日経MJ、新製品売れ筋ランキング2009確定!
1/25、日経MJで2009年、新製品売れ筋ランキングが公表された。これは、通常は、日経MJが毎週金曜日に前週の新製品売れ筋ランキングを公表しているが、その年間版であり、昨年1年間、2009年度の新製品の売れ筋ランキングである。週間版とは若干違い、酒が新たに追加され、化粧品が家庭用品から分離され、冷凍食品が省かれての公表である。また、指標も週間版とは違い、カバー率が年間版であるので省かれ、新たに数量PI値が付け加えられている。さらに、週間版では、ベスト20であるが、年間版ではベスト10となっていることである。
さて、2009年度、No.1の金額PI値を獲得した新製品であるが、その他食品部門の森永乳業、まきばの空1000mlである。2009年3月登場であり、金額PI値1,705円、平均単価160円、そして、PI値10.68個である。日経MJのPI値は1,000人当たりであり、しかも、扱い店舗のみであるので、ほぼ、実際に店舗に導入した時に期待できる数字に近いといえる。PI値にはこの扱い店舗のみの場合と、対象店舗全体の総店の場合とがあるが、総店になると、扱い店舗が多い場合は問題ないが、扱い店舗が少ない場合は、実態とはズレるので、多店舗のPI値を算出する場合には、扱い店舗を重視した方が実態に即した数字となる。
この金額PI値1,705円、PI値10.68個が高いか低いかであるが、極めて高い数字である。一般に金額PI値500円を超えたらAランクといえ、300円でBランク、200円でCランクといってよい。したがって、1,000円を超えたら、超Aランクといえる。また、実際の食品スーパーマーケットでは、売れ行きがどのくらいの感じかというと、通常、食品スーパーマーケットの客数は1日2,000人前後であるが、このまきばの空の場合、金額PI値1.705円、PI値10.68個であるので、1日21.36個平均で売れ、売上金額3,410円となる。食品スーパーマーケットには、商品が1万ぐらいあるが、この水準以上の商品はおそらく200品にも満たないと思うので、超売れ筋といえる。今回は新製品の中で2009年度No.1であったが、全商品の中でも200番以内には入るのではないかと思う。
たまたま、同じ日経MJ、1/25に、「牛乳の需要、二極化鮮明」、「成分調整、健康志向が追い風」、「無調整、値上げで生産縮小」という見出しの記事が載っていた。これを見ると、成分無調整は値上げもあり、今年10.9%の減少予想であり、成分調整は昨年11月度が昨対160.7%となったという。何かバランスがとれない比較だが、記事にはそう書かれている。このように、完全に明暗が分かれているが、このまきばの空は、まさに、その成分調整牛乳であり、価格も160円と成分無調整の牛乳と比べてもお得感があり、まさに、昨年は追い風にのった商品であるといえよう。
ついで、No.2であるが、これもその他食品部門、明治乳業、ブルガリアヨーグルトLB81プレーン450g、金額PI値1,519円である。PI値10.66個、平均単価142円であり、ほぼ、まきばの空に近い数字である。この2品が突出しており、No.3は化粧品部門のマックスファクター、SK-Ⅱフェイシャルトリートメントエッセンス215mlである。金額PI値771円、PI値0.05個、平均単価14,288円である。平均単価が異常に高いが、金額PI値=PI値×平均単価であるので、No.1、No.2のように、PI値が極端に高い商品、No.3のように平均単価が極端に高い商品、双方の金額PI値が高くなるので、このような結果となる。
このベスト3についで、ベスト10までを、高い順に見て見ると、No.4がマックスファクター、SK-Ⅱ、スキンシグネチャー80g、金額PI値755円(PI値0.05個、平均単価14,288円)、No.5日本ミルクコミュニケティ、メグミルク牛乳1000ml、金額PI値726円(3.79個、191円)、No.6明治乳業、プロビオヨーグルトLG21 112g、金額PI値660円(5.55個、119円)、No.7森永乳業、ビヒダスプレーンヨーグルトBB536 450g、金額PI値610円(4.58、133円)、No.8日本コカコーラ、爽健美茶PET2L、金額PI値608円(3.95個、154円)、No.9資生堂、HAKUメラノフォーカスEX45g、金額PI値602円(0.08、7,306円)、そして、No.10味の素冷凍食品、ギョーザ12個252g、金額PI値563円(2.88、195円)となる。
また、ベスト10には入らなかったが、酒部門ではNo.1アサヒビール、オフ350ml×6缶、金額PI値484円(0.75、646円)、No.2キリンビール、フリー350ml、金額PI値475円(3.60、132円)がトップ争いを繰り広げた。アサヒは6缶パック、キリンはバラと熾烈な争いである。菓子部門では、No.1は明治製菓、ミルクチョコレート58g、金額PI値342円(4.07、84円)、No.2カルビー、ポテトチップスうすしお味60g、金額PI値294円(3.24、91円)である。そして、家庭用品部門では、No.1となったのはP&G、アリエールイオンパワージェル詰め替え900g、金額PI値349円(1.32、265円)であった。
このように、2009年度の新製品週間ランキングの年間版が公表されたが、このブログでも週間版については、時々取り上げてきたが、新製品の基準値は金額PI値500円を超えたらA、300円はB、200円はCが正解といえ、金額PI値500円以上の商品は年間10品強であることからも、いかに高い数字であるかがわかる。まずは、200円、そして、300円以上の商品を毎週見つけ出し、自店の品揃えに加えてゆくこがポイントであろう。そして、500円を超えるものがあれば、無条件で導入を検討しても良いパワーのある商品であるといえよう。今年、2010年度もどのような新製品が登場するか楽しみである。
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