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December 27, 2009

餃子の王将、絶好調、中間決算を見る!

   日経MJ、12/25に外食35社の11月度の売上高が掲載された。見出しは、「外食32社前年割れ、主要35社11月売上高、一部に値下げ効果」である。実際、この一覧表を見ると80%台が続出しており、ここへ来て、外食が極めて厳しい経営環境にあるかがわかる。ただ、その中でも、100%を大きく超えた企業がある。王将フードサービス124.8%、サイゼリア118.9%、くらコーポレーション117.4%である。そこで、王将の好調の要因と経営戦略を、先に公表された最新の決算、2010年3月期の中間決算をもとに見てみたい。

   ちなみに、この11月度、売上が好調な上記3社の状況であるが、王将124.8%、既存店119.5%、客数120.4%、客単価98.6%、サイゼリア118.9%、既存店113.0%、客数111.8%、客単価101.1%、くら117.4%、既存店106.1%、客数104.7%、客単価101.3%である。いずれも、既存店の客数が大きく伸びているのが特徴であり、デフレ時の売上アップ戦略は客単価を維持し、既存店の客数を大きく増加させることが、ポイントであることを示唆しているといえよう。それにしても、王将の既存店の客数120.4%は異常値といえ、小売業界全体の中でも際立っている数値である。

   そこで、まず、王将の中間決算の概況であるが、売上高328.39億円(122.2%)、営業利益54.38億円(177.1%:売上対比16.55%)、経常利益55.25億円(175.2%:売上対比16.82%)、当期純利益27.37億円(153.2%、売上対比8.33%)である。売上以上に利益が大きく伸びており、既存店の売上アップがいかに利益増に直結しているかがわかる。一般に既存店の売上が上がると、固定費が相対的に下がり、全体の経費削減効果が生まれ、利益が大きく増加することが多い。

   では、王将の利益構造はどのような状況であるかを、原価、経費の面から見てみたい。まず、原価であるが、29.07%(昨年31.18%)と、昨年よりも2.11ポイント下がっており、結果、売上総利益は70.93%(昨年68.82%)と上昇している。それにしても、食品スーパーマーケットでは考えられない数字であり、比率が正反対、原価約70%、売上総利益約30%の世界であり、ここが外食と食品スーパーマーケットの決定的な違いといえる。一方、経費の方であるが、54.36%(昨年57.38%)と、3.02ポイント下がっており、経費の削減が進んでいる。まさに、既存店の売上アップ効果といえよう。結果、ダブルで利益を改善しており、差し引き、マーチャンダイジング力は16.57%(昨年11.44%)となり、大幅な数字改善となった。王将の決算は、その他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となるので、16.57%が営業利益となる。

   それにしても、原価、経費、双方を引き下げ、営業利益を大きく改善しており、売上高だけでなく、利益も大幅に改善している。王将はまさに、絶好調といえよう。王将は現在、直営354店舗、FC188店舗、合計542店舗であり、この中間期も直営12店舗、FC7店舗、合計19店舗を新規出店しており、新店開発も順調に推移している。

   この好調な決算を受けて、経営戦略が最も反映されるキャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは、55.05億円(昨年26.52億円)と、当期純利益の増加分が大きく、大幅に増加した。結果、投資へのキャッシュが大きく増加することになり、投資キャッシュフローは-20.14億円(昨年-11.68億円)と、約10億円投資キャッシュフローが増加した。その中身であるが、有形固定資産の取得による支出、すなわち、新規出店への投資が-19.43億円(昨年-13.75億円)と大半を占め、大きく増加している。好調な決算による増加したキャッシュを新規出店に厚く割り当てているといえよう。したがって、今後も、新規出店が順調に増加するといえ、安定した成長が期待されよう。結果、差し引き、フリーキャッシュフローであるが、35.62億円(昨年14.48億円)となり、潤沢なキャッシュを確保することとなった。

   そして、その豊富なキャッシュフローを財務キャッシュフローに配分することになるが、その中身を見ると、配当へは5.02億円(昨年5.02億円)と、昨年同様であり、増加していない。本来、上場企業としては、利益は株主への還元が最優先されると思われるが、配当への配分は、中間決算ということもあると思われるが、昨年同様の数字である。ただ、今期は、別の形で株主還元しており、自社株買いに28.59億円(昨年0)と、フリーキャッシュフローの大半を配分しており、株価の価値を引き上げているのが特徴である。また、有利子負債の返済も差し引き、4.60億円返済している。結果、財務キャッシュフローは-42.09億円(昨年6.01億円)となり、トータル-7.58億円(昨年20.84億円)となり、若干であるが、内部留保を取り崩しているが、ほぼ、フリーキャッシュフロー=財務キャッシュフローという状況である。

   したがって、今期の好調な中間決算のフリーキャッシュフローの大半を自社株買いに当てるという思い切った財務戦略を打ち出したのが特徴といえる。この自社株買いは、株主への直接的な配当ではないが、間接的な還元であるといえ、株主還元をはかる一方、将来のM&Aに備えた自社株の確保もあると思われる。こう見ると、この中間決算のキャッシュフローは、新規出店と将来のM&Aへの配分を厚くしたといえ、王将が引き続き、既存店だけに頼らない、今後の成長戦略に向けた投資を優先したといえよう。当面、王将の成長は持続されるといえ、今後、さらに、成長に向けて、王将がどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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