アークス、2010年2月期決算、増収増益、200店舗へ!
アークスが4/13、2010年2月期の決算を公表した。結果は、売上高2,707.22億円(6.6%)、営業利益88.40億円(3.0%)、経常利益95.61億円(1.9%)、当期純利益50.49億円(1.5%)となり、増収増益、堅調な決算となった。特に、今期は、「平成21年10月30日付けで東京急行電鉄㈱及び㈱東急ストアより㈱札幌東急ストア(本社:札幌市)の全株式を取得し連結子会社といたしました。・・」とのことで、28店舗増加したことが大きいといえよう。結果、アークスの総店舗数は200店舗となった。また、来期は年商3,000億円が視野に入ってきており、通期目標は3,070.00億円(13.4%)の予想である。
ちなみに、今期のアークスの新店であるが、「平成21年3月に「フクハラ別海店」(運営会社㈱福原)、同年4月に「スーパーアークス長都店」(同㈱ラルズ)に加え、同年11月に「スーパーアークス伊達店」(同㈱ラルズ)の3店舗、・・」とのことで、新店は3店舗である。また、改装については、「平成3月に「ふじ新富店」(同㈱ふじ)、また、同年6月には「ビッグハウス里塚店」(同㈱ラルズ)を業態変更のうえ改装オープンしたほか、同年10月に「フクハラ西12条店」(同㈱福原)の移転新築オープンを行い、・・」とのことで、改装は3店舗である。
では、営業利益が増益になった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、77.21%(昨年77.24%)と、原価が下がっている。アークス自身も、「当社グループは強まる低価格志向に対応するため、ビッグハウスを中心に低価格業態に更なる磨きをかけ、「革命的な価格」の実現に向けた取り組みを強化するとともに、・・」と、低価格を強く打ち出したにも関わらず、原価が下がり、原価の改善が進んだ。結果、売上総利益は、22.79%(昨年22.76%)となり、粗利率が若干ではあるが改善した。
一方、経費の方であるが、19.52%(昨年19.38%)と、0.14ポイント上昇しており、経費の上昇が見られる。その中身をみると、人件費関連は8.27%(昨年8.50%)と下がっているが、ポイント引当金繰入額0.74%(昨年0.50%)、と0.24ポイントの上昇が見られる。これは、今期、アークスは「グループ統一カードの外部企業との連携拡大によるカード機能の拡充と利便性向上を図るなど、顧客サービスの充実にも取り組んでまいりました。・・」とのことで、ポイントカードの強化を図ったためである。
ただ、経費比率が上場したとはいえ、19%台であり、食品スーパーマーケットとしては極めて低い経費比率である。ちなみに、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中で、昨年度の決算で20%を切る経費比率の企業は、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%、PLANT181%、オオゼキ18.2%、マルキョウ18.5%、マルミヤストア18.8%、スーパーバリュー18.8%、アークス19.4%、タイヨー19.8%の11社である。
結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は3.27%(昨年3.38%)となり、若干であるが、昨対を下回った。アークスは、その他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となる。率では昨年を下回ったが、高では、売上高が106.6%と伸びているため、増益となった。気になるのは高での増益に対し、経費比率が上昇したため、率では減益となったことである。経費の上昇が響いたといえ、ポイントカードの引当金はさらに上がる可能性があり、どこで、その上昇を相殺するかが課題といえよう。一般論としては、ポイントカードの引当金は変動費であるので、固定費を既存店の売上増で相殺することであろう。したがって、ポイントカードの強化と同時に、確実に既存店の売上高アップに結び付ける必要があり、より、一層の効果的なポイントカードの活用が課題といえよう。
これに対し、財務面を見ると、自己資本比率は52.5%(昨年59.8%)と、下がっており、気になるところだ。総資産1,203.51億円(昨対112.1%)、純資産631.34億円(昨対106.1%)であるので、純資産よりも、総資産が増加したことが、その要因である。これは、「㈱東光ストアを連結子会社化したことなどにより、前期末と比較して総資産が210.3億円増加し、・・」、同時に、「負債は173.22億円増加し572.16億円となり、・・」とのことであり、東光ストアの連結が大きかったとのことである。実際、有利子負債は、207.76億円(昨年112.40億円)であり、総資産の17.26%となり、やや、重くなっているといえる。
このように、アークスの2010年2月期の決算は増収増益とはなったが、東光ストア(前、札幌東急ストア)の連結によるところが大きいといえる。これで、200店舗を超え、来期3,000億円達成が射程圏内に入ったといえ、営業面ではプラスの貢献であるといえよう。ただ、財務面では、資産、負債双方が増加し、特に、自己資本比率が7.3ポイント下がっており、財務をやや圧迫している。その意味で、今後、マーチャンダイジング力をさらに高め、キャッシュを増やし、財務の改善につなげることが課題といえよう。来期、アークスが年商3,000億円突破に向け、どのような営業戦略を打ち出すか、注目である。
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