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May 28, 2010

らでぃっしゅぼーやの2010年2月期決算を見る!

   日経ヴェリタスの「今どきIPO企業家たち」のコーナーで、らでぃっしゅぼーやの緒方大助社長が取り上げられた。テーマは「有機野菜届け農業全体を変えたい」であり、興味深い内容である。記事の前半はらでぃっしゅぼーやのおいたちが緒方社長のインタビューを交えて語られていているが、そもそも発祥がNPOから始まっていたとのことでびっくりである。「日本リサイクル運動市民の会」が母体である。その後、2000年に青汁のキューサイが買収し、この時、らでぃっしゅぼーやの資産査定(デューデリジェンス)にかかわったのが、キューサイに在籍していた現在の緒方社長だという。

   緒方社長は当時、キューサイの社長に直訴し、らでぃっしゅぼーやへの移籍を訴えたという。その結果、社長として移籍することになり、次々と大改革を実施してゆくことなる。まず、はじめに実施したのが、コンピュータシステムの導入であり、物流体制の整備であるという。そして、次が意識改革、特に、利益の追求を社内に強く訴えたという。その一環が株式公開であったとのことである。らでぃっしゅぼーやを上場させ、自らを市場の目にさらすことで規律ある利益追求が可能になると考えたという。

   そして、ここからがすごい、6年後の2006年にMBO(経営陣が参加する買収)に踏み切る。現在は緒方社自らも出資しており、2009年2月時点で、約1億円、約20万株(2.85%)を保有している。この時、MBOの母体となったのが投資ファンド、ジャフコであり、当時株式の約98%を保有していた。その後、日本レストランシステム、上場後は一般株主へと株式を売却してゆき、現在もジャフコは筆頭株主として、約300万株(46.95%、約18億円)を保有している。また、日本レストランシステムは約150万株(21.46%、約8億円)を保有しており、第2位の大株主である。日本レストランシステムは親会社がドトール・日レスホールディングスであるので、ドトール、日本レストランの傘下にあるともとれる。

   結果、らでぃっしゅぼーやは、キューサイからMBOでジャフコに経営権が移り、現在は、ジャフコ、日本レストランシステムが過半数を握る大株主であり、経営権をこの2社が握っているといえよう。ジャフコは投資ファンドであるので、実質、日本レストランの親会社、ドトールが経営を主導しているともいえ、現場は緒方社長がマネジメントしているといえる。

   さて、では、らでぃっしゅぼーやの2010年2月期の決算であるが、売上高223.34億円(-2.3 %)、営業利益5.08億円(-39.0%)、経常利益5.36億円(-31.0%)、当期純利益2.27億円(-36.5%)と減収減益の厳しい決算結果である。利益が厳しい状況であり、特に、1株当たりの純利益は33.04円(昨年64.98円)と、半減しており、株主にとっては、厳しい結果となったといえる。

   さらに気になるにはキャッシュフローであり、営業キャッシュフローが-8.51億円(昨年3.62億円)と、マイナスとなり、キャッシュ不足になったことである。これは減益になったことに加え、今期は、金融機関の休業日と決算日が重なり、売上債権が増加し、キャッシュは-12.72億円と大きくマイナスとなったことである。そして、投資キャッシュフローが-1.95億円(昨年-3.16億円)であったため、フリーキャッシュフローは-10.46億円(昨年1.00億円)と、プラスからマイナスへと、逆流のキャッシュフローとなった。

   結果、短期借入が増加し、財務キャッシュフローは1.14億円(昨年4.01億円)となり、トータルのキャッシュフローは-9.32億円(昨年4.47億円)となった。昨年の株式の発行による収入分8.73億円分がほぼ、マイナスとなる結果となり、現金及び現金同等物が5.77億円(昨年15.09億円)と1/3となった。恐らく、第1四半期決算では、売上債権が回収され、財務状況が大きく、改善しているものと思われるが、それを差し引いても、減収減益と、厳しい決算であり、今後、営業改革が最重要な課題といえよう。

   現在、らでぃっしゅぼーやの企画別の売上げは、「定期品は、7,941百万円(前期比1.5%減)、注文品は、14,113百万円(前期比2.7%減)、・・」とのことであり、定期品が約1/3であることから、この定期品をいかに増加させるかが売上だけでなく、利益を確保する上においても重要であるといえよう。らでぃっしゅぼーやの現在の会員数は10万人を超え、1人平均約20万円の年間ID金額PI値(年間売上金額/ID)であるというので、いかに、定期品に誘導できるかが、活性化の鍵を握っているように思える。

   このように、らでぃっしゅぼーやは実にユニークな企業であり、2000年には青汁のキューサイの傘下に入り、その後、MBOで投資ファンド、ジャフコの傘下に入り、さらに、現在は、実質、ドトールも経営に加わったといえよう。そして、2008年12月には、上場している。そして、その間、一貫して、経営の最前線で指揮をとってきたのが緒方社長であるが、今期はさすがに厳しい結果となり。減収減益となった。まずは、既存顧客、既存商品の見直しが、当面の課題であるといえ、次の第1四半期、らでぃっしゅぼーやの決算の回復を期待したいところである。

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May 28, 2010 in 経済・政治・国際 |

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