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May 11, 2010

ヤオコー、2010年3月期、個別、21期連続、増収増益!

   ヤオコーが5/6、2010年3月期の決算を公表した。結果は連結では減収増益となったが、個別では21期連続の増収増益となる好決算となった。連結が減収となった要因は、ヤオコーによれば、「一昨年9月のカルチャー事業部門子会社(株)ワイシーシーの売却や昨年3月の宅配事業部門子会社(株)フレッシュヤオコーの清算などの影響で、営業収益では若干の減収になりました、・・」とのことで、子会社の問題が影響したとのことである。

   さて、実際の決算結果であるが、まず、連結は、営業収益2,064.97億円(-0.9%)、営業利益85.97億円(5.3%)、経常利益84.60億円(3.9%)、当期純利益48.27億円(2.6%)と減収増益となった。一方、個別であるが、営業収益1,978.77億円(1.1%)、営業利益76.28億円(7.2%)、経常利益76.60億円(6.9%)、当期純利益45.06億円(14.7%)と、増収増益の好決算となった。こう見ると、連結と個別の営業収益の比率は95.8%であるので、約5%が個別以外の営業収益であり、また、営業利益は88.72%であるので、約10%強が個別以外の営業利益である。ここでは、ヤオコー全体の決算を見るため、連結の数字を基本に見てゆく。

   まず、営業収益であるが、今期、ヤオコーは、昨年9月に新座店(埼玉県新座市)、10月に前橋日吉店(群馬県前橋市)、11月に秩父上野町店(埼玉県秩父市)、今年1月に所沢美原店(埼玉県所沢市)、2月に青梅今寺店(東京都青梅市)と、5店舗の新店を出店している。結果、店舗数は、埼玉県66店舗、千葉県12店舗、群馬県11店舗、茨城県8店舗、栃木県5店舗、東京都2店舗の計104店舗となり、100店舗を超えた。また、連結では営業収益が創業以来はじめて2,000億円を超え、今期は100店舗、2,000億円という記念すべき年となった。

   一方、営業利益の方であるが、増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、71.16%(昨年71.18%)と、わずかであるが、原価を下げており、原価改善が進んだ。これについて、ヤオコーは、「今期も、原料の大豆に拘り「佐賀県産フクユタカ」を使用した味わい豊かな豆腐など、新たな開発商品を投入いたしました。また、各メーカーのご協力をいただいてパンやプリンなど当社オリジナルのPBの開発も行い、お客さまの高いご支持をいただいております。・・」とのことで、積極的にヤオコーのPB、「The Marketplace」の開発に取り組んだとのことで、その成果が表れたものといえよう。結果、売上総利益は、28.84%(昨年28.82%)となった。
   
   これに対して、経費の方であるが、28.95%(昨年29.01%)と、経費も若干下がっている。これについても、ヤオコーは、「経費削減につきましては、ロジスティクス推進部内の専担部署が中心となって、販売・事務消耗品から店舗施設関係経費まで全般に亘って発注方法、仕様の見直しなど徹底したコスト削減を進めました。そのうえ当期は電気料金の引き下げ効果もあり、販管費全体として大きな削減が図られました。・・」とのことで、経費削減を徹底したという。
   
   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、差し引き、-0.11%(昨年-0.19%)となり、依然としてマイナスではあるが、その幅が縮まった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.46%(昨年4.28%)のり、結果、営業利益は4.35%(昨年4.09%)となった。こう見ると、今期のヤオコーの収益構造は、トリプルで利益の改善が図れており、理想的に利益改善が進んだといえよう。トリプルとは、原価の削減、経費の削減、その他営業収入の増加である。食品スーパーマーケットの利益構造はこの3つで決まるので、3つとも改善するのは至難の業であるが、今期のヤオコーは3つとも改善しており、結果、好決算となったといえよう。
   
   ただ、経費比率は28.95%と食品スーパーマーケットの中では高めであり、マーチャンダイジング力が依然として、マイナスになるのは、この経費比率の高さが要因といえよう。一方、売上総利益、すなわち、粗利は28.84%と、これは食品スーパーマーケットとしては高い数字であり、ヤオコーは食品スーパーマーケットとしては粗利大、経費大という珍しい収益構造といえる。
   
   では、財務の方であるが、今期の好調な決算結果を受け、自己資本比率が45.0%(昨年43.5%)と若干上昇している。これは純資産の利益剰余金が増加したことによるところが大きい。ただ、有利子負債は156.61億円(昨年136.22億円)と、総資産の19.50%(昨年18.46%)とやや増加しているところが気になるところである。そこで、キャッシュ効率、すなわち、営業キャッシュフローを純資産+有利子負債で割り、キャッシュを生み出す効率を見てみると、15.33%(昨年15.96%)と、若干下がっており、これも気になるところである。すなわち、財務は安定し、営業キャッシュフローは増加したが、有利子負債が増加したため、キャッシュ効率が下がっているということであり、今後の課題といえよう。
   
   このように、2010年3月期のヤオコーは連結では減収増益であったが、個別では増収増益の好決算となり、自己資本比率も若干改善し、財務の安定も図れた。特に、利益構造が、原価、経費、その他営業収入と、トリプルでの理想的な改善が進んだことが大きかったといえよう。ただ、有利子負債が増加し、キャッシュ効率が下がったことは気になるところである。今期、100店舗、2,000億円を達成し、新たなステージに踏み込んだヤオコーが、今後、どのような経営戦略を打ち出すか、興味深いところである

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May 11, 2010 in 経済・政治・国際 |

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