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November 19, 2009

セブンイレブン、デジタルサイネージを導入!

   セブンイレブンのデジタルサイネージを見た。11/17から、都内の直営店10店舗で実証実験がはじまったが、その内の1店舗である。レジカウンターの後ろ、上の方に42型の液晶テレビのようなディスプレイを掲げ、その向かって右横に小さなカメラがついていた。すでに、CMも流れており、今後、3ケ月間、2月中旬頃まで検証を行うという。入ってすぐ、デジタルサイネージに気づいたが、見た感じは小さいという印象だった。42型なので、通常、部屋で見るには大型タイプであるが、セブンイレブンのレジカウンターの後ろ、上に掲げられると、それほど大きくは見えず、意外に小さいように思えた。ただ、その割には向かって右横のカメラがそれなりに目立つので、商品をレジで買う時、睨まれているようで、ちょっと不気味な感じを受けた。

   ちょうど、日経新聞11/17付けに、この記事が掲載されており、「セブン&アイが電子看板」、「セール・新商品情報発信、まず、ヨーカ堂など12店」という見出しの記事である。内容を見ると、11/17から、都内のセブインイレブン10店舗、イトーヨーカ堂2店舗に電子看板を設置するという。そして、その電子看板にセール情報、新商品情報、天気予報、ニュースなどを1回3~6分で放送するという。この放送内容は2週間単位で見なおすという。さらに、ディスプレイの横にカメラを取り付け、約3ケ月にわたり来店客の購買行動を分析し、放送内容の販促効果の測定も行うという。

   いわば、セブンイレブンが独自放送局をもつことになる。今後、全約13,000店舗のセブンイレブンにこのデジタルサイネージが設置されると、まさに、セブンチャネルをもつことになり、一大ネットワークができあがることになる。このようなネットワークは日本ではすでに、JRがトレインチャネルを電車の出入り口の上や駅構内に設置しており、この分野では先行している。また、海外では、ウォルマートがすでに、本格的に取り組みはじめ、全2,700店舗に27,000台のデジタルサイネージを入れ、ウォルマートチャネルが完成しつつあり、すでに、このチャネルは10秒間の広告を2週間、2,500店舗に流した場合、料金が10万ドル(約900万円)の値がついているという。セブンイレブンもこれに匹敵する一大ネットワークに育つ可能性が高く、今後、ヨーカ堂、西武百貨店、そごう、ヨークベニマル、ヨークマート、デニーズ等、グループの総力を挙げて、日本最大のデジタルサイネージ網がつくられる可能性が高まったといえよう。

   たまたま、この動きを確認するため、インターネットを見ていたら、アメリカのMediaDailyNewsに行き着いた。それによると、11/3の記事であるが、セブンイレブンジャパンの子会社、アメリカのセブンイレブンが全米とカナダのセブンイレブンの全6,200店舗にデジタルサイネージを入れることが決まったという。視聴者は推計月間で1億9,000万人にも及び、これは、全米最大のベースボール(野球)のテレビ中継が月間1億5,500万人から3億人であるので、これに匹敵する一大ネットワークが出現することになるという。また、今回、Digital Display Networks社と組み、番組を制作し、全米各地のニュースや天気予報や独自に製作したコンテンツも流す予定であるという。

   これを見ると、今回の日本のセブンイレブンのデジタルサイネージへの取り組みは、すでに、子会社のアメリカのセブンイレブンが先行しており、ほぼ、この動きと歩調を合わせるように動いており、恐らく、全世界のセブンイレブンが近いうち、デジタルサイネージを全店に導入し、一大ネットワークで結ばれるのではないかと思われる。各地で製作された番組そのものの共有は難しいと思われるが、そこで生み出されたノウハウの共有は可能といえ、さらに、今回、日本のセブンイレブンが取り組む、カメラを活用した消費者行動の分析や、広告効果の測定は各国のセブンイレブンでも活用されてゆくのではないかと思われる。

   これで、デジタルサイネージの小売業界への普及する環境が整いつつあるといえ、今後、デジタルサイネージが小売業界へ急速に浸透するのではないかと思われる。今後、すでに取り組んでいるローソンをはじめ、他のコンビニ、食品スーパーマーケット、GMS、ホームセンター、家電量販店など、様々な業種で一斉にデジタルサイネージの導入が始まる可能性が見えてきたといえよう。セブンイレブンの全店への導入は恐らく来期であると思われるので、来期、2011年度は、小売業界にとって、デジタルサイネージが本格的に導入される元年となろう。

   これによって、CMは大きく変わり、今後はテレビ、雑誌に加え、小売業の店頭CM、すなわち、デジタルサイネージが重要な役割を果たすのではないかと思われる。特に、小売業のPOS、IDカード、デジタルカメラによる動画が融合した新たなCM効果測定の指標も早い段階で開発されると思われ、より効果の高いCMが生まれるものと思われる。また、小売業においては、マーチャンダイジングに動画が組み込まれ、恐らく、時間が売上、利益同様に重要なMDのキー概念になるのではないかと思われる。その意味でデジタルサイネージはメーカー、小売業双方にとって、重要なマーケティング、マーチャンダイジングの支援ツールになるのではないかと思う。今後の各社の動向に注目である。

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