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November 02, 2009

消費者物価指数(CPI)、デフレ基調続く、2009年9月度!

    総務省統計局から、2009年9月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は、平成17年度を100とした場合の指数を示し、同時に、昨年対比も示しているが、結果は、総合指数で100.4、昨年対比では2.2%の下落となった。また、生鮮品を除く総合指数は100.2、昨年対比は2.3%の下落、さらに、食料(酒類)及びエネルギーを除く総合指数は98.6、昨年対比は1.0%の下落となった。グラフを見ると、昨年の10月以降、ほぼ、右下がりの傾向が鮮明であり、消費環境はデフレ傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   ちょうど、10/31の日経新聞、1面のトップに、「デフレ色長引く恐れ。日銀予想「物価3年連続マイナス」」、「消費・企業の収益に影響、景気の足かせに」という見出しの記事が掲載されたが、総務省から公表された消費者物価指数は、これを裏付けているともいえよう。記事の内容は、日銀がまとめた「経済・物価情勢の展望」というレポートの中で、2011年度まで3年連続で生鮮食品を除く消費者物価の上昇率がマイナスになる見通しであるということであり、デフレ傾向が当面続くとのことである。

   では、この9月度、昨年と比べ何が最も物価を押し下げたかであるが、10大費目で見ると、総合指数が昨対-2.2%となったのは、下落率の大きい順に、光熱・水道-9.1%(寄与度-0.68ポイント)、交通通信-6.1%(寄与度-0.87ポイント)、家具・家事用品-3.5%(-0.11ポイント)等が大きく落ち込んだ項目である。ちなみに、食料は-0.5%(寄与度-0.13ポイント)であり、やや下がっているが、それほど、大きな下落とはなっていない。ただ、下落基調といえ、今後、節約志向が強まり、小売業どうしの価格競争が激しくなれば、食料もさらに下がる可能性が高く、当面、厳しい数字が続くものと思われる。

   さらに、これを中分類で見ると、下落率の寄与度の高かったものは、自動車等関係費-0.80ポイント、他の光熱-0.41ポイント、電気代-0.18ポイント、教養娯楽サービス-0.17ポイント、教養娯楽用耐久財-0.14ポイントである。また、寄与度はさほど大きくはないが、昨年と比べ下落率が大きかったものは、パソコン(ノート型)-54.2%、パソコン(デスクトップ)-41.2%、テレビ(薄型)-33.6%、外国パック旅行-19.4%等である。ヤマダ電機、ビックカメラなどの家電量販店が、激しい価格競争を繰り広げているひとつの要因がここにあるともいえよう。

   さて、そこで、食料について、さらに詳細な消費者物価指数(CPI)を見てみたい。まず、大分類の状況であるが、前年同月比で、消費者物価指数が下がった部門を見ると、飲料-3.1%、魚介類-2.4%、肉類-2.3%、果物-2.2%、酒類-1.5%、油脂・調味料-1.3%、穀類-1.3%、乳卵類-0.8%という状況である。飲料の落ち込みが最も大きく、ついで、生鮮関連が高いのが特徴である。また、逆に、消費者物価指数が上昇した部門であるが、野菜・海藻2.3%、菓子類1.8%、調理食品0.0%という状況である。野菜は相場の影響があると思われるが、食料の中では、菓子が依然として上昇しているのが特徴である。

   次に、その中身であるが、最も消費者物価が下がった部門である飲料の-3.1%を見てみると、ミネラルウォーター-9.0%、コーヒー豆-8.7%、果実ジュース-6.2%、茶飲料-3.4%、果汁入り飲料-3.2%、炭酸飲料-2.8%、乳酸菌飲料A-2.6%という状況であり、ほとんどの飲料が軒並み下落しており、食料の中では最大のデフレ部門といえよう。上昇しているのは、紅茶0.9%、乳酸菌飲料B0.0%のみであり、まさに、飲料全体が厳しい状況にあるといえよう。また、部門はまたがるが、小麦粉関連の項目も大きく消費者物価が下落しており、スパゲッティ-7.8%、食パン-7.0%、即席めん-1.3%、ビスケット-3.4%、調理パスタ-6.6%などの落ち込みが大きい。

   これに対して、消費者物価が上昇した菓子類であるが、キャンデー23.0%、ポテトチップス10.4%、プリン6.1%、カステラ3.5%、まんじゅう2.0%などであり、これらが、菓子の物価を押し上げている項目である。また、菓子類以外では、マーガリン19.4%、冷凍調理コロッケ5.4%、もち米5.3%、ぎょうざ4.4%などが上昇している項目である。こう見ても上昇した項目よりも、下落した項目の方が圧倒的に多く、この9月度の食料の消費者物価も全体的に下がっていることが鮮明である。

   このように2009年9月度の消費者物価指数(CPI)が明らかになったが、デフレ傾向が鮮明であり、ここへ来て、食料についても、デフレ傾向が強く表れているといえよう。明らかに上昇気味の部門は菓子類のみであり、その他の部門は相場の影響の大きい野菜・海草を除き、0.0%以下の消費者物価指数であり、しかも、その中身は10%近い下落の商品も数多く見られる。ここ最近、公表された食品スーパーマーケット業界の中間決算の状況を見ても、減益の企業が多く、その中身は原価の上昇がみられるケースが多い。これは、売価が、仕入れ原価以上に下がっていると思われ、予想以上に早いペースで価格が下がっている状況を反映しているといえよう。今後、さらに、厳しい局面が予想され、このデフレ基調は当面続くのではないかと思われる。

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