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March 12, 2010

CFS、イオンの連結子会社へ

   3/10、3/11と2日連続、CFSコーポレーションの株価が急上昇した。3/10、521円(前日比+80円、+18.14%、1.4万株)と急上昇し、翌日3/11も、557円 (前日比+36円、+6.90%)となり、特に、この日は、売買高も14.7万株、通常の約10倍となる大商いとなった。小売業約400社の中でも、6位、食品スーパーマーケットではもちろんNo.1の株価上昇率である。その要因はイオンがCFSの51%の過半数の株式を所有し、子会社化することを3/9に公表したためである。ちなみに、3/9のCFSの株価は、441円(前日比-17円、-3.71%、1.0万株)であるので、まさに、この2日間は、異常な株価の動きである。

   すでに、イオンはCFSの株式を2009年2月時点で33.22%保有しており、ほぼ1/3を抑えているが、この保有比率をさらに引き上げ、51%と過半数を所有し、経営権を握ることが、3/9、両社の間で合意された。これまでのゆるやかな連帯を原則としてきたイオンが、ここへ来て、子会社化という強い連携への方針転換ともいえ、今後の他の関連会社への動きが注目される。

   その動きであるが、すでに、イオンよりも、投資家の方が動きはじめており、イオンの関連会社であるダイエーの株価が、CFSと良く似た動きをしている。ダイエーは2009年2月時点でイオンが19.85%株式を所有し、29.28%の株式を保有する筆頭株主の丸紅と共同で経営にあたっているが、この19.85%をイオンが買い増すのではないかと投資家が先読みし、動いたものといえよう。3/9からのダイエーの株価の推移を見てみると、3/9(288円、-1円、-0.34%)、3/10(295円、+7円、+2.43%)、そして、3/11(315円、+20円、+6.77%)となり、しかも商いも107.1万株と100万株を超え、通常の約5倍となった。ただ、ダイエーの場合は、丸紅との関係もあり、すぐにイオンが動くとは思えないが、将来的には、何が起こるかがわからないといえよう。

   ちなみに、イオンの株価であるが、3/9(926円)、3/10(926円)と、この2日間は動きがなかったが、翌日、3/11は961円 (+35円、+3.77%)と上昇しており、市場はイオンの次の動きを探っているような、この数日の株価の動きである。また、その他のイオン関連の食品スーパーマーケットの3/11の株価であるが、ベルク810円(+5円)、カスミ444円(+6円)、マルエツ376円(+5円)等であり、小幅な値動きである。

   さて、では、イオンとCFSコーポレーションがどのような合意をしたのかを見てみたい。まず、株式の所有関係であるが、「両社の協力関係をより密なものとし、相互の経営資源・人財を最大限活用できるよう、イオンはCFSに対する出資比率を51%を目処とする過半数まで引き上げる見込みです。」とのことで、51%という数字を明確にしている。さらに、「CFSの東京証券取引所市場第一部上場の維持を前提として、・・、公開買付けを行う場合には、買付け価格を600 円を目途として協議検討しております。」とのことで、CFSはイオンが51%の株式を所有した後にも上場廃止にはならない予定である。また、公開買い付けの場合は、600円を目途としているので、3/11現在、557円であるので、600円近くまで、上がる可能性もあり、今後の株価の推移に注目といえよう。

   また、CFSの食品スーパーマーケット部門、キミサワであるが、「CFSのスーパーマーケット事業部門は、新たな成長へ向け1年以内を目処にCFSより分離させ、イオンに引き継ぎます。」とのことで、さらに、「「キミサワ」ブランドの復権を目指します。」とうたっており、キミサワの名前は維持されるという。以前、子会社化したコーヨーと同様の方向であるといえよう。

   そして、そもそもの今回の合意内容の最大の目的であるドラックストア関連であるが、「イオンは、新たな提携の下でCFSをH&BC事業分野における中核会社と位置づけ、CFSの強みを活かし、GMSのH&BC売場の活性化を進めるとともにグループ内のH&BC事業の強化を図ってまいります。」とのことで、CFSがイオンのH&BC事業の中核に位置づけられ、さらに、GMSの活性化をも担ってゆくことになるという。また、ドラックストアについては、「ドミナントの深耕、エリア拡大、業界再編への積極的参入などを通じて、成長を加速してまいります。」とのことで、業界再編へも積極的参入とうたったおり、食品スーパーマーケット業界よりも、ドラックストア業界の再編が加速されることになろう。

   このように、イオンが、このCFSコーポレーションとの今回の合意を機に、これまでのゆるやかな連帯から、強い連携へと戦略転換を図ったといえ、特に、ドラックストア業界はイオンを中心にさらに業界再編が加速されることになろう。また、食品スーパーマーケット業界においても、マックスバリュを中核にイオン主導の業界再編が本格化する可能性もあるといえよう。食品スーパーマーケット業界では、イオン以外にも、すでに、ウォルマートが西友を中核に、次のM&Aに動きはじめており、セブン&アイHもヨークベニマルを中核に動きはじめている。また、丸紅、伊藤忠、三菱商事、住友商事もいつM&Aに動いてもおかしくない状況であり、2011年度は、2010年2月、3月期の決算が終了次第、ドラックストア、食品スーパーマーケットの業界再編が本格化する波乱の1年となりそうである。

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