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December 10, 2009

イオン、矢継ぎ早に、営業梃入れ、経営改革、決断!

   イオンの動きが、ここ最近、あわただしい。12/10から12/14まで、「いきなり値下げの5日間」のセールを全国一斉、イオンの総力をあげて23,000店舗で開催することを12/7に公表した。また、同じく12/7、イオンリテールの食品スーパーマーケット事業を分割し、新たに受け皿の新会社を6社、各地域に設立し、来年度から食品スーパーマーケット、マックスバリュを移管することが公表された。さらに、12/9、来年2月、懸案の北米事業、衣料品専門店のタルボット社の全株式を売却し、全債権の返済を受けるという合意が、タルボット社との間でなされたことを公表した。

   わずか、3日間に矢継ぎ早に、今後のイオンの経営を左右する重大な経営判断がなされており、年末年始を迎え、イオンが急雲風を告げる動きといえよう。通常、小売業の売り上げはクリスマス、年末、そして、お盆が年間最大の山となり、特に、大型店はクリスマスから年末にかけては、年末商戦といわれるように、まさに戦いとなり、ここへ経営資源を投入し、最大の売上げをつくるのが例年の動きである。ところが、今回のイオンのセールは、12/10から12/14という、年末商戦2週間前に、イオングループの総力を挙げての一大セールを行うという、いわば、年末商戦の前倒しともいえ、これまでとは一線を画した新たな動きである。

   その内容であるが、今回の「いきなり値下げの5日間」のセール参加店舗であるが、全国のイオンモールなど計401のイオングループ運営ショッピングセンター(SC)内の物販専門店合わせて約22,500店舗、全国のジャスコ、サティ、ビブレ、カルフール、イオンスーパーセンターなどイオングループ直営の総合スーパー約500店舗となる。セール内容は、紳士・婦人・子ども衣料、靴・かばん、寝具・インテリア等は店頭で今ついている価格よりレジにて2割引となり、肌着、文具、食器、自転車、日用雑貨、医薬品等は今の価格よりレジにて1割引、さらに食品や家電は日替わりの特別販売商品を多数打ち出すという。年末商戦がどちらかというと、食品が主体になるが、今回のセールは、衣料、住関連が主体となるセールといえよう。

   この「いきなり値下げの5日間」の目標売上げは1,000億円であるという。イオンの年間売上げが約5兆円であるので、1日当たり約135億円となる。したがって、単純計算で5日間では約675億円となるので、1,000億円は約150%の売上げアップとなる。通常のこの時期は年末商戦前の比較的静かな時期であるので、イオンにとっては、この1,000億円は例年にない大きなキャッシュの獲得といえ、2週間後の年末商戦と合わせると、今期の12月度は過去最高のキャッシュの獲得となろう。

   イオンのこの8月度の中間決算のキャッシュフローは、営業キャッシュフロー370.65億円、投資キャッシュフロー-1,922.08億円となり、フリーキャッシュフローは-1,551.43億円と大きくマイナスであった。そのため、財務キャッシュフローで1,032.92億円に加え、内部留保を486.67億円取り崩さざるをえない厳しい状況となった。その結果、有利子負債が増加し、1兆3,359.65億円(昨対118.1%)となり、自己資本比率もわずか21.1%という厳しい財務状況にあり、残り、後半でいかに、キャッシュを獲得するかが経営的にもまったなしの状況にあり、これが、今回、異常ともいえる「いきなり値下げの5日間」を実施せざるをえない背景のひとつにあると思われる。

   そして、この「いきなり値下げの5日間」に加え、懸案の北米事業、衣料品専門店タルボットとの資本業務提携を清算することが決まり、これで、イオンは北米事業から撤退、経営資源を国内とアジアに向けることになる。さらに、国内では、食品スーパーマーケット事業を分割することが決まり、既存のマックスバリュグループに、新たに、マックスバリュ北東北(7店舗)、南東北(16店舗)、関東(17店舗)、中京(11店舗)、長野(4店舗)、北陸(9店舗)の6社が設立され、食品スーパーマーケットが移管されることが決まった。これにより、イオンリテールはGMSを主体とする小売事業に専念することになり、国内事業は、SC(専門店)、GMS、食品スーパーマーケットの3つに分割されることになる。食品スーパーマーケットは、各グループ会社が地域密着で取り組み、GMSはイオン本体が全国を視野に入れ、立て直しに専念する経営体制ができあがることになる。

   これを受けて、イオンの12/09の株価であるが、異常な売買高となり、約1,000万株の大商いとなった。通常は数千万株、この日のセブン&アイHも約3,000万株であるので、明らかに加熱気味である。ただ、値動きは小幅であり、750円(+22円、3.02%)であり、売りと買いが激しく交錯する値動きであり、投資家も、今後のイオンの経営動向を見極めきれない状況のようである。

   このように、ここへ来て、イオンが経営改革に本格的に動き、矢継ぎ早の経営改革を行い、まさに、勝負に出たという決断である。今期決算は来年2月末であり、実質、今期はあと2ケ月といえる。イオンがこの一連の経営改革により、どこまで、厳しい結果となった8月の中間決算、特にキャッシュフローの窮状を改善できるか、今回の結果はもちろん、そして、次の一手にも注目である。

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