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April 01, 2010

キユーピー、2010年11月期、第1四半期、増収増益!

   キユーピーが3/30、2010年11月期の第1四半期決算を公表した。結果は、売上高1,107.20億円(101.6%)、営業利益43.93億円(167.6%)、経常利益44.75億円(165.5%)、当期純利益23.70億円(167.0%)と、売上高は微増であったが、利益が大幅に増加となり、増収増益の好決算となった。小売業の決算、特に、利益が厳しい結果となる中、食品スーパーマーケットの最重点商品、マヨネーズ、調味料を提供するメーカー、キユーピーの第1半期決算が大幅な増益となったことで、対象的な結果といえよう。

   キユーピーの事業構造は、大きく2つに分かれており、ひとつは食品事業(構成比75.4%)であり、もうひとつは、物流事業(構成比24.6%)である。その双方の決算結果の概要であるが、食品事業は売上高835.02億円(97.0%)、営業利益49.47億円(対売上対比5.92%、149.5%)となり、減収増益という結果であり、売上高はやや厳しい結果であった。 一方、物流事業であるが、売上高272.17億円(119.0%)、営業利益5.53億円(対売上対比2.03%、172.8%)となり、大幅な増収増益と、絶好調であった。したがって、全体の売上高に関しては物流事業が押し上げたといえ、営業利益に関しては双方が好調に利益貢献しており、昨年と比べ、利益の改善が鮮明であるといえよう。

   ちなみに、キユーピー自身は、食品事業の利益に関して、「昨年5月に実施したマヨネーズの価格改定の影響を受けたものの、サラダ調味料やヒアルロン酸などの基幹商品の強化を図ったほか、継続してコスト低減に努めたことや主要原料を安定して購入できたことなど、・・」とコメントしており、コスト低減が大きかったようである。また、キユーピーは、さらに、補足資料で、利益が上昇した要因を分析しているが、それを見ると、最大の貢献は基幹商品への集中であり、これが50%ぐらいの貢献度であるという。食品スーパーマーケットでいう、重点商品をしっかり売り込んだことが利益へ大きく貢献したということであろう。ついで、その他既存店品25%、そして、物流システム事業、国内市場の深耕等がわずかな貢献であるという。

   そこで、キユーピーの原価、経費面から、利益構造がどう変化したかを見てみたい。まずは原価であるが、76.04%(昨年77.58%)と、1.54ポイント改善しており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は23.96%(昨年22.42%)と、改善した。一方、経費であるが、19.98%(昨年20.00%)と0.02ポイントとわずかではあるが、減少している。したがって、原価、経費双方の改善が図られ、営業利益を押し上げているといえよう。ただ、経費よりも、原価改善効果が大きく、小売業の末端価格が厳しい中、原価の改善ができたことが増益の最大の要因といえよう。

   結果、差し引き、営業利益は3.98%(昨年2.42%)となり、大幅な増益となった。こう見ると、食品スーパーマーケットの営業構造とよく似ており、数字だけ見ていると、ややディカウント志向の食品スーパーマーケットによく似た数字といえる。それにしても、このデフレ環境で小売業の価格が下がる中、しかも、小売業の重点商品であるマヨネーズを主力とするメーカー、キユーピーの原価の改善が大きく図られたことは驚きである。先にも、キユーピーのコメントのところでも引用したが、「主要原料を安定して購入できた」ということが、原価低減につながったのではないかと思う。

   さて、キユーピーの財務面であるが、自己資本比率は53.6%(昨年53.8%)と、ほぼ昨年と同様の数字である。したがって、約50%弱が負債であるが、その中身を見ると、有利子負債は259.68億円(決算時247.81億円)と、約10億円強増加しているが、総資産2,795.85に占める割合は9.28%であり、ほぼ、資産の現金224.00億円と同じであり、財務的な負担は小さいといえよう。これ以外では支払手形及び買掛金が424.01億円と、総資産の15.16%であり、最も大きい負債項目である。

   一方、資産面に目を転じると、メーカーであるので、工場、物流センターなどの土地、建物等の有形固定資産が1,159.96億円と総資産の41.48%であり、自己資本比率53.6%の範囲内で十分に相殺可能な比率であり、食品スーパーマーケットでいえば、出店余力十分といえる財務状況といえよう。ちなみに、商品、原料関連であるが、158.28億円と、総資産の5.66%である。こう見ると、財務面でも、数字だけ見ると、食品スーパーマーケットの財務構造と良く似ており、店舗の代わりに工場を、商品、原料関連の代わりに在庫を入れてみると、優良食品スーパーマーケットの財務状況に良く似ている数字である。

   このように、2011年11月期の第1四半期のキユーピーの決算は増収増益、特に、原価が下がり、利益が大きく改善され、好決算となった。キユーピーの主力商品マヨネーズ、ドレッシングを扱う食品スーパーマーケットの決算が厳しい価格競争により、利益を落としている中、対照的な決算結果、しかも、原価の改善が進んでの好決算である。これを受けて、通期予想は売上高4,830.00億円(106.8%)、営業利益193.00億円(108.8%)、経常利益193.00億円(104.8%)、当期純利益97.00億円(107.3%)と、堅調な増収増益予想であり、今後、ますます、デフレの深刻化が予想される中ではあるが、キユーピーは好調な経営が期待できそうである。

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April 1, 2010 in 経済・政治・国際 |

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