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February 17, 2010

Chain Store Age、2/15号、ガムの重点商品について!

   Chain Store Age、2010年、2/15号に今回は監修ではあるが、ガムの特集記事が掲載された。今回の記事の中で、消費動向の分析、最新のガムの重点商品の分析、そして、記事の一部は私が直接分析し、書いたものである。その他の内容に関しては昨年来取り組んでいるチェーンストアエイジのガム売場調査チームがまとめた内容を私の方で監修したものである。今回の記事の内容は、ガムのマーチャンダイジングについて、昨年来取り組んできたベストバランスのまとめと、最新のPOS分析データにもとづく、重点商品の一覧、そして、重点商品をいかにしっかり売り込むかがガムのベストバランスを追求し、売上、利益を上げてゆく上で重要な課題であるかをまとめたものである。

   特に、最近、食品スーパーマーケットでは、記事の中にも消費者物価指数(CPI)のグラフを掲載したが、昨年と比べると明らかなデフレ傾向が鮮明である。特に、7月、8月、9月は昨年対比で見ると底となっており、その後、徐々に回復基調にあるとはいえ、そのもどりが鈍く、当面、デフレ環境が続く様相を呈しているのが現状である。

   したがって、食品スーパーマーケット同士が、顧客を奪い合い、激しい価格競争に突入しており、しかも、中小食品スーパーマーケットだけでなく、イオン、イトーヨーカ堂、西友、ダイエー等のGMSも価格競争に本格参入するという、価格競争が小売業界全体へと波及しているのが実態である。このような価格競争が起きると、当然、平均単価が下がり、PI値がそれ以上に上がらないと、客単価(金額PI値)を落としかねない。さらに、競争の激化は客数にも波及し、客数、客単価(金額PI値)が下がり、特に、既存店が厳しい状況になる。そして、既存店のダウンは固定費が相対的に上昇し、利益を圧迫し、減収、減益を余儀なくされる。事実、ここ最近の食品スーパーマーケット業界の第3四半期決算は増収減益、減収減益決算が多くみられ、その要因が平均単価のダウンに原因があることが多いのが実態である。

   そこで、このようなデフレ時に重要なマーチャンダイジング政策は、平均単価のダウンを食い止めることであり、PI値をさらに引き上げることではない。理想的なマーチャンダイジングは重点商品と平均単価の高い商品とが一致しているケースであるが、そうでない場合は、あえて、平均単価、特に付加価値の高い商品を見つける、ないしは、開発し、その商品を強化することがポイントとなる。

   このような観点で、昨年来、取り組んできたガムのマーチャンダイジング、ベストバランスの仮説検証を振り返ってみた場合、まさに、ガムの重点商品、特に、超重点商品はすべて、ボトルガムであり、付加価値の高い平均単価の高い商品で占められているのが現状である。今回の誌面には、直近の1年間、2009年1月から2009年12月までの超重点商品、重点商品の分析結果を示しているが、まさに、このデフレ環境にぴったりはまる商品が超重点商品として、ピックアップされている。また、重点商品には平均単価が低く、PI値の高い商品も数多くピックアップされており、平均単価、PI値、双方に貢献度の高い商品が絶妙のバランスでピックアップされている。

   この商品の選定基準は昨年同様、客数PI値30%以上、金額PI扱店150円以上を超重点商品、客数PI値30%以上、金額PI扱店150円以下、70円以上を重点商品としてピックアップしている。約500品、述べ客数約2億6千万人のPOSデータであるので、信頼度は高いといえる。したがって、まず、この超重点商品、そして、重点商品、さらには、自店独自の超重点商品、重点商品を加えて、ガムのマーチャンダイジングを再検討すれば、平均単価を落とすことなく、PI値も引き上げ、客単価(金額PI値)を改善することができよう。

   よく誤解されることだが、平均単価を改善するのは、値上げをすることではない。付加価値が高く、結果、平均単価の高い商品を見つけ出し、そのPI値をあげることである。ガムのマーチャンダイジングの第一歩はまさに、この平均単価の高い超重点商品に着目することであり、次に、PI値の高い重点商品に着目することが、ガムのベストバランスを目指す第1歩といえる。ちなみに、今回の記事はガムのベストバランスを追求する上で、最優先課題の重点商品に絞っての内容であるが、ガムのベストバランスには、この他、品揃えの充実、そして、新商品の展開もポイントとなる。POSデータをよく分析し、バランスの良いガム売場を構築して欲しい。

   このように、今回は昨年ほぼ1年間に渡って取り組んできたガムのマーチャンダイジングの最新データによる、特に重点商品の強化にポイントに絞っての記事であるが、ガムに限らず、食品スーパーマーケットのほとんどのカテゴリーは重点商品の強化が最優先課題である。まずは、重点商品をしっかり確立し、その後、品揃え、新商品へと移り、ベストバランスを追求してゆくことがマーチャンダイジングの改善のポイントである。特に、昨今の厳しい経営環境の中では、重点商品の揺らぎは全体への影響が大きく、マーチャンダイジングのバランスを崩しかねない。再度、自店の重点商品を全カテゴリーで見直して欲しいところだ。

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