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December 30, 2009

ハローズ、2010年2月期、第3四半期、増収、営業増益!

   ハローズが12/25、2010年2月期、第3四半期決算を公表した。いよいよ、2月期の食品スーパーマーケットの第3四半期の決算の公表がはじまり、今後、続々と、公表されるものと思われる。結果は売上高509.73億円(109.5%)、営業利益15.81億円(100.3%:売上対比3.10%)、経常利益15.21億円(96.2%:売上対比2.98%)、当期純利益8.37億円(94.8%:売上対比1.64%)と、営業段階では増収増益、経常利益、当期純利益は若干の減益となった。これまで公開された食品スーパーマーケットの決算は減益となる企業が多いが、ハローズは、わずかではあるが、営業利益が増益となり、厳しい消費環境の中、堅調な決算となった。

   その要因を原価、経費面から見てみると、原価は76.95%(昨年76.88%)と、わずか0.07ポイントであるが、上昇がみられる。ここへ来て、各社価格訴求が激しくなっており、ハローズも価格訴求を強める一方、PB(プライベートブランド)を一層強化し、昨年の売上対比6.7%から7.9%へと引き上げたが、原価の改善にまではわずかに届かなかったようである。結果、売上総利益は23.05%(昨年23.12%)と、わずかに下がった。一方、経費面であるが、22.70%(昨年22.25%)と、経費も0.45ポイント上昇しており、経費の上昇もみられる。今期は、「チラシ回数の見直しによる広告宣伝費の抑制、使用量の削減策による電気代の抑制など全社的な経費削減に取り組み、・・」と、経費削減を徹底したが、昨年を上回る結果となった。

   これは、この11月度のハローズの売上速報を見ると、既存店が93.0%と厳しい状況であり、ここ数ケ月の推移も95%前後であり、既存店の売上が下がったことにより、相対的に固定費が上昇し、経費増となったものといえよう。ハローズは全体の売上高は110%近い好調な数字で推移しているが、これは順調に新店が出店されていることが大きい。この第3四半期も、岡南店(4月、岡山県岡山市 450坪型)、花尻店(6月、同 600坪型)、仏生山店(11月、香川県高松市 600坪型)と3店舗を新規オープンし、現在、広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県3店舗の合計44店舗である。この積極的な新規出店がハローズの成長の原動力となっている。

   したがって、原価、経費が昨年に比べ双方が上昇し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.35%(昨年0.87%)と、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他の営業収入が2.76%(昨年2.53%)のり、結果、営業利益は3.11%(昨年3.40%)となり、残念ながら、営業利益率では減益となった。ただ、先に見たように、今期は大幅な増収となったため、その分で、額ではわずかであるが、増益を確保した。ただ、率では、このように、その他の営業収入がプラスになったにもかかわらず、原価、経費双方が上昇しており、減益となっており、ハローズのこの第3四半期決算は実質、厳しい結果であったといえよう。

   これを受けて、ハローズのキャッシュフローの流れであるが、今期のハローズのキャッシュフローは昨年の決算日が金融機関の休日と重なったため、仕入れ債務の増加があり、36.70億円のプラスがあったが、今期は逆に仕入れ債務の減少があり、-25.39億円となった。そのため、営業キャッシュフローは一転、-8.18億円(昨年55.77億円)と、キャッシュ不足となった。一方、投資キャッシュフローであるが、-42.52億円(昨年-32.32億円)と、出店関連の投資が増加し、大きくマイナスである。その出店関連の投資であるが、-41.36億円であり、投資キャッシュフローの大半を占めている。これは、ハローズの1店舗当たりの出店にかかわる資産が約4億円であるので、約10店舗分に当たり、積極的な投資戦略であるといえる。結果、差し引き、フリーキャッシュフローは-50.70億円(昨年23.45億円)と、昨年の順流から、逆流となり、一転、マイナスのフリーキャッシュフローとなった。

   したがって、財務キャッシュフローでキャッシュを調達するか、内部留保を取り崩してキャッシュを補うことになるが、財務キャッシュフローを見ると、36.11億円(昨年-4.01億円)となり、トータル-14.59億円(昨年15.43億円)となり、今期は財務キャッシュフローだけでなく、内部留保の取り崩しも含め、双方からキャッシュを補っており、苦しいキャッシュの流れである。その財務キャッシュフローであるが、有利子負債の調達を38.11億円行っており、結果、有利子負債は110.88億円となり、総資産309.51億円の35.8%と重くのしかかり、自己資本比率も34.1%(昨年33.9%)と、厳しい状況である。

   このように、この第3四半期のハローズの決算は、積極的な新店の出店により、増収となり、営業利益率の減益を増収でカバーし、営業利益高では増益となったが、その中身は原価、経費が上昇し、厳しい状況である。また、財務面でも、昨年から一転、金融機関の休日との関係もあり、仕入れ債務が減少し、営業キャッシュフローがマイナスとなり、キャッシュ不足となり、有利子負債を増加させる一方、内部留保も取り崩しており、財務の改善が進んでおらず、厳しい状況である。今後、積極的な投資により、新店開発が進めば増収を確保することは可能ではあるが、一方で財務面の課題は残されたままといえ、いかに、財務の改善をはかってゆくかが、経営上の大きな課題といえよう。今期もあとわずかであるが、来期へ向けて、ハローズがどのように財務改善の戦略を打ち出すか注目したい。 

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