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April 08, 2010

オークワ、2010年2月期決算、増収減益!

   オークワが4/5、2010年2月期の決算を公表した。結果は営業収益2,895.23億円(4.7%)、営業利益58.41億円(-23.2%)、経常利益59.68億円(-22.2%)、当期純利益23.59億円(-43.8%)と、増収減益となる厳しい決算となった。特に、当期純利益については、「棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)の適用に伴う期首在庫にかかる変更差額11億95百万円を特別損失に計上したことにより、・・」とのことで、大きく減益となった。また、個別については、営業収益2,506.77億円(-2.0%)、営業利益63.93億円(-18.0%)、経常利益64.85億円(-18.3%)、当期純利益31.34億円(-31.1%)と、減収減益と、さらに、厳しい結果となり、食品スーパーマーケット業界における経営環境の厳しさが反映された決算となったといえよう。

   オークワ自身も、「小売業の低価格競争が激化した影響を受け、買上点数は増加したものの、客数、客単価が前年を下回りました。これにより、既存店の直営売上高は前期比95.6%となり、・・」と、コメントしているように、既存店が厳しい数字となったことが、その原因であるとの認識である。一般に、既存店の数字が落ち込むと、相対的に固定費が上がり、経費比率が上昇し、経営を圧迫するが、オークワにおいては、何が減益要因となったのかを、原価、経費面から見てみたい。

   まず、原価であるが、74.97%(昨年74.81%)と0.16ポイント上昇が見られる。オークワは原価を下げるために、「低価格・良品質商品として開発している「くらしモア」商品や、「オーエコノミー」・「オークオリティ」の自社プライベートブランド商品並びに自社食品工場商品の販売拡大、・・」と強力な原価低減へ向けての対策を打っているが、それでも、原価が上昇しており、それだけ、今期の価格競争が激しかったといえよう。結果、売上総利益は25.03%(昨年25.19%)となり、若干の減少となった。一方、経費の方であるが、26.55%(昨年25.96%)と、0.59ポイント上昇しており、経費の方も上昇が見られる。したがって、原価、経費、双方が上昇し、利益を圧迫している状況である。結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、-1.52%(昨年-0.77%)と、マイナス幅が広がり、厳しい結果となった。

   そして、これに、不動産収入、その他営業収入が加わるが、その数字は不動産収入1.71%(昨年1.69%)、その他の営業収入1.91%(昨年1.93%)となり、結果、営業利益が2.10%(昨年2.85%)となり、減益となった。こう見ると、原価、経費の上昇、特に経費の上昇が減益に響いているといえ、既存店の売上低迷が、その要因といえよう。

   これに対して、今期のオークワの財務状況であるが、昨年と比べ、大きな変化がなく、極めて静かな動きである。自己資本比率は56.4%(昨年55.9%)、総資産1,351.49億円(昨年1,347.39億円)、純資産762.13億円(昨年752.90億円)と大きな変化がない。また、有利子負債も、242.92億円(昨年255.54億円)であり、総資産対比は17.97%(昨年18.96%)と、減少しており、これらの数字を見る限り、財務的な大きな変化はなく、昨年同様の安定した財務状況といえよう。

   ただ、キャッシュフローを見ると、減益となったことにより、アクティブな動きが見られる。営業キャッシュフローは123.02億円(昨年76.26億円)と、逆に増加している。これは、当期純利益が約30億円減少しているにも関わらず、今期はたな卸資産が昨年より19.06億円の増加、仕入債務が昨年と比べ18.22億円の増加、未払消費税等が昨年より9.50億円プラスになったことなどにより、営業キャッシュフローが減益であるにもかかわらず、増加したといえる。ただ、この増加分をそっくり投資キャッシュフローに回すことはできず、投資キャッシュフローを見ると、59.18億円(昨年152.54億円)と大きく激減している。これは新規出店関連の固定資産の取得による支出が70.84億円(昨年137.71億円)と半減したためである。そして、財務キャッシュフローであるが、-35.22億円(昨年36.60億円)と、昨年とは対照的なキャッシュの動きである。昨年は長短借入金を86.74億円調達しているが、今期は20.26億円返済している。結果、トータル、28.62億円(昨年-39.6億円)と、結果も対照的なキャッッシュとなった。

   こう見ると、貸借対照表を見る限りでは、大きな変化はなく、静かな動きのように見えるが、キャッシュフローは激しく動いており、静と動が混在した財務状況といえよう。少し気になるのは、新規出店関連の固定資産の取得が昨年よりも半減していることである。昨年は、有利子負債を調達してまで、意欲的な投資を実施したが、今期は、有利子負債への返済を優先し、投資を控えた財務戦略である。ただ、ここ数年のオークワの投資キャッシュフローを見ると、昨年が極めて積極的な投資であったといえ、通常の投資に戻ったともとれる。

   このように、2010年2月期のオークワの決算は連結が増収減益、個別は減収減益となる厳しい決算となり、原価、経費双方の上昇が見られ、厳しい経営環境であったことがわかる。ただ、財務は安定しており、有利子負債も返済が進んでいる。新年度も当面、経営環境は厳しい状況が続くと思われるが、今後、オークワがどのように、原価、経費改善に向けて対策を打ち出すか注目である。

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April 8, 2010 in 経済・政治・国際 |

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