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May 12, 2010

関西スーパーマーケット、2010年3月期決算、増収減益!

   関西スーパーマーケットが2010年3月期の決算を公表した。結果は、営業収益1,109.31億円(1.7%)、営業利益13.74億円(-29.5%)、経常利益15.93億円(-27.9%)、当期純利益4.14億円(-56.6%)となり、増収減益となる厳しい決算となった。特に、利益はいずれの段階も大きく減少し、当期純利益に関しては昨対50%を割り込む結果となった。関西スーパーマーケット自身は、当期純利益については、「今後の損益改善のための企業体質強化策として、好立地への新規出店と並行して赤字店舗の閉鎖を進めることにより、店舗閉鎖損失が発生いたしました。・・」とコメントしており、赤字店舗の閉鎖が大きかったという。実際、今期は、特別損失として、店舗閉鎖損失-4.52億円、店舗閉鎖損失引当金繰入額-2.72億円の合計-7.24億円を計上しており、利益に響いたといえよう。

   ただ、営業利益についても、昨対-29.5%と大きく減少しており、特別損失もさることながら、営業段階でも厳しい結果であった。そこで、営業利益が減少した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.15%(昨年(76.01%)となり、0.14ポイント上昇している。これについては、関西スーパーマーケットは、「当期は、関西スーパーマーケット創業50周年にあたり、今日までご愛顧いただいたお客様への感謝の気持ちをこめて「めちゃ安特価」「50%引きセール」「たすかる値」「記念ロゴマーク入り商品」などの特別企画を実施いたしました。・・」とのことで、価格訴求を強く打ち出したことが原価上昇につながったのではないかと思われる。結果、売上総利益は、23.85%(昨年23.99%)と下がった。

   一方、経費の方であるが、24.61%(昨年24.10%)と、0.51ポイント上昇しており、経費の上昇も見られる。したがって、ダブルで利益を圧迫しており、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.76%(昨年-0.11%)とマイナス幅が広がった。そして、これに、その他営業収入である不動産収入、物流収入等が2.02%(昨年1.93%)加わり、結果、営業利益は1.26%(昨年1.82%)とプラスになったが、昨年と比べ大きく減少しており、厳しい営業利益となった。

   特に、経費が上昇した要因の一つは、既存店が-2.5%(昨年1.5%)となったことが大きいといえ、結果、固定費が相対的に上昇し、経費増になったものと思われる。関西スーパーマーケットは都心部での店舗展開が主体であり、客数は1日平均3,196人と、3,000人を超える多さであり、食品スーパーマーケット業界では客数ではトップクラスである。

   ただ、客単価は1,652円と、けっして高い方ではなく、むしろ、低いといえよう。その要因はPI値が996%(1人平均9.96個購入)、平均単価が164.30円と、PI値よりも平均単価の低さにあるといえる。特に、今期は、客数99.68%、客単価98.15%と、客単価の方が下がっており、その中身はPI値101.42%、平均単価96.76%と、平均単価の落ち込みが大きかったといえる。したがって、先にも見たように、原価上昇の要因の一つともいえる強力な販促が平均単価を下げ、原価を下げたのではないかと思われ、利益だけではなく、売上げ、特に、既存店のダウンにつながったものといえよう。

   こう見ると、今期の関西スーパーマーケットは当期純利益が昨対56.6%と厳しい結果となり、キャッシュフローも大きく減少したのではないかと思われるが、実際は、営業キャッシュフローは、26.74億円(昨年4.80億円)と大きく増加し、キャッシュはむしろ増加した。これは、キャッシュフロー上の当期純利益は8.85億円(昨年17.65億円)と大きく減少したが、昨年は厚生年金基金脱退損失引当金が-11.91億円、法人税等の支払額-11.88億円など、10億円単位のマイナスがあったためである。したがって、今年は、新規出店関連への多額の投資を営業キャッシュフローの範囲内で賄えており、昨年のように、有価証券の売却益で賄うことなく、キャッシュが回っているといえる。

   とはいっても、財務キャッシュフローで、有利子負債が2.60億円増加しており、負債の有利子負債合計が109.63億円となり、とうとう100億円を突破し、総資産の21.16%となり、財務に重くのしかかっているところが気になるところである。ちなみに、営業キャッシュフローと純資産+有利子負債の関係、投下資本当たりのキャッシュを生み出す力、すなわち、キャッシュ効率を計算すると、昨年が異常値であったこともあり、7.44%(昨年1.37%)と大きく増加しており、キャッシュ効率自体は上昇している。

   このように、2010年3月期の関西スーパーマーケットの決算は増収とはなったが、利益はいずれの段階でも大きく減益となる厳しい結果となった。特に、営業面では原価、経費、双方が上昇しており、既存店も平均単価のダウンが大きく、昨対を割っており、厳しい決算となった。今後、この厳しい結果を受けて、関西スーパーマーケットとしては、平均単価の改善が急務といえ、そのためには、食品スーパーマーケットの根幹ともいえる平均単価に大きく貢献する生鮮、惣菜の活性化が最優先課題といえよう。関西スーパーマーケットが今後、どのような生鮮、惣菜強化のマーチャンダイジング政策を打ち出すか、注目したい。

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