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April 09, 2010

イズミヤ、2010年2月期決算、減収減益!

   イズミヤが4/6、2010年2月期決算を公表した。結果は営業収益3,685.91億円(-3.3%)、営業利益21.69億円(-59.4%)、経常利益9.33億円(-77.7%)、当期純利益-70.05億円と、減収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。イズミヤ自身も、「小売業各社は、消費者の変化に対応すべく、低価格商品へのシフトや、PB商品の投入などを積極的に行い、低価格競争が激化し、・・」と、市場環境の厳しさを指摘しているが、その影響が大きかったものといえよう。

   各部門別に、客数、客単価の今期の既存店の状況を見てみると、衣料品(92.3%、95.4%)、食料品(97.8%、97.4%)、住関連品(97.7%、98.0%)、全体(97.1%、96.9%)という状況であり、特に、衣料品の客数、客単価双方の落ち込みが大きい。また、それぞれの構成比を見ると、衣料品15.8%、食料品60.1%、住関連品20.4%であり、中核の食料品も客数、客単価ともにダウンしており、厳しい結果となった。

   イズミヤの今期の新規出店は昨年10月に南住吉店(大阪府)と井高店(大阪府)をオープンしているが、今年に入り、大寺店(奈良県)、神戸ポートアイランド(兵庫県)を閉店しており、店舗数は期末では昨年同様87店舗であり、新店による売上増が十分に見込めなかったことも影響しているといえよう。特に、大寺店はGMS、神戸ポートアイランド店はスーパーセンターであり、売上規模が大きいだけに、来期への影響も懸念される。

   一方、利益の方であるが、営業利益が-59.4%と大きく激減したが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、70.73%(昨年70.20%)と0.53ポイント上昇しており、低価格競争の激しさを反映しているといえよう。イズミヤも「プライベート・ブランド「good-i」も含めた開発商品の売上高は313億円(前年同期比99.4%)となり、当社の売上高に占める構成比は10.9%(前年構成比10.5%)、・・」と、PBの強化に努め、今期はさらに、「消費者の節約志向への対応と原価削減を図るため、平成21年8月よりイズミヤ㈱、ユニー㈱、㈱フジと3社で共同開発した新ブランド「Style ONE」を発売、・・」と、まさに、原価削減を目指したPBを新たに投入している。が、原価がむしろ上昇するという結果であり、それだけ、価格競争が厳しいということであろう。

   結果、売上総利益は29.27%(昨年29.80%)となった。これに対し、経費の方であるが、31.45%(昨年31.16%)と、経費の方も0.29ポイント上昇しており、原価、経費双方が上昇するという、ダブルで利益を圧迫する結果となった。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-2.18%(昨年-1.36%)と、大きくマイナスとなった。これに、不動産収入等のその他営業収入が2.79%(昨年2.81%)のり、結果、営業利益は061%(昨年1.45%)となり、減益となった。

   それにしても、経営環境が極めて厳しい環境に入ったといえよう。食品スーパーマーケットが収益をあげてゆくには原価、経費の改善はもちろんであるが、既存店の落ち込みが大きいと、固定費が経費増に直結するため、経営へのインパクトが大きくなるが、まさに、今期、イズミヤは既存店の不振が経営に直接影響しているといえよう。

   これに対して、今期の財務状況であるが、当期純利益が-70.05億円となったが、これは、「当期純損失は、特別損失として今後の利益改善に向けた抜本的な費用構造改革のための赤字店舗閉鎖損失として36億10百万円、固定資産の減損損失として28億37百万円、たな卸資産評価損15億60百万円など、当連結会計年度に93億17百万円を計上したことにより79億71百万円の減益となりました。」と、のことで、特別損失が大きかったことによる。したがって、営業キャッシュフローは、当期純利益は-79.43億円のマイナスとなったが、これらの特損分はキャッシュフロー上はプラスとなるため、結果、72.29億円(昨年138.78億円)と、昨年と比べ減少はしているが、プラスとなった。

   したがって、投資キャッシュフローは-35.52億円(昨年-27.21億円)と昨年以上の投資を実施しており、新店にかかわる有形固定資産の取得は40.42億円(昨年34.81億円)と増加している。結果フリーキャッシュフローは36.77億円(昨年111.57億円)と昨年よりは大きく減少したが、プラスとなった。ここから財務キャッシュフロー-30.84億円(昨年-100.49億円)、特に、-22.55億円と有利子負債を返済しており、結果、トータル5.92億円(昨年11.06億円)と、キャッシュフロー上はバランスがとれている。ただ、キャッシュそのものが、マーチャンダイジング力の低下により減少しているのは事実であり、今後、いかに、マーチャンダイジング力を強化し、キャッシュを増加させるかが急務といえよう。

   このように、イズミヤの2010年2月期の決算は減収減益、当期純利益は赤字という極めて厳しい結果となった。特に、既存店の減少が響き、原価、経費ともに上昇するというダブルでの収益の圧迫であり、今後、当面、デフレ環境は厳しさを増し、価格競争の激化が予想される中、イズミヤが既存店の活性化にどのように取り組んでゆくのか注目したい。

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