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February 15, 2010

2009年度、百貨店、スーパーの売上高13年連続減!

   2/12の日経MJに2009年度、1年間の百貨店、スーパーの売上高の詳細が公表された。日本百貨店協会(百貨店)、日本チェーンストア協会(スーパー)の公表数字をもとに、日経MJが独自に集計したものだ。全体の統計数字に加え、日経MJの解説記事が掲載されており、改めて、百貨店、スーパーの現状の厳しさが浮かび上がったといえる。見出しは、「百貨店・スーパー09年売上高13年連続減」、「百貨店10.1%減、実力で増収ゼロ、食品、衣料、雑貨総崩れ」、「スーパー4.3%減、客単価が下落」である。

   そこで、まず、食品スーパーマーケットが数多く含まれているスーパーについて見てみたい。日経MJの記事の解説では、日本チェーンストア協会の公表データをもとに、21年ぶりに、スーパーの売上高が13兆円を割り込み、12兆8,349億円になったという。その最大の要因が既存店の4.3%ダウン、その中身は、衣料品-10.8%と過去最大の落ち込みに加え、食品が3年ぶりに-2.6%となったことが大きかったという。特に、食品は、ここ数年、内食需要に支えられ、堅調であっただけに、ここへ来て、客単価のダウンが売上高を落とした要因であるという。

   実際、ここ最近の食品スーパーマーケット業界の第3四半期の決算発表を見ても減収減益、増収減益となる企業が多く、増収の場合でも既存店が厳しい数字であることが大半である。しかも、既存店の客単価が平均単価ダウンの影響により、下がっているケースが多く見られ、デフレによる価格競争の厳しさが浮き彫りになっているといえよう。

   もう少し、日経MJの公表数字を見てみると、スーパー全体は先にふれたように、衣料品-10.8%、食品-2.6%であったが、日用雑貨も-4.7%であり、さらに、医薬・化粧品-1.6%、家具・インテリア-1.7%、家電製品-15.3%、スポーツ・音楽など-6.3%、サービス-1.3%、その他-6.9%という状況であり、全滅であり、厳しい2009年度であったことがわかる。

   これを主要スーパーで見ると、GMSのイオンリテール-5.5%、イトーヨーカ堂-4.5%、ユニー11.1%、ダイエー-5.1%と、ユニーを除き、いずれも厳しい数字である。ユニーは関連会社を統合しており、その上乗せ分があったものと思われる。そして、食品スーパーマーケットであるが、2009年度プラスになったのは、イズミ4.2%、ベイシア3.8%、カスミ3.0%、サミット2.2%、ライフコーポレーション1.7%、ヨークベニマル0.2%と公表15社の内、6社である。しかも、この数字には新店の数字も入っているため、既存店は厳しかったものと思われる。参考に、12月単独の数字も公表されているが、これを見ると、プラスとなった食品スーパーマーケットは、カスミ1.5%、ベイシア0.8%、イズミ0.4%の3社のみであり、しかも小幅な伸びであり、厳しい状況である。

   一方、2009年度昨対を割った食品スーパーマーケットであるが、平和堂-6.1%、東急ストア-5.2%、イズミヤ-4.3%、コープこうべ-4.3%、フジ-2.8%、いなげや-2.2%、東武ストア-1.1%、マルエツ-0.6%、オークワ-0.5%の9社である。こう見ると、衣料品の構成比が比較的高い食品スーパーマーケットの業績が特に落ち込みが大きいといえ、食品中心の食品スーパーマーケットの業績は比較的堅調であるといえよう。ただ、いずれにせよ、各社既存店は苦戦していると思われ、しかも、12月度は全体の数字も厳しさを増しており、食品スーパーマーケット業界も厳しい経営環境であったといえよう。

   さて、百貨店であるが、日経MJの解説記事によれば、2009年度は-11.9%の6兆5,842億円となり、これは1984年の水準であり、しかも、2桁減は統計を取り始めた1965年以来はじめてのことであるという。これを商品別にみると、主力の婦人服-13.0%、雑貨-11.9%であり、さらに、紳士服・洋品-14.8%、その他衣料品-11.9%、身の回り品-12.7%、家庭用品-11.3%と、軒並み10%を割っており、厳しい状況である。ちなみに、食料品は-4.6%と落ちてはいるが、主要商品と比べると比較的健闘しているといえよう。

   また、これを地域別にみると、東京-11.3%、大阪-10.4%、名古屋-11.3%、仙台-10.8%、神戸-10.4%、札幌-6.9%、広島-9.2%、京都-9.1%、横浜-4.3%、福岡-9.4%という状況であり、主要都市はすべて2桁減となり、商品面から見ても、地域で見ても、日経MJの見出しどおり、総崩れの状況である。ちなみに、主要店舗ではどうかを見てみると、2,000億円以上の店舗では、伊勢丹本店2,256.94億円(-11.3%)、阪急(大阪6店舗合計)2,207.81億円(-6.8%)、三越(恵比寿店、多摩センター含む)2,203.70億円(-14.6%)、近鉄(大阪7店合計)2,009.86億円(-16.9%)と、厳しい状況である。

   このように、2009年度の百貨店、スーパーの売上高は深刻な状況であるがことが改めて浮かび上がったといえよう。百貨店、スーパーを取り巻く消費環境は極めて厳しい状況にあり、それが各社の激しい価格競争を生み、経営を取り巻く環境が急激に悪化している状況が鮮明である。特に、月別の数字を見ると、百貨店は-10%前後で推移しているが、スーパーは前半数%、後半、10月以降-5%を超えるようになり、前半よりも後半から厳しさが増している状況である。当面、この厳しい経営環境は継続するものと予想され、今期決算、少なくとも来期前半は厳しい数字が予想されよう。今期決算を踏まえ、百貨店、スーパー業界が今後、どのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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