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February 19, 2010

九九プラス、2010年3月期、第3四半期、増収増益!

   九九プラスが2010年3月期の第3四半期決算を2/9公表した。結果は営業総収入1,131.07億円(111.16%)、営業利益18.06億円(昨年は赤字)、経常利益18.46億円(昨年は赤字)、当期純利益17.29億円(昨年は赤字)と、黒字転換、増収増益となる好決算となった。特に、今期は、5月にバリューローソン(70店舗)を吸収合併するとともに、12月には100%子会社ではあるが、九九プラス関西を吸収合併しており、経営資源の集中と経営の効率化を進めたことが大きかったといえよう。さらに、新規店舗も74店舗出店しており、閉店は34店舗であるので、新店の効果も大きかった。結果、全店では963店舗となり、売上げが2桁増となった。

    一方、営業利益の方であるが、原価、経費を見てみると、原価は75.42%(昨年76.13%)と、0.71ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。これは、ローソングループのPB、バリューラインの開発を加速化させたとのことで、PBの貢献も大きかったものと思われる。結果、売上総利益は24.58%(昨年23.87%)と粗利が改善している。一方、経費の方であるが、24.89%(昨年25.98%)と、こちらも1.09ポイント削減しており、経費の削減も進んでいる。したがって。原価、経費、双方が下がっており、営業利益をダブルで押し上げた結果となった。

    ただ、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.31%(昨年-2.11%)と大幅に改善したが、わずかに、マイナスである。これに、その他営業収入として、九九プラスの場合は加盟店からの収入、いわゆるFCからのロイヤリティ1.20%(昨年1.09%)と、その他の営業収入0.74%(昨年0.90%)が加わり、結果、営業利益は1.63%(昨年-0.12%)となり、黒字転換、増収となった。

   こう見ると、九九プラスの収益の鍵はFCからのロイヤリティの貢献度が極めて大きいといえ、現時点では営業利益の大半を占めているといえる。したがって、九九プラスの今後のビジネスモデルは、原価、経費を引き下げ収益力を上げる一方、FC化をいかに進め、加速化してゆくかがポイントといえよう。現在、九九プラスのFCは全963店舗の内、138店舗であり、14.33%である。今後、20%、30%、そして、50%を超えるようになると、さらに、収益が増すといえ、昨年7月からスタートした新FCパッケージが鍵を握っているといえよう。この12月現在、この新FCパッケージでの店舗数は44店舗とのことであり、順調に推移しているという。

   さて、この好調な決算を受けて、キャッシュフローの方であるが、営業キャッシュフローが昨年の12.04億円から21.19億円へと大幅に増加している。その最大の要因は当期純利益が-8.28億円から10.12億円へと改善したことである。そして、投資キャッシュフローであるが、-15.40億円(昨年-13.05億円)であり、その主要な投資は有形固定資産の取得、すなわち、新店への投資であり、積極的な投資である。

   ここで、九九プラスの出店にかかわる資産を見てみると、建物及び構築物66.23億円、敷金及び保証金37.12億円であり、合計103.35億円である。全店がFCを除くと825店舗であるので、1店舗当たり0.125億円であり、極めて少ない資産で出店が可能なビジネスといえる。したがって、投資キャッシュフローの有形固定資産と敷金及び保証金の今期の合計17.07億円をこの金額で割ると136.56店舗となり、今後、積極的な新店開発が進んでゆくものと思われる。

   結果、フリーキャッシュフローは5.79億円(昨年-1.01億円)と、逆流から順流となり、キャッシュの動きが格段と改善した。そして、財務キャッシュフローであるが、-19.80億円(昨年-25.76億円)と、フリーキャッシュフローを超え、現金を取り崩している。その大半が長期借入金の返済であり、昨年と今年で合計、43.13億円の返済を行っている。結果、今期、借入金が0となり、無借金経営となった。

   そして、キャッシュフロー、トータルでは-14.01億円(昨年-26.77億円)となり、現金が減少しているが、それでも、54.70億円と総資産279.85億円の19.54%であり、決算公開企業約50社の中ではベスト10に入る現金保有率である。それにしても、この2年間で思い切った財務改善を図っており、ローソンとの資本・業務提携の効果が早くも現れ、確実に経営が好転し始めたといえよう。

   ただ、自己資本比率は45.2%(昨年41.6%)と、昨年よりも改善しているが、まだ50%を割っており、今後、一層、資本の充実、負債の圧縮が課題といえよう。特に、最大の負債は有利子負債が0となったことにより、買掛金105.6億円であり、総資産の37.54%を占めており、これをいかに圧縮するか、ないしは、まだまだ当期純利益は改善の余地があるといえ、純利益を増やし、純資産を引き上げるかが課題といえよう。

   このように、九九プラスの2010年3月期、第3四半期決算は昨年の赤字決算から一転、黒字決算となり、キャッシュフローも改善し、財務面では有利子負債を全額返済し、無借金経営となるなど、財務改善が確実に進んでいるといえよう。特に、原価、経費双方が大きく減少し、営業利益が改善したことに加え、FC化が進み、加盟店からの収益が増加しはじめたことが大きいといえよう。まさに、ローソンとの資本・業務提携の効果といえ、今期も堅調な決算が期待できるものと予想される。九九プラスが今期はもちろん、来期、どこまで経営改革を進めてゆくのか、注目である。

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