-9.27億円(昨年-6.30億円)と、昨年よりも、増加しており、今期は新店に対しても昨年以上に配分を割いている。結果、フリーキャッシュフローは17.33億円(昨年5.55億円)となり、3倍強に増加した。ここから財務キャッシュフローへの配分となるが、-19.69億円(昨年-9.50億円)と、大きく配分が増えており、その中身は、有利子負債の返済のみであり、金額は-19.68億円(昨年-9.17億円)となる。したがって、今期は、好調な決算結果を受け、増加したキャッシュの大半を有利子負債の返済に充て、財務基盤の強化をはかったといえる。その結果、今期の有利子負債であるが、この支払いで、0となり、無借金経営となった。そして、トータルキャッシュフローであるが、-2.35億円(昨年-3.95億円)となり、若干、内部留保を取り崩す結果となった。

   このように、今期の九九プラスの中間決算は、経費削減が大きく進み、増収増益と、昨年の赤字決算に対し、一転、好調な黒字決算となり、キャッシュフローが大きく増加した。そして、その増加したキャッシュフローの大半を有利子負債の返済に充て、結果、有利子負債は0となり、無借金経営となり、財務基盤が強化された。ローソンと業務・資本提携をした効果が早くも表れたといえ、今後、この改善された財務を背景に、攻めに転じることが可能となり、後半、そして、来期へ向けて、九九プラスがどのような積極策を打ち出すか注目である。

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