ヤマダ電機、池袋、日本総本店オープン!
10/30、ヤマダ電機の日本総本店が池袋三越跡地にオープンした。当日、午後、店舗に入ってみたが、ものすごい人の波で、店内は満杯状態であり、身動きがとれない状況であった。新聞報道では、オープン前には1万5千人が行列をつくったといい、びっくりである。この立地は池袋の中でも絶好の場所であり、東口の西武百貨店池袋本店の道路を挟んで斜め向かい、ビックカメラ池袋本店とも道路を挟んで斜め向かいと、百貨店と家電本店と向かい合う好立地である。しかも、地上7階、地下2階、地下は池袋北口の駅地下とも連動し、地上はバスターミナルの終点、池袋東口駅のバス停留所のまん前であり、絶好のロケーションである。また、池袋駅は、新聞報道によれば、乗降客が1日270万人と、日本で2番目に多い駅であり、集客力も抜群の立地である。
その絶好のロケーションの1階に何が来るか興味があったが、入ってびっくり、テレビが300台、どこまで行ってもテレビという感じで、しかも、日本初という103インチ、Panasonic、VIERA、560万円のテレビから、ワンセグまであり、豊富な品揃えである。ちなみに、ヤマダ電機のテレビ関連の売上構成比であるが、直近の数字では、18.4%であり、ビックカメラの10.2%と比べても、圧倒的に高く、しかも、113.7%と全体が101.4%と比べ、エコポイントの影響もあり、大幅に伸びている。ビックカメラも117.4%とヤマダ電機を上回る伸びであるので、いま家電業界の売上の源泉はこのテレビにあるといってもよく、金額面でも、成長率でも重要な戦略商品である。ヤマダ電機が、この池袋店の1階に圧倒的な品揃えと強力な価格訴求でテレビをもってきたのは、まさに理にかなっており、池袋において、一気に家電の主導権をにぎろうという戦略であろう。
ヤマダ電機が、現在、経営指標として最も力を入れているのが、ROA(総資本当期純利益率)と在庫回転率である。その目標数値をROA10%、在庫回転率12回転/年、以上としており、特に、在庫回転率を引き上げるには、PI値の高い商品、伸びている商品を強化することが基本である。テレビを強化したのも、この在庫回転率を高めるためでもあり、また、ここ最近、家電以外の食品、ドラック等を強化しているのも、在庫回転率を引き上げるひとつの方法といえよう。ちなみに、地下2階の食品売り場であるが、生鮮食品はなく、日配もごくわずかであり、基本、酒とグロサリーの価格訴求商品のみの構成であり、食品で売上げを上げるというよりも、ポイントの利便性を広げるという目的が強いように思えた。ただ、食品と同じフロアで展開されているドラック売り場は、調剤(近日オープン予定)も取り入れており、これに連動させ、日用雑貨も価格訴求がかかっており、食品よりも充実感がある売り場であった。
在庫回転率目標12回転であるが、今回の池袋日本総本店は約150万点の品揃えであるので、単純に計算すると、この約150万点が月間販売点数となる。したがって、この約150万点の10/30時点の在庫が計算上は、たった1ケ月でなくなるということであり、1ケ月後にはさらに、150万点の仕入れが発生するということになる。また、年商目標が800億円であるので、単純計算で、月商66.6億円であり、1日、約2億円強となる。さらに、戦略商品のテレビの売上構成比は18.4%であるので、1日約4,000万円の売上となり、年間では150億円近い売上げとなる。全館地下2階、地上7階、計9回であるので、1階のテレビだけでも、単純フロア平均の構成比11.1%を大きく上回り、単純計算で165%となり、ヤマダ電機の戦略商品であるテレビを1階で展開することは全館の集客効果の面でも効果が期待できるといえよう。
また、ヤマダ電機のテレビに次ぐ売上げ構成比の高いパソコンであるが、11.6%と高い数字であるが、伸び率が101.4%と伸び悩んでいる。直近の数字を見ると99.7%と、さらに下がっている。これはビックカメラの数字を見ても、売上構成比は9.4%であり、伸び率は厳しく78.0%と下がっている状況である。したがって、パソコンは売上面では重要な商品であるが、ここへ来て伸び悩んでおり、今回4階での販売となったものと思われる。これ以外の主な商品群では、5階にヤマダ電機の直近の数字で見ると伸び率の高い冷蔵庫(売上構成比6.1%、伸び率113.6%)が品揃えされ、さらに、洗濯機(3.9%、101.6%)、 調理家電(3.5%、3.9%)、エアコン(6.7%、7.6%)の家電がこのフロアを固めている。さらに、2階では携帯電話(4.7%、93.1%)と、伸び率が厳しい状況であるが、アイフォンが異常に元気な売り込みをしていたのが印象的であった。
このようにヤマダ電機が満を持して、池袋の三越跡地に日本総本店をこの10/30にオープンさせたが、初日は大盛況となり、好調であったのではないかと想定される。また、多層階での店舗では、最も重要な1階をヤマダ電機得意のテレビで圧倒的な品揃えと価格訴求で展開したことは、今後の集客を図るうえにおいても、全館の活性化をはかる上においても貢献度が極めて高いレイアウトといえよう。今後、最大の競合家電、ビックカメラ、さくらや、そして、西武百貨店、東武百貨店とどのような家電のシェア争いとなるか、クリスマス、年末商戦と続く、冬の池袋が日本でも最も熱い地区となろう。
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