売上速報2010年2月、食品スーパーマーケット100.5%!
食品スーパーマーケットの2010年2月度の売上速報を独自に集計した。食品スーパーマーケット業界は約60社が上場しているが、その内、月次の売上速報を公表している企業は20社強である。店舗数では九九プラスの約1,000店舗を加え、3,000店舗弱であり、その売上速報であるので、食品スーパーマーケット業界の現状をそれなりに反映しているといえよう。その結果であるが、全体は100.5%(1月度100.4%)、既存店は95.9%(1月度95.7%)であるので、依然として、厳しい状況が続いているといえる。特に、既存店の数字が厳しく、客数96.3%、客単価99.0%であり、客数の落ち込みが大きい。ただ、客単価に関しても、公表企業はわずかではあるが、PI値100.9%、平均単価98.2%であり、デフレの影響と思われるが、平均単価の落ち込みが大きいといえよう。
既存店に関しては、今回の集計企業約20社の中で、昨対をクリーしたのは、オオゼキの103.5%のみであり、それ以外の食品スーパーマーケットはすべて既存店が昨年の数字を割っている。特に95%以下となった企業が9社と約半分を占め、80%台の企業もあり、既存店の落ち込みが大きく、売上全体が伸び悩んでいるともいえる。食品スーパーマーケットでは既存店の売上が下がると、相対的に固定費が上昇し、結果、経費比率が増し、利益を圧迫することになる。特に、経費比率の高い食品スーパーマーケットはその影響が大きく、今回のようなデフレ環境においては、経費比率の低い食品スーパーマーケットの方が影響を受けにくいといえよう。
さて、今回、好調のオオゼキであるが、全体は109.0%(既存店103.5%)となった。この2月度の集計企業の中ではNo.3に入る数字であり、好調な売上げである。客数108.3%(既存店102.2%)、客単価101.7%(既存店101.6%)と、極めてバランスのよい伸びを示しており、新店による売上げと既存店の底上げのバランスが良い。また、客単価についても、PI値101.7%(既存店101.6%)、平均単価99.0%(既存店99.7%)と、多くの食品スーパーマーケットが平均単価を落とすところ、ほぼ横ばいであり、客単価のバランスも良いといえる。この数字を見る限り、デフレの影響が感じられず、しかも、この2月には、東京都墨田区に新店、菊川店もオープンしており、絶好調といえよう。
では、No.1はどこか、マックスバリュ東海である。売上高116.0%(既存店94.1%)という数字であり、既存店の落ち幅が気になるが、全体はM&A等もあり、極めて高い2桁の伸びである。その気になる既存店であるが、客数96.7%、客単価99.0%であり、客単価よりも客数の落ち込みが大きい。平均単価を見ると、96.7%、PI値は100.7%であるので、価格競争による影響が大きかったのではないかと思われる。そして、No.2であるが、スーパーバリューであり、111.6%と、2桁の伸びである。スーパーバリューは既存店も99.4%健闘しており、食品スーパーマーケット+ホームセンターのバランスがうまくとれているようである。スーパーバリューはここへ来て、新規出店を増やしており、今期オープンが全14店舗の内、4店舗であり、出店ペースが加速しており、この好調な売上は新店によるところが大きいといえる。
さらに、105%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、No.4にバロー108.0%(既存店98.2%)と、バローも新店による売上増である。No.5はマックスバリュ西日本105.9%(既存店94.7%)、No.6はカスミ105.4%、No.7は若干105%を下回るが、ダイイチ104.9%(既存店96.9%)であり、以上7社が105%以上の食品スーパーマーケットである。今回の集計食品スーパーマーケット全体は100.5%と確かに厳しい数字であるが、この7社はその中では好調といえ、売上げを伸ばしている食品スーパーマーケットである。
では、逆に、この2月度、売上げが厳しい結果となった食品スーパーマーケットを見てみると、95%以下となったのは、マルエツ94.4%(既存店94.0%)、アークランドサカモト93.6%(既存店94.3%)、CFSコーポレーション:SM93.6%(既存店93.6%)、 いなげや92.2%(既存店90.3%)、エコス89.9%(既存店92.4%)、Olympic:フード88.9%(既存店89.6%)である。特に、エコス、Olympicのフード部門は80%台と極めて厳しい数字である。また、CFSコーポレーションの食品スーパーマーケット部門、アークランドサカモト、いなげやも92%、93%台であり、厳しい数字である。
ちなみに、これ以外の95%以上、105%以下の食品スーパーマーケットは、ユニバース103.4%(既存店96.0%)、ヤオコー101.9%(既存店98.0%)、九九プラス101.3%(既存店96.1%)、マックスバリュ東北100.4%(既存店99.6%)、イズミ100.0%(96.5%)、マックスバリュ中部99.3%(既存店98.7%)、トーホー98.3%(既存店98.8%)、ヤマザワ96.2%(既存店93.9%)、PLANT95.8%という状況である。
このように、この2月度の食品スーパーマーケットの集計企業の数字は一部の食品スーパーマーケットを除き、厳しい結果であるといえ、デフレの影響が色濃く出た結果といえよう。特に、この2月は80%台の食品スーパーマーケットも2社あり、全体でも既存店の昨対を超えたのはオオゼキ1社のみであり、より、深刻な売上げ不振にあるといえよう。3月以降、多くの食品スーパーマーケットが新年度を迎えるが、各社がどのような売上げ改善の方針を打ち出すか注目したい。
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