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May 23, 2010

エコス、2010年2月期の決算を見る!

   エコスが4/14、2010年2月期の決算を公表したが、結果は、厳しいものとなった。基本数字であるが、営業収益1,099.71億円(-6.8%)、営業利益4.13億円(-33.5%)、経常利益2.45億円(-55.4%)、当期純利益-0.56億円となり、減収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。また、自己資本比率も15.7%(昨年15.2%)と、わずかに増加したが、依然として、厳しい数字であり、財務的にも、一層の改革が必要といえる。そこで、ここでは、エコスの決算が減収減益、財務的にも厳しい状況となった要因を見てみたい。

   まず、この決算結果について、エコス自身は、「一昨年9月の米国金融危機以降の実体経済の悪化から回復の兆しは認められるものの、引き続き需要不足によるデフレが進み、企業の設備投資の縮小、雇用情勢の減退傾向等によって景気は依然として低迷しております。・・」との厳しい経営環境であったとの基本認識である。そして、その影響が、「近隣競合とのチラシ攻勢による客数の争奪戦や消費者の節約志向による買上点数減少の影響もあり、売上高は前年を下回りました。・・」とのことで、競争激化を生み、特に買上点数が減少したことが売上低迷につがったとのことである。

   実際、既存店の売上高は96.11%と厳しい結果であり、その中身は、客数98.6%、客単価97.5%、さらに、PI値100.1%、平均単価97.3%となっており、買上点数が伸び悩んでいることに加え、それ以上に平均単価のダウンが大きく、競争激化の影響がダイレクトに表れているといえよう。また、店舗数も今期は101店舗と昨年の103店舗、一昨年の116店舗と比べ減少しており、新規出店も厳しい状況である。

   では、営業利益が-33.5%と厳しい結果となった原因、原価、売価の状況はどうであったのかを見てみたい。まずは、原価であるが、74.70%(昨年74.11%)と、0.59ポイント上昇しており、原価の上昇がみられる。競争激化による平均単価の下落が原価を圧迫しているものといえよう。結果、売上総利益は、25.30%(25.89%)となり、粗利が減少した。一方、経費の方であるが、27.04%(昨年27.36%)と、0.32ポイント減少しており、経費の削減は進んでいる。ただ、それ以上に原価の上昇が大きく、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-1.74%(-1.47%)とマイナスとなった。これにその他営業収益、不動産収入、物流収入等が2.13%(2.01%)のり、結果、営業利益は0.38%(0.54%)と減益となった。経費、その他営業収入は改善したが、原価の上昇が利益を大きく圧迫した形であり、減益の厳しい決算となった。

   ちなみに、次期の予想であるが、「営業収益1,050億円(前期比4.5%減)、営業利益7億50百万円(前期比81.6%増)、経常利益6億円(前期比144.6%増)、当期純利益2億円(前期比2億56百万円増)を見込んでおります。・・」と、減収増益予想とのことであり、売上げよりも利益改善に重点を置いた営業戦略をとるとのことである。

   さて、財務の方であるが、先に見たように、今期の自己資本比率は15.7%(昨年15.2%)という若干の上昇はみられたが、依然として、厳しい数字である。その中身であるが、負債の中でも主要項目である有利子負債が154.15億円(昨年168.22億円)と、約15億円弱削減したが、それでも150億円を超える巨額な数字となっており、総資産352.51億円に占める割合は43.73%(昨年44.50%)と大きな比率となっており、財務を圧迫している。したがって、新規出店が負債に圧迫され、自己資本では厳しい状況であり、負債に大きく依存する出店構造となっている。

   その出店にかかわる資産、土地、建物、敷金及び保証金等の合計であるが、217.83億円(昨年227.55億円)であり、総資産に占める割合は61.80%(昨年60.20%)となる。したがって、自己資本との関係、すなわち、差し引き、出店余力は-45.54%(-44.57%)と、マイナスが大きく、負債、ちょうど、有利子負債分で補っている構造であり、厳しい出店余力であるといえる。こう見ると、経営の最優先課題は成長戦略よりも、財務の安定が最優先課題であるといえ、キャッシュを増やし、いかに、有利子負債を圧縮するかにあるといえよう。

   そこで、今期の営業キャッシュフローであるが、当期純利益が赤字になったが24.62億円(昨年20.88億円)と約4億円弱増加している。これは、当期純利益が赤字と厳しい状況になったにも関わらず、昨年比べ、棚卸資産の減少、関係会社の株式売却益などがなかったためである。したがって、投下資本、すなわち、純資産+有利子負債の合計で割ったキャッシュ効率は11.64%(昨年9.19%)と上昇しており、キャッシュを生み出す総合力は上昇するという結果となった。

   このように2010年2月期のエコスの決算は減収減益となる厳しい決算となり、有利子負債も依然として約150億円、総資産の40%強と、財務を圧迫しており、経営的には厳しい状況にあるといえる。ただ、営業面では経費の削減が進み、財務面では、キャッシュ効率が上昇しており、経営の改善が進みつつあるといえよう。今後、消費環境は依然として厳しい状況が予想される中、エコスがどのような経営改革に踏み切るか、注目である。

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May 23, 2010 in 経済・政治・国際 |

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