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February 03, 2010

家計調査データ、2009年12月度、食品97.4%!

   前回のブログで2009年12月31日、年末商戦の詳細な状況について取り上げた。そこで、今回は、12月全体の消費状況を家計調査データから見てみたい。家計調査データは、毎月月末に前月の結果が公開されるので、現在、2月に入ったが、最新のものは、1/29に公開された2009年12月度のデータである。結果は、全体が10,899.58円(100.3%)となり、1世帯1日当たり、10,000円を超え、しかも、昨年よりもわずかではあるが、プラスとなった。ただ、食品(外食を除く)は2,576.65円(97.4%)と昨年を下回っており、厳しい数字となった。

   家計調査データのこの1年間の数字を追ってみると、12月が必ずしも消費額が極端に高いわけではないことがわかる。実際の数字を見てみると、2009年12月10,899.58円(食品(外食を除く)2,576.65円、その他8,322.93円)、11月9,491.33円(1,986.87円、7,504.46円)、10月9,283.52円(1,963.13円、7,320.39円)、9月9,237.00円(1,970.57円、7,266.43円)、8月9,386.19円(2,065.90円、7320.29円)、7月9,196.06円(1,989.71円、7,206.35円)、6月9,241.23円(1,985.97円、7,255.26円)、5月9,210.65円(1,996.81円、7,213.84円)、4月10,211.33円(1,939.43円、8,271.90円)、3月10,021.94円(1,942.03円、8,079.91円)、2月9,501.57円(1,934.39円、7,567.18円)、1月9,401.29円(1,793.74円、7607.55円)という状況である。

   こう見ると、年間では3回、全体の消費が10,000円を超える月があり、12月、4月、3月である。年間最高は12月の10,899.58円であるが、この12月が極端に高いわけではなく、年末といっても全体の消費が極端に跳ね上がるわけではない。跳ね上がるのは、食品であり、12月2,576.65円と、通常月は約2,000円であるので、その差は大きいといえよう。2番目に高い月が8月の2,065.90円であるので、12月は極端に食品が高い月である。

   そこで、この12月度の食品の状況を、前回のブログでは12/31に焦点を当てて年末商戦を見てみたので、12月全体の食品の状況を特に、昨年の12月度と比べどのような状況であったかを見てみたい。

   まず、全体は先にも見たように、食品(外食を除く)は2,576.65円(97.4%)であったので、昨対を下回った部門を先に見てみる。数字の低い順に見ると、果物126.23円(89.3%)、酒類169.35円(92.5%)、野菜・海藻304.23円(93.1%)、穀類268.16円(96.4%)、魚介類390.71円(96.6%)、油脂・調味料138.87円(99.1%)、飲料131.90円(99.1%)、肉類288.71円(99.5%)、調理食品366.29円(99.6%)という状況である。逆に、昨対を上回ったのは、菓子類280.06円(104.2%)、乳卵類 112.13円(100.0%)の2部門のみである。この12月度がいかに厳しい消費状況であったかがわかる。

   特に青果、鮮魚が厳しい状況であり、消費者物価指数もこの12月度の生鮮食品は下げが顕著であったが、その影響も大きかったといえよう。こう見ると、デフレが消費環境に影響を与え始めたといえ、年間最高の月である12月度の数字が厳しかったことは、今期の食品スーパーマーケットの決算にも響くのではないかと懸念される。

   それにしても、菓子のみ好調であり、280.06円(104.2%)となったが、伸びた項目を見てみると、アイスクリーム・シャーベット14.19円(106.3%)、せんべい21.29円(106.3%)、ようかん3.39円(105.0%)、ビスケット10.84円(104.3%)、スナック菓子11.90円(103.9%)、キャンデー7.10円(103.8%)という状況である。何と、アイスクリームがせんべいと並び、伸び率No.1である。ちなみに、アイスクリームは年末12/31も12月度平均と比べ186.1%と大きく跳ね上がる商品であり、しかも、いま見たように、昨年よりも堅調に伸びており、アイスクリームは、注目の商品といえよう。

   では、この12月度、消費が厳しかった部門、特に、果物126.23円(89.3%)、酒類169.35円(92.5%)、野菜・海藻304.23円(93.1%)を見てみたい。果物では、何といっても、バナナ9.97円(71.2%)が厳しかった。ついで、キウイフルーツ 1.71円(71.6%)、なし2.16円(78.8%)、グレープフルーツ0.45円(82.4%)、みかん39.00円(83.5%)と続く。特に、旬のみかんが80%台に落ち込んだことが大きかったといえよう。

   酒類では、ビール54.84円(84.5%)、発泡酒15.26円(87.4%)の落ち込みが大きい。ただ、他の酒17.13円(105.1%)は、伸びており、より、低価格の第3のビール等にシフトしたといえよう。また、ぶどう酒10.97円(112.2%)、ウイスキー4.68円(106.6%)は金額は小さいが伸びており、好調である。特に、ウイスキーは消費世帯のみの消費額108.02円(94.6%)、消費世帯の割合4.3%(112.8%)と、新たな顧客を獲得しており、ハイボール効果等もあったと思われる。

   そして、野菜・海藻であるが、キャベツ4.16円(67.9%)、干しのり13.97円(78.4%)、わかめ3.13円(78.9%)、はくさい4.45円(79.8%)、だいこん4.61円(79.9%)、ブロッコリー4.65円(80.0%)、レタス4.55円(82.9%)、かんしょ3.26円(83.5%)、ごぼう4.65円(88.9%)、だいこん漬3.23円(88.5%)と、以上が80%台以下の商品であり、厳しい状況である。

   このように、2009年12月度の家計調査データは全体はかろうじてプラスになったが、食品は97.4%と厳しい状況であり、伸びた部門は菓子と乳卵類のみ、その他はすべて昨対を割るという状況であった。特に、主力の生鮮食品が全滅であり、年間最高の売上げとなる12月の消費状況が芳しくなかったことは、今期、決算にも響くことが予想され、2月、3月決算は厳しい結果が予想される。今後、さらに、デフレ傾向は強まることが予想され、食品スーパーマーケット業界としては極めて厳しい局面に入ったといえよう。

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