家計調査データ、2010年1月度、食品99.1%、低調!
2010年、新年度はじめての家計調査データが公表された。結果は外食を抜いた食品が1,778.32円(99.1%)と低調な数字となり、全体は、9,416.71円(100.2%)と微増であった。ちなみに、外食を含めた食料は2,253.26円(100.4%)と微増、これは外食が474.94円(105.4%)と、この1月度は堅調な数字となったためである。外食はマクドナルドのハンバーガーが13.65円(114.9%)と、絶好調であるが、その他も日本そば・うどん13.81円(106.5)、中華そば17.29円(109.2%)、洋食48.03円(116.9%)、和食63.23円(113.2%)、すし(外食)48.39円(107.2%)、他のめん類外食5.48円(111.8%)と、軒並み好調である。
そこで、ここ数ケ月の推移を見てみると、2009年12月(食品2,576.65:97.4%、全体10,899.58円:100.3%)、11月(食品1,986.87円:98.4%、全体9,491.33円:100.0%)、10月(食品1,963.13円:99.0%、全体9,283.52円:98.7%)、9月(食品1,970.57円:99.9%、全体9,237.00円:98.5%)という状況であり、12月の落ち込みは大きかったが、この1月はやや戻した感もあるが、ここ最近、この低調な状況が続いているといえよう。消費者物価指数(CPI)は依然として、マイナスであり、デフレは継続しているといえる中、家計における消費もそれに連動する形で低調な動きであるといえよう。
なお、家計調査データが、この1月度から2点変更が見られる。ひとつは、塩干魚介の干しいわしがカットとなった。昨年の数字は1世帯1日当たり1.32円という消費額の項目であったが、残念である。そして、もう1点はドレッシングである。昨年までは、ドレッシングは調味料の中でマヨネーズ・ドレッシングの項目、マヨネーズと一緒に集計されていたが、この1月から独立、ドレッシングとマヨネーズが分けて集計されることとなった。その初めての実績値を見ると、マヨネーズ・マヨネーズ風調味料3.06円(消費世帯のみ8.99円、消費世帯の割合34.1%)であり、ドレッシング 3.48円(消費世帯のみ12.43円、消費世帯の割合28.0%)という結果である。
マヨネーズよりもドレッシングの方が消費額が高く、その違いは、消費世帯のみの消費額が12.43円と、マヨネーズの8.99円と比べて格段に高く、逆に消費世帯の割合はマヨネーズの方が34.1%とドレッシングの28.0%と比べて高いという特徴がある。これを素直に解釈すると、マヨネーズの方がドレッシングよりも購買層が広いが、ドレッシングの方が購買層はやや狭いが、消費する世帯だけで見た場合は、高い消費額であるということがわかる。ここから、ゾーニング上のポイントは動線に沿ってマヨネーズ、そして、ドレッシングとなるのが自然であろう。また、マヨネーズは絞り込み、ドレッシングは品揃えとメリハリをつけることが課題といえよう。
さて、この1月度の食品全般であるが、全体は先に見たように1,778.32円(99.1%)という状況であるが、伸びた部門もある。菓子類206.29円(102.8%)、 油脂・調味料100.52円(102.5%)、調理食品251.16円(102.4%)、飲料104.90円(102.2%)、乳卵類97.35円(101.5%)である。逆に下がった部門であるが、果物81.29円(93.1%)、酒類92.81円(93.4%)、魚介類212.03円(95.2%)、肉類198.77円(96.7%)、野菜・海藻246.26円(98.9%)、穀類186.94円(99.7%)である。生鮮、酒、米が厳しい状況であり、逆に惣菜、加工食品が伸びているといえ、好対照な結果となった。昨年のこの時期は、内食需要が好調で、生鮮、米、酒等は好調であったが、この1月度は外食も好調であり、全く、逆の方向に動きはじめているといえよう。昨年の1月度比べると、鏡の表と裏のような対照的な結果となった。
ただ、酒に関しては、全体は93.4%と確かに厳しい数字であるが、ウイスキー3.23円(112.4%)、ワイン6.32円(114.0%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料18.00円(136.4%)は絶好調である。特に、消費世帯の割合が109.7%、114.1%、147.2%と拡大しており、新たな顧客を確実に増やしているといえる。逆に、主力の焼ちゅう16.39円(87.6%)、ビール25.16円(84.4%)という状況であり、消費世帯のみの消費額が86.7%、87.7%と激減しており、消費世帯の割合は101.0%、96.3%であるので、他の酒へ移ったわけではなく、消費金額が恐らく、平均単価のダウンによって、大きく減少したのではないかと推測される。
では、全体の中で、このような状況の中で数字を大きく伸ばした項目を見てみると、乾うどん・そば3.29円(132.5%)、オレンジ0.71円(137.5%)、なし0.42円(144.4%)、メロン0.68円(140.0%)、食塩1.45円(132.4%)、うなぎのかば焼き4.06円(137.0%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料18.00円(136.4%)が130%以上である。そして、炭酸飲料7.29円(129.9%)、やきとり4.61円(121.2%)、しゅうまい2.81円(124.3%)、他の野菜のその他4.48円(120.9%)、しじみ1.32円(8.1%)が120%以上である。
このように、昨年の1月度とは全く逆の消費傾向になったといえる。明らかにこの消費傾向はデフレ、すなわち、平均単価のダウンが影響していると思われ、生鮮食品は数量ベースよりも、平均単価のダウンにより、金額面でのダウンが大きく、加工食品、外食は平均単価のダウンが数量、来店回数を増やしていると思われる。まさに、デフレが本格的に家計を直撃しはじめた傾向が鮮明になりつつあるといえよう。来月以降、この動きが加速されるのか、収束に向かうのか、次回、2月度の家計調査データが気になるところである。
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