PLANT、2010年9月期、第1四半期決算、減収増益!
PLANTが2010年9月期の第1四半期決算を1/29、公表した。結果は、売上高204.93億円(-2.8%)、営業利益4.14億円(昨年0.1億円)、経常利益3.81億円(昨年は赤字)、当期純利益2.32億円(昨年は赤字)と、減収とはなったが、増益、特に、経常、当期純利益は赤字から黒字へ転換し、構造改革が進み、収益が回復しつつある状況といえよう。PLANT自身も、「利益におきましては、従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」「人時生産性を意識した作業効率の向上」により、・・」とコメントしているように、粗利、経費双方の改善に取り組んだ成果が表れ始めたとの認識である。
そこで、営業利益が大幅に回復した要因を原価、経費の両面から見てみたい。まずは原価であるが、80.36%(昨年81.53%)と、1.17ポイント改善しており、結果、売上総利益は、19.64%(昨年18.47%)と上昇した。粗利の改善が確実に進んでいるといえよう。一方、経費の方であるが、17.61%(昨年18.41%)と、こちらも0.80ポイント下がっており、経費の削減も進んでいる。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力=PLNATの場合は営業利益が2.03%(昨年0.06%)と、大きく改善した。原価、経費、双方を大きく改善しており、ダブルで収益を押し上げた結果といえる。
また、昨年は経常利益が赤字になったが、これは営業外費用として、支払利息、シンジケート手数料ローン等が重く利益にのしかかったが、今期は、支払利息が減少し、シンジケート手数料ローンは0となったため、営業外費用が半減し、経常利益もプラスとなった。ただ、売上高が減少したため、売上高との相乗効果は生み出せなかったが、利益は確実に好転しており、収益力が改善したといえる。
そこで、この利益改善がキャッシュフローにどのような影響を与えたかを見てみたい。まずは、営業キャッシュフローであるが、残念ながら、-4.92億円(昨年3.80億円)と、P/Lとは逆に黒字から赤字となり、マイナスのキャッシュフローとなった。その要因を見ると、当期純利益は昨年の-1.48億円から4.27億円へと大きく増加したが、未払消費税-3.95億円(昨年0.94億円)、法人税等の支払額-5.74億円(昨年-2.52億円)等、税金関連のマイナスが大きかったことに加え、今期は仕入れ債務の増加が2.23億円(昨年9.29億円)と、この差が大きかったことによる。
また、投資キャッシュフローは2.68億円(昨年-3.37億円)と、逆にプラスになっており、投資が十分にできない状況といえる。その中身であるが、定期預金の払い戻しが9.00億円、預け入れが-6.50億円と、プラスになったことが大きい。残念ながら、出店関連への投資はないといえ、黒字転換がキャッシュフローにダイレクトに跳ね返っていないことが、まだまだ、財務的には厳しい局面が続いているといえよう。結果、フリーキャッシュフローは-2.24億円(昨年0.43億円)と、マイナスとなった。
そして、財務キャッシュフローであるが、-11.92億円(昨年19.26億円)と、厳しいキャッシュフローの中、さらに、現金を取崩す結果となった。その中身であるが、長期借入金の返済に-11.92億円当てており、今期は、この返済が最優先のキャッシュフローであったといえる。ただ、営業キャッシュフローから返済へのキャッシュを生み出せなかったことから、昨年、長期として借り入れた資金を取り崩すこととなり、厳しいやりくりであるといえる。結果、トータルのキャッシュフローは-14.17億円(昨年19.68億円)であり、現金が大きく減少している。
そこで、PLANTの有利子負債を見てみてみると、179.01億円(昨年決算時190.94億円)と、減少しており、総資産366.00億円に占める割合は48.90%と、削減してはいるが、まだかなりの割合を占めており、苦しいキャッシュフローの中でも、有利子負債の削減を最優先で取り組まざるをえなかったものと思われる。結果、自己資本比率は若干改善し、18.5%(昨年17.4%)となったが、財務的には厳しい状況が続いているといえよう。
ちなみに、現金は先にキャッシュフローでも見たように、49.51億円(昨年決算時66.18億円)と、16.67億円減少しており、1年内返済予定の長期借入金20.14億円は上回っているが、有利子負債合計179.01億円の1/3、支払手形及び買掛金75.12億円の2/3であり、本来ならキャッシュを確保しておきたいところであろう。
このように、この第1四半期のPLANTの決算は、昨年の赤字決算から黒字決算となり、収益は確実に改善したが、残念ながら、キャッシュフローは当期純利益がプラスになったにも関わらず、マイナスとなり、逆に投資がプラスと、通常のキャッシュの流れとは正反対の流れ、逆流となった。また、財務キャッシュフローにおいても、フリーキャッシュフローのマイナスの中、さらに、返済を優先せざるをえず、現金を取り崩し、マイナスとなった。結果、自己資本比率は若干改善したが、キャッシュ不足は否めず、厳しい財務状況が続いているといえよう。今後、収益は改善しつつあるので、いかに、これをキャッシュフローの改善につなげられるか、次の中間決算に注目したい。
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