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April 18, 2010

ザクリッチ販売休止、日経MJ新製品週間ランキング!

   日経MJ、4/16で異変が起こっている。冷凍食品部門のNo.1、ロッテアイスのザクリッチが金額PI値、先週比159円アップの500円を超えるAランク、570円となり、冷凍食品部門としては、断トツのトップ、異常値となった。No.2が味の素、こだわり三元豚のとんかつ240gであり、金額PI値が275円であるので、いかに、570円という数字が高いかがわかる。しかも、今週登場の全新製品の中でも、この570円はNo.1であり、明らかに異常値である。今週登場の新製品の中でNo.2は飲料部門のヤクルト本社、ミルミル100ml×3本であり、金額PI値は563円であるので、それを抜く高い数字であり、アイスクリームがここまで、高い金額PI値をたたき出すことはめったにない快挙といえよう。

   ただ、残念なことに、ザクリッチのホームページを見ると、「2010年3月29日より発売しております弊社製品「ザクリッチ」は発売以来、皆様に大変ご好評をいただいておりますが、当初の販売計画を大きく上回っており、供給が間に合わない状況となりました。・・」とのことで、一時販売を休止するとのことであり、再開までにしばらく時間がかかるとのことである。それにしても、アイスクリームがこれだけ金額PI値が上がるのはめったにないことであり、カバー率も83.6%という、3/29発売としては異例の高さであり、バイヤーも注目の商品であったといえよう。

   ちなみに、PI値を逆算してみると、平均単価が86円であるので、金額PI値=PI値×平均単価から、PI値=金額PI値÷平均単価=(570円/1,000人)÷87円=0.65%という数字である。2,000人/日クラスの標準的な食品スーパーマーケットで、2,000人×0.65%=13個となり、週間91個、約100個近く売れる商品である。生鮮食品、日配食品なみに動く商品といえ、グロサリー、特に、冷凍食品としては、異常な売れ行きであるといえる。ちょうど、冷凍食品部門No.6となったハーゲンダッツジャパン、ドルチェ110mのPI値を逆算すると、金額PI値(113円/1,000人)÷平均単価266円=0.042%であり、2,000人/日クラスの食品スーパーマーケットで1日0.84個、週間5.88個であるので、そのPI値の高さがいかに異常値であるかがわかるといえよう。

   今週は何と言っても、このザクリッチが注目の新製品であるが、その他食品ではまた違う意味で注目の動きがある。No.1、No.2にハウス食品、ハウスバーモンドカレーが定着したことである。No.1はハウスバーモンドカレー<中辛>238g、金額PI値431円、No.2は<甘口>、金額PI値362円である。また、No.3にはいま大ブームともいえる、エスビー食品、ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛110gが金額PI値260円で入り、先週同様の順位となり、ベスト3が定着しつつあるといえる。

   特に、ラー油は大ブームであるが、先のザクリッチの570円と比べると、約半分の260円であるので、改めて、金額PI値が500円を超えることがすごいかがわかる。ただ、気になるのは、ハウスバ―モンドカレーの<辛口>であり、ランキング外となったことである。リニューアル当初はランキングに乗ってきていたが、現在はNo.20の金額PI値が154円であるので、それよりも低い数字であると推測され、残念である。ここで、単純に金額PI値が低いので、カレーは主力の中辛と甘口のみで、辛口をカットという選択になりがちとなる。

   実際、食品スーパーマーケットの売場を見ると、中辛、甘口のみとなり、辛口をカットする売場も見られるが、商品販売面から見ると正解ではあるが、顧客から見ると、慎重に見る必要がある。特に、ここ最近ではID-POS分析が普及しはじめ、そのデータをつぶさに見てゆくと、確かに、金額PI値では、低い数字となるが、ID金額PI値でみると、特に、ロイヤルカスタマーが辛口を好んで購入している場合もあり、単純にカットすると、商品カットが顧客カットとなりかねないので、慎重に見極める必要がある。

   商品には2つの売上げが存在する。ひとつは文字通り商品の単純売上げであるが、もうひとつは、その商品がもっている顧客の売上げである。これは、商品が特定顧客を強力に引きつけ、場合によっては、来店動機を形成するぐらいの力をはっきする商品があり、その顧客が特にロイヤルカスタマーを引きつける商品である場合には、商品カット=ロイヤルカスタマーのカットとなりかねない場合もある。これが、商品のもつ固有の魅力であるといえるが、その意味でも、商品のカットは慎重に見極めることが必要といえよう。

   このように、今週の日経MJはまさに、新商品のヒットが生まれつつある状況を数字でも検証できるという稀な週となった。ザクリッチとおかずラー油である。また、定番中の定番ともいえるハウスバーモンドカレーの動向も気になるところである。ザクリッチはしばらくしてからの再登場となると思うが、おかずラー油は3/23初登場でカバー率も70.0%となり、6月頃までは日経MJでその動向が確認できるので、その推移を注意深く見守りたいところである。恐らく、ザクリッチも数週間で再登場となると思うので、その後の数字もどう動くか気になるところである。今後、しばらくは、日経MJの動きに注目といえよう。

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