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December 23, 2009

コンビニ売上速報、2009年11月度、既存店-6.3%!

   コンビニの2009年11月度の売上速報が12/21、日本フランチャイズチェーン協会から公表された。デフレ真っただ中での売上動向であり、予想どおり、厳しい数字となった。全体は6,343.78億円(昨対-3.6%)であり、既存店は-6.3%となった。店舗数は42,673店舗(昨対2.4%)と微増とはなったが、既存店が-6.3%となったことで、全体の売上げをカバーできなかった。ただ、それでも、昨年11月度は全体が9.9%(既存店7.4%)の伸びであったので、昨年を異常値と見れば、一昨年よりは、数字は伸びており、極端な数字の落ち込みとはいえず、低成長が続いているともとれる数字でもある。

   このコンビニの集計企業であるが、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社であり、主要コンビニを網羅しており、数字の信頼度は高いといえよう。

   では、今回、全体が-3.6%、既存店が-6.3%となった中身であるが、全体については客数11.12億人(昨対-0.8%)、客単価は570.3円(昨対-2.8%)である。また、既存店については、客数10.36億人(昨対-3.3%)、既存店564.6円(昨対-3.0%)である。全体は客数よりも客単価の落ち込みが大きいが、既存店は、客数、客単価、双方が落ち込み、売上げが伸び悩んだ状況である。ちなみに、1店舗当たりの客数であるが、11.12億人を店舗数42,673店舗で割り、11月度の営業日数30日で割ると、868.62人であり、約850人強である。したがって、ごく平均的なコンビニの営業状況は、1日約850人の顧客が来店し、約600円弱の買い物をしているのが実態であり、結果、約50万円強の売上げとなる。月間では1,500万円、年間では1億8,000万円、約2億円のビジネスであり、これが1万店舗になると、2兆円の規模になるという構図であることがわかる。

   一方、今回の数字を商品面から見ると、どのような状況であったかであるが、コンビニの商品構成は大きく4つに分かれており、日配食品(ファストフード、日配等)、加工食品(菓子、調味料、飲料、酒等)、非食品(雑誌、たばこ、日用雑貨等)、サービス(コピー、宅配等)である。それぞれの構成比とこの11月度の伸び率であるが、日配食品33.4%(伸び率-4.1%)、加工食品29.6%(-5.6%)、非食品32.5%(-1.9%)、サービス4.5%(0.6%)という結果である。日配食品、加工食品、非食品がほぼ30%前後の均等の構成比となっており、最近、拡大しつつあるサービスはまだ、4.5%と、構成比は低い状況である。また、伸び率であるが、加工食品、日配食品の下げが、この11月度は大きく、非食品は-1.9%と比較的健闘しているといえよう。

   この非食品にはたばこが入っており、昨年の4月以降、taspo効果により、たばこの売上げが急拡大し、非食品を力強く牽引してきたが、意外に、taspo効果が切れても、その落ち込み幅は小さく、たばこの売上が高値安定している状況といえよう。したがって、この11月度の売上ダウンの原因はtaspo効果が切れたことよりも、加工食品、日配食品の落ち込みの方が大きいといえ、まさに、デフレによる、価格競争がコンビニにも大きな影響を与え始めているのではないかと推測される。

   昨年から今年前半にかけてのtaspo効果についてであるが、昨年4月度から、たばこの含まれる非食品の数字を追ってみると、2008年4月度(構成比28.5%、伸び率4.9%)、5月度(30.0%、15.9%)、6月度(31.6%、22.4%)、7月度(31.5%、33.0%)、8月度(31.2%、27.7%)、9月度(31.3%、24.9%)、10月度(32.4%、29.7%)、11月度(32.2%、26.4%)、12月度(33.0%、25.3%)、2009年1月度(32.8%、28.0%)、2月度(32.7%、22.7%)、3月度(32.1%、23.2%)、4月度(32.5%、23.0%)、5月度(31.5%、10.2%)、6月度(32.2%、3.1%)という推移である。

   こう見ると、taspo効果は昨年5月からはじまり、今年の4月から5月に終了していることが鮮明であり、しかも、構成比を28%台から32%まで引き上げており、非食品部門を大きく増加させたことがわかる。また、taspo効果が切れた6月以降もほぼ昨対を維持しており、この11月度も-1.9%、昨年11月度が26.4%であるので、下げ率はわずかであり、taspo効果で増加した売上げをほぼ維持しているといえ、定着したといえよう。

   したがって、ここ最近の課題はポストtaspoというよりも、コンビニの中核食品である弁当、ファストフードの日配食品、菓子、飲料、酒等の加工食品の落ち込みに問題があるといえ、これは、まさに、デフレによる価格の下落がこの両部門を直撃しているのではないかと推測される。

   このように、コンビニのこの11月度の売上げが、特に、既存店では落ち込みが大きく、厳しい状況にあるといえるが、その原因は昨年、異常値をつくったtaspo効果が切れたこともあると思われるが、それ以上に、デフレの影響が定価格を原則に営業してきたコンビニと競合する各小売業との商品の価格との間に大きな格差が生じ、結果、客数、客単価ダウンを余儀なくさせていることが大きいといえよう。特に、コンビニの強かったファストフード、弁当にデフレの影響は及びはじめたといえ、今後、いかに、このデフレ環境の中で、プライスラインをどのように設定するかが問われているといえよう。次の12月度、そして、来年の1月以降、各コンビニがどのようなデフレ対策を打ち出すか注目である。

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