マックスバリュ西日本、2010年、第3四半期、積極新店!
マックスバリュ西日本が12/28、2010年2月期、第3四半期の決算を公表した。結果は営業収益1,641.60億円(102.7%)、営業利益39.95億円(78.7%、営業収益比2.43%)、経常利益42.78億円(80.7%、営業収益比2.60%)、当期純利益20.75億円(74.6%、営業収益比1.26%)と、増収とはなったが、いずれの利益も減収となる厳しい決算となった。これまで公表された食品スーパーマーケットの第3四半期決算を見ると、増収減益、ないしは、減収減益が多く、ここへ来て、消費環境は急激に悪化しており、厳しい決算が続いているが、マックスバリュ西日本も、同様に増収減益となった。
ただ、マックスバリュ西日本はここ最近、積極的な新規出店をはかっており、この第3四半期も広東店、イオンタウン太子店、宮田町店、ザ・ビッグ平島店、平田店、多度津店、フォレオ広島東店、ザ・ビッグ北島店、神河店、高瀬店と、合計10店舗をオープンしている。現在、店舗数が156店舗となり、食品スーパーマーケット業界の中でも、トップクラスの規模となった。しかも、マックスバリュ西日本は多様な業態開発、広域への新規出店を積極化しており、成長戦略重視の経営戦略をとっているのが特徴である。
エリアと業態とのマトリックスを見ると、7つのエリア、4つの業態となるので、合計28のパターンとなる。その中で重点エリア、重点業態のパターンを見ると、地元、兵庫県エリア、SSM(スーパースーパーマーケット)が45店舗(店舗数構成比28.8%)であり、ここが最重点パターンとなっている。ついで、同じく、兵庫県エリア、SM(スーパーマーケット)が30店舗(19.2%)となる。そして、山口県エリア、SSMが23店舗(14.7%)であり、この3つのパターンで62.7%であり、残りの25パターンが10店舗以下となる。
また、エリアで見ると、兵庫県エリアが80店舗(SSM45店舗、SM30店舗、CSM(コンビニタイプ)5店舗、BIC 0店舗)と、全体の51.2%を占めており、業態で見ると、SSMが93店舗(兵庫県エリア45店舗、山口県エリア23店舗、広島県エリア10店舗、岡山県エリア8店舗、香川県エリア4店舗、愛媛県エリア3店舗)と、全体の59.6%を占めている。ここ最近ではエリアでは、四国の香川県エリア5店舗、愛媛県エリア3店舗、徳島県エリア2店舗が増えているのが特徴である。業態ではBICが19店舗と増えつつあり、広島県エリア8店舗、山口県エリア7店舗と、この2地域で活発な出店が続いている。
このように、マックスバリュ西日本は、7エリア、4業態の28パターンでの新規出店戦略を繰り広げており、積極的な成長戦略を、敢えて、この厳しい消費環境の中で実施しており、これが、この第3四半期、増収をもたらした最大の要因である。
一方、利益の方であるが、約20%の減益となったが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.51%(昨年75.48%)と、若干ではあるが、上昇している。ただ、これだけ、価格競争が厳しく、消費環境が悪化している中では、昨年とほぼ変わらず、健闘しているといえよう。結果、売上総利益は24.49%(昨年24.52%)となった。一方、経費の方であるが、24.20%(昨年23.35%)と、経費が0.85ポイント上昇しており、これが減益となった要因といえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.29%(昨年1.17%)と、大きく減少している。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.21%(昨年2.08%)のり、営業利益は2.50%(昨年3.25%)となった。売上は増加したが、残念ながら、経費増が響き、利益をカバーできず、減益となった構図である。
一般的に、積極的な新店開発は一時的には経費増になり、経費を圧迫することになる。これを相殺するには、既存店の売上を引きあげ、固定費を相対的に引き下げることが必要となるが、ここ最近のマックスバリュの既存店の売上は11月度93.4%、10月度94.4%、9月度95.8%と厳しい状況にあり、経費がむしろ上昇気味になっているといえ、利益面では新店の経費増を相殺できず、厳しい状況にあるといえよう。
これを踏まえ、今後の状況であるが、キャッシュフローの投資キャッシュフローを見ると101.35億円(昨年66.24億円)と、積極的な投資を行っており、しかも、103.82億円が新店関連への投資である。マックスバリュ西日本の1店舗当たりの出店にかかわる資産は平均2.65億円であるので、39.1店舗となる。この数字を見る限り、さらに、積極的な新店開発が進んでゆくものと思われる。
このように、マックスバリュ西日本の2010年2月期、第3四半期決算は増収とはなったが、利益が伸び悩み、減収となった。その要因は積極的な新店開発の経費がかさんだ上に、既存店が伸び悩み、相対的に経費が上昇したことが原因といえよう。ただ、このような厳しい経営環境の中でも、敢えて、マックスバリュ西日本は積極的な成長戦略に大きく舵を切り、7エリア、4業態での新店開発を加速させている。ここは利益よりも、市場シェアを重視した経営戦略に打って出たといえ、今後、マックスバリュ西日本がどこまで、この瀬戸内海商圏でシェアを伸ばすか、注目である。
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