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March 26, 2010

コンビニ、売上速報、2010年2月度、-2.0%!

   コンビニの2010年2月度の売上速報が(社)日本フランチャイズチェーン協会から、3/23に公表された。この売上集計は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社、42,919店舗の売上速報であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しているといえよう。その結果であるが、全体は-2.0%、既存店は-4.7%となる、厳しい結果となった。

   全体の売上高は8ケ月連続、既存店は9ケ月連続のマイナスである。taspo効果が切れたことに加え、デフレの影響も出始めているといえ、コンビニ業界もここへきて厳しい局面に入ったといえよう。この9ケ月間の売上高の推移であるが、6月0.9%(既存店-2.3%)、7月-5.0%(既存店-7.5%)、8月-2.9%(既存店-5.5%)、9月-2.9%(既存店-5.6%)、10月-2.8%(既存店-5.5%)、11月-3.6%(既存店-6.3%)、12月-3.0%(既存店-5.5%)、1月-2.7%(既存店-5.3%)、そして、2月-2.0%(既存店-4.7%)という推移である。

   全体の数字は徐々に下げ幅が減っており、回復しているようにも見えるが、既存店を見ると、ほぼ-5%前後で推移しており、新店の効果により、全体の売上げを支えている状況といえよう。実際、この2月度の店舗数は、先の11社の全体の合計店舗数が42,919(昨年42,047店舗)と、率にして2.2%増加しており、その分、全体の売上げが押し上げられているためであることがわかる。ただ、本来は、店舗数が昨年よりも2.2%増加したので、売上高も2.2%増加してもよさそうだが、実際は-2.0%となっている。したがって、売上高=客数×客単価であるので、このどちらか、ないしは、双方に問題があったといえよう。

   そこで、全体の客数、客単価の状況を見てみると、客数0.1%、客単価-2.1%であり、全体の客単価の落ち込みが大きかったことがわかる。ちなみに、既存店は、客数-2.1%、客単価-2.6%であり、客数、客単価ともに落ちている。この2月度は、全体、既存店双方とも、客単価の落ち込みが売上高へ影響を与えており、さらに、既存店は客数の落ち込みも大きかったといえよう。

   では、これを部門別で見ると、この2月度は、どのような状況であるかであるが、集計は日配食品、加工食品、非食品、サービスとなっているが、それぞれの構成比と、この2月度の数字を見ると、日配食品(構成比33.5%、昨対-2.6%)、加工食品(構成品29.5%、昨対-2.8%)、非食品(構成比32.5%、-1.9%)、サービス(構成比4.5%、4.9%)、そして、合計(構成比100.0%、昨対-2.0%)という状況である。

   サービスのみは構成比は低いが、伸び率は堅調であり、よく伸びている。コンビニのサービス分類は、コピー、ファクシミリ、宅配便、商品券、ギフト券、乗車券、各種チケット、テレフォンカード、宝くじ、D.P.E、レンタル、航空券、宿泊券、クリーニング等であり、これらが唯一伸びた部門である。したがって、このサービス部門以外はすべて落ちており、厳しい状況である。

   この内、taspoが色濃く表れるのが、非食品のたばこであるが、数字を見ると、それ以外の日配食品、加工食品の方が下げ率が高く、深刻である。したがって、taspo効果以外の要因が明らかにあるといえ、そおらく、デフレによる価格競争が激しさを増しているので、その分、特に、加工食品には影響がでているといえよう。コンビニはここ最近加工食品、特に、ジュース類などは、定価販売で売っていたが、ここ最近、コンビニの価格も下がっており、価格の影響が大きかったのではないかと想定される。

   また、気になるのはコンビニの重点カテゴリー、ファストフードを含む日配食品も加工食品とほぼ同じ比率で下がっており、特に、売上構成比が最も高いだけに、気になるところである。さらに、日配食品について、過去1年間の数字を見てみると、加工食品が昨年7月度から下がりはじめ、非食品は8月から売上げが下がっているが、日配食品は何と昨年の2月度から売上げが下がっている。コンビンの中で、最も早く昨対を割った部門である。taspo効果は、非食品がたばこを含んでいるだけに、端的に影響が表れるが、8月頃から下がっているところを見ると、8月以降がtaspoの影響が色濃くでたといえるので、それ以前の落ち込みは、taspo効果以外の要因での売上げタウンであり、デフレが強く働いたのではないと思われる。したがって、現在、taspo効果とデフレの影響とのダブルでの数字ダウンの圧力がコンビニに大きな影響を与えているといえ、コンビニは当面、厳しい局面が続くのではないかと思う。
 
   このように、この2月度のコンビニの数字もここ数ケ月間の傾向でもあるが、売上げが低迷しており、しかも、主力のファストフードを含む、日配部門の下げ率も、加工食品同様に下がっており、依然として、厳しい状況にあるといえよう。問題は、どの辺で数字が落ち着き、反転するかであるが、既存店の数字を見る限り、-5%前後である意味安定した下げが維持されており、回復の方向に動くのか、それとも、さらに、下げ幅が拡大するのか、読みにくい状況である。もうしばらく、推移を見てゆくことが必要といえ、次回、3月度、どのような数字となるか、気になるところである。

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