家計調査データ、2010年2月度、食品97.0%!
家計調査データの最新、2010年2月度が総務省統計局から3/30、公表された。現在、4月に入っているが、家計調査データは1ケ月遅れで最新の数字が公表されるので、最新はこの2月度の数字である。デフレが進行する中、その数字が注目されていたが、結果は、食品1,914.82円(97.0%)と、厳しい結果となった。1月度1,778.32円(99.1%)、昨年12月度2,576.65円(97.4%)、11月度1,986.87円(98.4%)、10月度1,963.13円(99.0%)であるので、ここ数ケ月間では最も低い伸び率であり、デフレの影響が大きいといえよう。
本ブログでは家計調査データの食品の数字は食品スーパーマーケットの客単価と非価格しやすいように、月間を1日当たりに直して、集計している。また、家計調査データでは食品は食料として、外食もいっしょに集計されているので、外食を外し、純粋に食品スーパーマーケットの取扱い商品と同じ項目で集計している。したがって、この食品97.0%は外食を抜いた数字である。ちなみに、外食は409.90円(99.5%)と、ほぼ昨年並みの数字を確保しており、これを加えた食料は2,373.03円(99.1%)と、食品よりも高い数字となる。外食が比較的堅調であった要因はハンバーガーが12.03円(131.3%)と絶好調であり、外食全体を牽引したためである。まさに、マクドナルド効果といえよう。
さて、デフレの影響が色濃く出ている食品の状況であるが、家計調査データは大分類が11部門あるが、その内、昨対を超えたのはわずか3部門のみであった。乳卵類108.36円(101.0%)、野菜・海藻271.29円(100.4%)、調理食品261.43円(100.9%)である。いずれも、わずかな伸びにとどまっており、この2月度は極めて厳しい消費環境であったことがわかる。ただ、大きく下がっている部門はなく、いずれも、微減であり、全体的に消費が低迷しているという状況である。参考に、残り、8つの部門の結果であるが、穀類208.86円(97.2%)、魚介類220.50円(98.7%)、肉類207.00円(97.1%)、果物90.82円(99.1%)、油脂・調味料106.93円(97.9%)、菓子類228.14円(99.4%)、飲料109.00円(98.9%)、酒類102.50円(97.1%)である。
では、比較的好調な部門であった乳卵類、野菜・海藻、調理食品の中で特に伸び率の良かった項目を見てみると、乳卵類では、チーズ11.79円(106.8%)、消費世帯のみ21.19円(95.1%)、消費世帯のみの割合55.6%(112.2%)、バター2.89円(105.2%)、14.96円(96.1%)、19.3%(109.5%)が堅調な伸びである。いずれも、消費世帯の割合が大きく伸びており、チーズ、バターの購入顧客が増加しているといえる。特に、チーズは、消費者物価指数(CPI)が昨年対比で-5.7%と下がっていることが大きいといえよう。
野菜・海藻では、たまねぎ9.79円(125.7%)、13.29円(125.5%)、73.7%(100.1%)、ねぎ8.86円(110.2%)、12.88円(110.4%)、68.8%(99.9%)が絶好調である。チーズ、バターと違い、消費世帯の消費額が大きく伸びており、好対照な結果である。そして、調理食品であるが、うなぎのかば焼き4.36円(120.8%)、47.57円(103.1%)、9.2%(117.1%)、調理パン10.11円(111.0%)、26.91円(101.5%)、37.6%(109.3%)と、この2項目が特に好調である。チーズ、バター同様、消費世帯の割合が伸びており、特にうなぎのかば焼きは、昨年の中国製品問題の反動ともいえよう。ちなみに、ぎょうざ、しゅういまいであるが、ぎょうざ6.18円(109.5%)、16.74円(105.3%)、36.9%(103.9%)、しゅうまい2.82円(109.7%)、12.98円(102.4%)、21.7%(107.1%)と、いずれも好調な消費である。
一方、消費が伸び悩んだ部門をいくつか見てみたい。果物であるが、バナナ11.39円(73.2%)、17.35円(80.5%)、65.7%(90.9%)と、バナナブームも終わり、消費が激減しており、消費世帯のみの消費、その割合、双方が下がっており、厳しい状況である。酒では、最も消費額が大きいビールが26.79円(91.2%)、106.97円(90.9%)、25.0%(100.4%)と、激減しており、特に消費世帯のみの消費が伸び悩んだのが原因である。一方、発泡酒・ビール風アルコール飲料は21.79円(152.9%)、104.14円(107.7%)、20.9%(141.9%)と絶好調である。ビールの消費世帯の割合は減っていないので、ビールから流れたというよりは、新たな顧客を獲得したのではないかと思われる。
ちなみに、ウイスキーは3.39円(90.5%)、89.52円(76.9%)、3.8%(117.7%)という状況であり、消費世帯の割合は、ハイボールブームでもあり、順調に増えているが、消費世帯の消費は価格が下がっているのではないかと思われ、下がっており、結果、全体の消費額は下がった。ただ、関連商品として、炭酸飲料が7.43円(122.4%)、22.25円(113.6%)、33.4%(107.7%)と、絶好調である。飲料全体は109.00円(98.9%)と伸び悩んでいるので、まさに、ハイボール効果といえよう。
このように、デフレの影響が懸念された2010年2月度の家計の消費状況であるが、予想通り、この数ケ月の中でも厳しい結果であり、デフレが進んでいるといえよう。この2月度は消費者物価指数も鈍い動きであることから、デフレは当面、続く可能性が高く、食品スーパーマーケットにとっては、この2月、3月が決算期であり、決算への影響も懸念される。次回、3月、消費が上向くのは難しいといえ、食品スーパーマーケット業界としては、この家計調査データの数字を参考に、このデフレの中で、何を伸ばしてゆくか、しっかり重点項目を決めて取り組むことが課題といえよう。
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