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December 29, 2009

消費者物価指数(CPI)、2009年11月、-1.9%!

   12/25、総務省統計局から、2009年11月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は総合指数が3つに分かれており、1つ目が文字通り総合指数、結果は-1.9%、2つ目が生鮮食品を除く総合指数、結果は-1.7%、そして、3つめが食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数、結果は-1.0%であった。3つの総合指数がいずれも、昨年対比マイナスとなり、デフレ、真っただ中であるといえよう。ただ、これをグラフでみると、昨年が異常な物価高であったため、ちょうど上に半円形の動きをしており、今年は、逆の下に半円形の動きとなっており、プラスマイナスで3年前に戻っているともとれる。まさに、sinカーブを描いているといえ、今後、徐々に収束に向かい、来年中盤にはグラフを見る限り、プラスに転じる可能性も否定できず、落ち着くまで、もう数ケ月、状況を見極める必要がありそうである。

   一方、全く別の見方もある。そもそも、消費者物価指数(CPI)は、5年前の平成17年(2005年)を100とした場合の指数のことであるが、この数字を見ると、総合指数は99.8%、生鮮食品を除く総合指数は99.9%、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.5%である。この数字を見ると、ちょうど5年前の物価にもどったともいえ、デフレというよりも落ち着いたとみることもできる。実際、この指数を一覧にしたグラフを見ると、昨年が明らかに異常値であり、大きく消費者物価指数(CPI)が上昇しており、過去5年間では異常な1年であったことがわかる。その異常値が、今年に入ってもとにもどりつつあり、この数ケ月でほぼ、もどったともとれる。

   したがって、これ以上、消費者物価指数(CPI)が昨年対比で見ても、平成17年度を100とした場合で見ても、下落傾向が続くかどうかが、ポイントであるといえ、12月、そして、来年数ケ月の数字が今後の物価を判断する上で重要な期間となろう。もちろん、短いスパン、昨年対比等で見れば、明らかなデフレ、物価下落であることは確かであり、ここは、短期的な見方と中長期的な見方、双方で見た方が現状を正確に認識できるといえよう。結論としては、短期的にはデフレ、物価の下落が鮮明であるが、中長期的には昨年の異常値が急激に解消されつつあり、さらに、デフレが進行し、物価の下落が続くかは、もうしばらく、様子を見る必要があるというところかと思う。

   では、この11月度の10大費目の昨対と寄与度であるが、寄与度の最も大きかった項目は、食料-0.56、そして、光熱・水道-0.51である。ついで、教養・娯楽-0.32、交通・通信-0.22となる。その中身であるが、食料については、生鮮食品-0.26、生鮮食品を除く食料-0.28と、どちらも下落しており、食料全般の物価が下がっている状況である。これは、食品スーパーマーケット業界の、ここ最近の数字を見ても裏づけられており、この11月度の売上速報は大半の食品スーパーマーケットの平均単価が落ちており、厳しい状況である。食料についで、水道・光熱費では、電気代が-6.4%(寄与度-0.20)と大きかった。教養・娯楽では、何といっても外国パック旅行-19.9%(-0.12)が大きく下落しているのが特徴である。JALの今後が気になるところである。交通・通信では、ガソリン-5.3%(-0.13)が大きく下落している。

   また、これ以外の10大費目では、家具・家事用品-0.14、特に、電気冷蔵庫-17.2%(-0.02)と、家電関係が大きく下落しているのが特徴である。家電ではこの電気冷蔵庫以外でも下落の大きいものがあり、テレビ(薄型)-35.0%(-0.05)、パソコン(デスクトップ型)-38.5%(-0.02)、パソコン(ノート型)-49.7%(-0.03)、カメラ-31.8%(-0.01)なども大きく下落している。

   では、食品スーパーマーケットに関係の深い食料では、この11月度は、どのような状況であったかを見てみると、飲料-3.2%(ミネラルウォーター-8.6%、コーヒー豆-6.5%、果実ジュース-5.7%等)、穀類-3.1%(スパゲッティ-8.8%、食パン-7.0%等)、肉類-2.5%(牛肉B-5.1%、鶏肉-5.0%等)、油脂・調味料-2.0%(食用油-17.0%、マヨネーズ-10.0%、ケチャップ-8.5%、カレイルウ-5.0%等)、酒類-1.9%(ウィスキー-2.7%、ぶどう酒(ワイン)-2.7%、発砲酒-2.2%、ビール-2.1%等)、調理食品-1.7%(調理パスタ-6.6%、混ぜごはんのもと-6.1%、冷凍調理コロッケ-5.1%、調理カレー-3.8%、おにぎり-3.4%等)という状況である。

   このように、この11月度の消費者物価指数(CPI)は昨年対比ではデフレがより鮮明になり、物価の下落が一段と進みつつあるといえよう。ただ、中長期的に見ると、3年前の水準にもどったともいえる数字であり、昨年の異常な物価高をどう位置づけるかが難しい判断のしどころであるといえよう。今後、さらに、デフレが進行し、3年前の水準を大きく下回る場合は、経済は危険水域に入るといえるが、現段階ではまだそこまではデフレは進行しているとはいえず、もう数ケ月、様子を見る必要があろう。次の12月度、そして、来年早々の数ケ月間の消費者物価指数(CPI)が、今後をうらなう上で極めて重要といえ、その数字がどのような結果となるか気になるところである。

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