消費者物価指数、2010年2月期、前月比下落!
消費者物価指数(CPI)の最新集計結果、2010年2月期が3/26、総務省統計局から公表された。この2月期の消費者物価指数は、ここでプラスに反転するか、横ばいか、マイナスかの前月比が注目される月であったといえるが、結果は、いずれの段階でも前月比が横ばい、ないしは、マイナスとなり、反転が見られず、今後、厳しいデフレ局面が続く可能性が高まったといえる。
消費者物価指数には3つの集計があるが、総務省が公表した結果を見ると、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.3となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.2となり、前月と同水準。前年同月比は1.2%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.4となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。」ということである。したがって、前年同月比はいずれも1ポイントを超えるマイナスであり、こう見ると、デフレが一段と鮮明になったといえよう。
今月の消費者物価指数が特に注目された点は、この約2年間の前年同月のグラフを見ると明らかであるが、グラフがきれいなsinカーブとなっており、昨年は半円形に上の動き、ちょうど平成19年10月から上昇しはじめ、平成20年7月頃にピークを迎え、その後伸び率が下がりはじめ、平成21年1月にはマイナスとなった動きである。ここまでの1年3ケ月がプラスの時期であり、上向きにきれいな半円を描いている。
そして、この平成21年以降はマイナスの下への半円形を描きはじめるわけであるが、平成20年10月をピークにマイナス幅が縮まりはじめ、プラスに近づいてゆく。そして、前月の平成21年1月は、本来であれば前月よりもマイナス幅が縮まっても良い動きが見られても良かったが、結果は横ばい、そして、この2月、さらに横ばい、ないしは、逆に動きはじめているとも見てとれ、マイナス幅が縮まらない結果となった。これで、2ケ月連続の横ばいであり、しばらくマイナスが定着するか、さらに、マイナス幅が拡大する可能性も生じ始めたといえる動きである。
この動きを見る限り、本来、この返でマイナスからプラスに近づいても良かったわけであるが、結果は横ばい、ないしは、マイナスであり、sinカーブの変形が見られ、マイナス状況がしばらく続く様相を呈し始めたといえる。したがって、デフレ圧力がここへ来て一段と強く働いている状況であるといえるので、デフレが長期化する可能性も否定できない局面に入ったといえよう。食品スーパーマーケット業界にとっては、その大半が2月が本決算であり、3月以降の新年度の経営方針は、少なくとも、前半はデフレ基調が続くと見て良く、デフレの中でどのような営業戦略、財務戦略を打ち出すかが課題といえよう。
では、10大費目で見た場合、どの費目が物価を押し下げているかを前月比と寄与度で見てみたい。寄与度で見ると、前月比の影響が最も大きかったのは、食料-0.10ポイントである。したがって、この2月期は、まさに、食品スーパーマーケットが最もデフレの影響を受けているといえよう。特に、売上構成比の高い生鮮食品が-0.07ポイント、前月比-1.8%と大きく下落しており、生鮮食品を除く食料は寄与度が0.00ポイントであり、前月比も0.0%と横ばいであり、生鮮食品がその要因であることがわかる。
食料について、寄与度の高い費目は-0.07ポイントの被服及び履物であり、前月比は-1.5%と、これも大きい数字である。したがって、GMS、そして、衣料品業界への影響は大きいといえよう。これについで、寄与度がマイナスとなるのは、家具・家事用品の-0.01ポイント、諸雑費の-0.01ポイントのみであり、この2月は、食品と衣料品が全体のデフレを牽引したといえ、食品スーパーマーケットとGMSを直撃したといえよう。
そこで、食品、特に、生鮮食品の中で前月比-3.0%以上下落した項目を見てみると、いよかん-17.1%、ほうれんそう-15.8%、アスパラガス-12.7%、ブロッコリー-9.5%、レタス-7.2%、あじ -6.7%、グレープフルーツ -6.3%、かき(貝)-5.7%、生しいたけ-5.1%、えのきだけ-4.9%、ほたて貝-4.3%、いわし-4.1%、にんじん -4.0%、いちご-4.0%、キウイフルーツ-3.7%、丸干しいわし-3.4%、かれい-3.3%、しめじ-3.3%、きゅうり -3.1%である。ちなみに、プラスになったものあり、3.0%以上のものは、キャベツ15.2%、ピーマン15.0%、なす14.7%、だいこん10.5%、はくさい10.2%、トマト7.5%、たまねぎ6.9%、鶏卵6.1%、かぼちゃ5.0%である。
このように、この2月度の消費者物価指数は異変が起こりつつあるといえ、物価が上げ止まっており、2ケ月連続で横ばいないしは下げ気味で推移しはじめ、デフレ基調が鮮明となりつつあるといえる。特に、食品スーパーマーケットにとっては、その最大の要因が生鮮食品にあるといえ、経営に深刻な状況を呈しはじめつつあるといえよう。今週から食品スーパーマーケット業界の2月度決算企業の結果の公表がはじまるが、その結果はもちろん、新年度へ向けての各社の経営方針に注目である。
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